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デルタ参入で何が変わる? スカイマークの債権者集会

2015年07月21日

デルタ参入で何が変わる? スカイマークの債権者集会


 1月28日に民事再生法適用を申請したスカイマークの債権者集会が8月5日に迫っています。

 1つで20億円の価値があるといわれる羽田発着枠(国内線)を36も所有するスカイマークは、95%といわれる債権カットが認められればたちまち「金の卵を生む鶏」に変身するため、最初から(というより民事再生法申請の前から)「狭い倒産村の住民達」が暗躍していました。

 その「倒産村の村長」のような多比羅誠弁護士が自ら監督委員となり、100%減資、新会社の資本金を180億円として95%の債権カット、DIPファイナンス(つなぎ融資)の提供先でしかなかった投資会社・インテグラルが50.1%出資して経営権を握るなどが「手際よく」決められて行きました。

 それに政策投資銀行と三井住友銀行が合わせて拒否権のある33.4%を出資し「倒産村の住民達の金庫番」に加わりました。

 といっても「飛行機のド素人」ばかりなので、最後にANAをわずか16.5%の少数株主で引き込みました。羽田の国内線発着枠を保有する新規航空会社への(再生されるスカイマークも新規航空会社となります)既存の航空会社の出資比率は20%未満にするとの出資規制があるからですが、羽田の国内線発着枠をJALにだけは奪われたくないANAとしては選択の余地はありませんでした。

 さらに「倒産村の住民達」は、ANAが自民党・公明党の政権与党に「覚えがめでたい」ことや、日本を代表する航空会社なので海外の大口債権者であるイントレピッド、エアバス、ロールスロイスなどにも「何かしらの協力を約束して懐柔してくれるだろう」と勝手に期待していました。

 ところが5月29日の再建案提出の直前になって、ANAの協力が得られない(当然ですが)とわかったイントレピッドやエアバスが難色を示し、独自の再建案を提出することになりましたが、その時点ではまだ航空会社が選定されていませんでした。5月28日付け「まとまりそうもないスカイマークの再建案」に書いてあります。

 そして7月15日にイントレピッドが米航空大手・デルタ航空を引き入れた再建案を発表しました。イントレピッドの主張する債権額が1150億円(全体の37%)なので、これにエアバスの840億円(27%)を加えただけで債権総額3089億円の過半数となりますが、債権者集会では債権者数197人の過半数も獲得する必要があります。

 デルタ航空は航空連合・スカイチームの中核航空会社で、JALが属するワンワールド、ANAが属するスターアライアンスと、日本市場で3大・航空連合が揃って公正な競争をすれば間違いなく利用者のためにもプラスになります。

 本誌は基本的に外資企業が日本で傍若無人に振る舞うことを苦々しく思っていますが(特に金融機関と製薬会社)、こと航空事業においては外資に対しても公正な競争機会を提供すべきと考えています。

 ところがどうもそんな前向きの話ではなさそうです。

 インテグラルを含む「狭い倒産村の住民達」が、何とかなり前から水面下でデルタ航空とも接触していたようで、全体の出資額もインテグラルの50.1%出資も「そのまま」の再建案となっています。羽田発着枠を保有する新規航空会社への出資規制はデルタ航空にも適用されるため20%未満の出資比率となり、唯一の違いはイントレピッドが300億円の債権を放棄し、その弁済分の15億円を(ここでも95%のカットは同じになっている)を他の債権者に追加弁済することだけです。

 要するにインテグラルを含む「狭い倒産村の住民達」が、新会社発足後ANAに主導権を握られることを警戒して最初から二股をかけていたようです。これが「倒産村の特殊な風習」なのでしょう。最初から株主(100%減資)や債権者(95%カット)の犠牲が前提で、その再建案を強行するためと「金の卵を実際に産ませる役割」までANAとデルタに二股をかけていたわけです。大したものですね。

 早速ANAが言いつけたのか、直後に太田・国土交通大臣が「羽田発着枠の国際線転用は認めない」と発言しています。

 本誌は最初からスカイマークは民事再生ではなく会社更生法を適用し、インテグラルを含む「狭い倒産村の住民達」を放逐するとともに本当の債権なのかどうかも怪しい海外の大口債権者も一気に裁判所主導で処理してしまうべきと強く感じています。

 そしてゼロから支援企業(航空会社)を募り、支援企業が現れなかったら会社整理をして羽田発着枠だけを入札すればよいと考えています。

 8月5日の債権者集会では、債権額の過半をイントレピッド、債権者数の過半を「倒産村の住民陣営」が獲得して引き分けになる公算が強く、2か月後に改めて債権者集会が開かれることになりそうです。

 そこでも決まらなければ会社更生となるはずですが、「倒産村の住民達」はその対策も考えているはずで「金の卵を産む鶏」は簡単に手放さないのでしょうね。


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