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ジンバブエが人民元を「通貨」に!?

2015年12月25日

ジンバブエが人民元を「通貨」に!?


 アフリカ南部にあるジンバブエが人民元を「通貨」にすると報道されていますが、いったいどういうことなのでしょう?よく考えるととても奥が深い問題なので解説します。

 まずジンバブエでは2008年頃に天文学的なインフレに見舞われました。独裁者のムガベ大統領(91歳!)が、旧宗主国だった英国人など白人が保有する農地や工場をすべてタダ同然で取り上げたため白人がいなくなり経済活動が完全にマヒしたところ、中央銀行に通貨(ジンバブエ・ドル)をいくらでも印刷させて公務員や軍人の給料支払いや、外為市場で外貨に交換して対外決済にも充てていたため、あっという間にジンバブエ・ドルが紙切れになってしまいました。

 ここで日銀など「普通の国の中央銀行」が通貨を印刷するときは、必ず市中から(普通は銀行のことです)国債など資産を買い入れるので、それだけでインフレになるわけではありません。しかしムガベは国内外への支払いが必要になると、ジンバブエ中央銀行にジンバブエ・ドルを「いくらでも印刷させて」支払いに充てていたはずです。つまりジンバブエ・ドルは何の価値の裏付けもない紙切れで、これを国内経済が完全にマヒした状態で大量に印刷すると天文学的なインフレになってしまいます。

 さすがにただの紙切れであるジンバブエ・ドルはジンバブエ国内でも誰も信用しないため、国内では米ドルや南アフリカ・ランドが流通するようになっていましたが、ジンバブエ政府は2015年6月にジンバブエ・ドルの廃止を正式に決定しました。

 その際、国内に残るジンバブエ・ドルを何と3.5京:1で米ドルに交換してしまいました。3.5京とは3.5兆の1万倍のことです。

 それでは今までもジンバブエ国内で「流通」していたドルは、ジンバブエ国民が律儀に3.5京ジンバブエ・ドルを銀行や両替商に持ち込んで1米ドルに交換していたのかというと、もちろんそんなことはありません。ジンバブエの近隣国で手に入れた米ドルをポケットにでも入れて持ち込んでいたのでしょう。

 こうしてジンバブエ国内で流通している米ドルは(たぶん南アフリカ・ランドも)ジンバブエ・ドルから正式に交換したものではなく、「ジンバブエ国内の資産(あるいは財)と交換されることなく取得された米ドル」となります。

 簡単に言えば「拾ってきたドル」と同じです。

 このジンバブエで人民元が「通貨」になり、米ドルや南アフリカ・ランドと並んで「流通」することになります。人民元は先日IMFにSDR構成通貨として認められた一環であるというのは、あまりにも教科書的な(よくわかっていない)解説です。

 しかし人民元は、米ドルや南アフリカ・ランドと違って、ジンバブエの近隣国で手に入れてポケットに入れて持ち込めるほどアフリカでは流通していないはずです。つまり「拾って来ることができない通貨」です。

 じゃあどうするのでしょう?

 中国人民銀行は、中国に貿易黒字や海外からの直接投資などで流入した外貨(主に米ドル)を一元的に買い入れて、それを準備資産として人民元を発行しています。つまり人民元はジンバブエ・ドルのように「いくらでも印刷した紙切れ」ではなく、一応は「価値の裏付け」のある通貨となります。

 じゃあその「価値の裏付け」のある人民元を、いったいどのようにジンバブエ国内で流通させる(持ち込む)のでしょう? 

 答えは「あげる(贈与する)」と「貸す」と「何か価値のあるもの(たとえば資源の鉱山)の権利と交換する」の3択しかありません。中国政府は別途ジンバブエに対する貸し付けを48億円放棄しているので、「あげる」部分もあるようですが、大半が最後の「何らかの資源鉱山の利権と交換している」と考えます。

 ジンバブエでは国内の政治・経済が長く混乱していたため、どれほど価値のある資源があるのかわかりませんが、世界有数のダイヤモンド産出国であるボツワナの隣国なので結構有望な資源がありそうです。

 しかし人民元が、米ドルや南アフリカ・ランドを押しのけてジンバブエの通貨の大半を占めるようになったら、それは中国がジンバブエ経済だけでなく国全体を「乗っ取ってしまう」ことにもなります。

 独裁者のムガベも、あと何年も生きるとも思えないため、チベットやウイグルなど武力だけで征服した支配地ではなく、アフリカに中国の「人民元で征服した」新しい支配地が生まれることになります。

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■闇株的見方 » 経済 | 2015.12.25
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安直に引き受けてはならない米本社が売却する日本マクドナルド株式

2015年12月24日

安直に引き受けてはならない米本社が売却する日本マクドナルド株式


 経営不振が続く日本マクドナルドに対し、その49.9%を出資する米マクドナルド本社が持ち株を最大33%売却する方針で、日本の大手商社や国内外の投資ファンドに打診を始めたと報道されています。

 本誌は以前から日本マクドナルだけに限らず、外資系飲食チェーンが本社に支払うロイヤリティなど法外な負担金に対し、それを最終的に負担させられている日本の消費者が享受できるメリットが全く釣り合っていないと感じています。

 日本マクドナルドは総売り上げに対して3%のロイヤリティを米本社に支払い(総額で年間120億円ほどになります)、食材は米本社が独占供給しているためどれだけ割高であるかもわからず(実際に中国のとんでもない企業から仕入れていた)、218億円もの最終損失だった2014年12月期にも1株=30円の配当を支払い(米本社の受け取りが20億円)、2013年8月に米本社から派遣されたカサノバCEOがトンチンカンな経営を続けています。

 つまりこれらの負担は(カサノバCEOのトンチンカンによる損失も含めて)すべて日本の消費者と、売り上げの4分の1をピンハネされている日本人フランチャイズオーナーに押し付けられています。

 本誌は2014年10月8日付け「日本マクドナルドの業績下方修正に見る本当の問題点」、2015年1月9日付け「日本マクドナルド問題の本質」で、米本社の資本引きあげの可能性をはっきりと指摘していました。

 米本社は高額のロイヤリティや株式配当で当初の出資分(そもそも現金出資だったのかどうかも不明です)はとっくに回収しており、次のステップは日本マクドナルドにまだ残る現金(2014年12月末現在で286億円、流動資産なら485億円あった)をむしり取ってでも米本社保有分の自社株買いを強行させると予想していました。

 今回の報道は、さすがにそこまでではありませんが、単純に日本マクドナルドの現金残や流動資産が急速に枯渇していることと、まだ日本の外食産業で最大級の売り上げと株式時価総額があるため、日本マクドナルドは高値で売却できると踏んでいるだけです。

 ここからは本誌の推測ですが、米本社は筆頭株主の地位は譲っても(それでも拒否権が発生する33.4%以上は譲渡しないはずですが)、現在の総売り上げの3%のロイヤリティや食材の独占供給などのメリットは手放すつもりは全くないはずです。

 つまり米本社は、資本だけはあまり経営に影響がない範囲内で「おとなしい誰かに」譲渡し、独占オペレーターとしてのメリットはすべてそのまま確保し続けるつもりのようです。

 それでは、この状態で「手を挙げる」ところがあるのでしょうか?

 日本マクドナルドの2015年1~9月の連結決算は、営業赤字が208億円、最終赤字が292億円と巨額ですが、まだまだ店舗閉鎖に伴う費用計上が不十分で(フランチャイズオーナーに負債込みで押し付けた店舗は知らん顔で切り捨ててしまいます)実体の決算はもっと悲惨なはずです。

 ところが日本マクドナルド(コード・2702)の株価は、報道が出た昨日(12月22日)には231円安の2712円となりましたがまだ時価総額が3600億円もあり、133億円の最終黒字だった2012年度の平均株価・約2000円、125億円の最終黒字だった2013年度の平均株価・約2500円よりまだ高く、実体に比べて「大変に割高」に見えます。

 この状態で、しかも米本社が独占オペレーターの地位を確保するのであれば(そのつもりです)、この株価を基準にした譲渡に簡単に応じる海外のファンドはないはずです。

 そこで米本社は、最初から日本の大手商社をターゲットにしているはずです。実際は食材供給などのメリットがなく、もちろん日本以外の地域での営業展開などできるはずがなく、純投資としても大変に割高であり、大手商社としてもメリットは全くありません。

 ところが「おたくのライバルのA商社はいくらでも買うと言っていますよ」とか「海外のBファンドはこれくらい用意していますよ」などと焚き付けられて、とんでもない高値で買ってしまう大手商社(あるいはよくわかっていない日本の投資ファンドも組み合わせて)が出てきてしまう恐れがあります。

 まあ今でも最大1000億円くらいの投資案件で、しかも訳のわからない海外案件でもないため、あまり目くじらを立てる必要もなさそうですが、日本マクドナルドの存在とは、このままでは買い手(大手商社)だけでなく、日本経済、日本の消費者、日本の株式市場にとって何のメリットもありません。

 そうするとあるのは投資収益だけなので、徹底的に安くなるまで(もっとリストラを余儀なくされるか、もっとボロボロになるまで)放置しておくべきとなります。もし海外ファンドが比較的高値で買っていったら(買わないと思いますが)、同じようにもっとボロボロになるまで放置しておけばよいだけです。

 決して安直に手を出さないことです。

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