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ひとまず「ほっとした」日銀の追加緩和見送り

2016年04月28日

ひとまず「ほっとした」日銀の追加緩和見送り


 日銀は本日(4月28日)まで開催されていた政策決定会合で、現行の金融政策をすべて現状維持とすると午後零時過ぎに発表しました。

 午前中は日経平均が281円高の17572円、円相場も1ドル=111.88円まで株高・円安となっていたのですが発表を受けて急変し、午後3時の大引け時点で日経平均は624円安の16666円(オーメン?)、円相場は1ドル=108.77円となりました。

 日経平均は直近安値となった4月18日の16275円(終値)、円相場も同日の一時1ドル=107.84円から追加緩和と消費増税再延期への期待が盛り上がって株高・円安となっていましたが、少なくとも追加緩和については期待を裏切られたことになります。

 政策決定会合の本日の評決は、もともと日銀首脳部(総裁・副総裁2名)から提案された内容が現状維持だったため波乱はなく、いつも日銀の国債保有残高増加額を年間45兆円にすると提案している木内委員だけが反対し、8:1で決定されました。

 今回の政策決定会合から、本年1月のマイナス金利導入に反対した白井委員(学者枠)の後任に「絶対反対しない」と期待されて選ばれた桜井委員が初出席していたのですが、波乱なく終わりました。

 また2014年10月の追加量的緩和と本年1月のマイナス金利導入に反対した石田委員(銀行枠)も本年6月に任期切れとなり、その後任も「絶対反対しない」委員が選ばれるはずで、証券枠の佐藤委員と木内委員は2017年7月まで任期があるものの、今後の政策決定会合は「無風」となってしまいます。

 さて現状維持の発表後にこれだけ株安・円高になっているのに、何で表題が「ほっとした」となっているのか?ですが、これまでも何度も書いているようにこれ以上の量的緩和拡大と「とくに」マイナス金利幅の拡大は日本経済にダメージしか与えないことと、ここで大蔵省傘下となった日銀が追加緩和に踏み切れば消費増税が予定通り2017年4月に実施されることが「ほぼ確定してしまう」からです。

 それが少なくとも現時点においては「量的緩和」「マイナス金利」「消費増税」という「悪夢の3点セット」がさらに強化され、日本経済がほとんど回復不能の大不況に突入してしまう事態だけは回避できたからです。

 ずっと回避できるという意味ではありませんが少なくとも今回だけは回避され、日本経済は辛うじて延命できる「かすかな期待」が出てきたので、とりあえず「ほっとした」わけです。

 日経平均と円相場は勝手に「追加緩和で株高・円安になる」とはしゃいでいただけなので、多少の調整があることは当然です。もし今回、追加緩和(それも量的緩和拡大とマイナス金利幅の拡大のセット)が強行されていたなら、伸びきった株高・円安が近いうちに大反転していたはずです。

 ここで「はしゃいでいた部分」が早く剥げ落ちれば、その後の日経平均はかえって期待でき、円相場も急激な円高に見舞われる事態は避けられるはずです。

 今後の最大のポイントは、消費増税がどうなるか?で、それに関連して(ほぼなくなったと考えられている)衆議院解散・衆参同日選挙はあるのか?となります。

 いつも書いているように消費増税の再延期について安倍首相は、国会内でも自民党内でも官邸内ですら「少数派」であり、旧大蔵省をはじめとする官僚組織から見れば「反対勢力」で「排除すべき対象」となるのですが、実はここ数日の間に「ほんの少しだけ」風向きが変わっていると感じていました。

 まだここに書けるほど確信がありませんが、旧大蔵省も「たくさんの条件付きではありますが」消費増税の再延期(中止ではありません)に応じてもよいとの雰囲気が少しだけ出ていると感じます。
 
 それを反映した本日の緩和見送りなら、日本経済にとっても株式市場にとっても「大変に結構なこと」となります。

 この辺も含めて、もちろん今後の相場も含めて、5月2日のメルマガ「闇株新聞 プレミアム」でじっくり解説することにします。メルマガはゴールデンウィーク中も休みません。

 闇株新聞は通常より更新が少なくなるかもしれませんが、お休みということではありません。

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■闇株的見方 » 経済 | 2016.04.28
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そもそも流出した「パナマ文書」はどこにあり、誰がアクセスできているのか? その2

2016年04月27日

そもそも流出した「パナマ文書」はどこにあり、誰がアクセスできているのか? その2


 昨日の続きです。「パナマ文書」といっても21万余のオフショアカンパニー所有者(Beneficial Owner)の実名とか、その非合法も含めた活動内容など「最も重要な部分」がどこにあり、誰によって管理され、誰によってその利用方法が決定されるのかなど、一切が不明なままです。

 1970年代など古い時代の情報や、単なる法人名や住所、Nomineeに過ぎない役員名や株主名が公開されてもほとんど何の役にも立ちません。ICIJの会員ジャーナリストは、このほとんど何の役にも立たない情報の分析に動員されているようです。

 ところで昨日付け「同題記事 その1」の最後に書いた、最も重要な部分を含む「パナマ文書」の元データがもう1つあるがどこでしょう?の答えは、もちろんモサック・フォンセカ法律事務所です。データは現金や宝石と違うので盗難にあっても残っているからです。

 コメントに正解も頂いていますが、それだけだと「ほんの駄洒落」です。しかし事件発覚(4月3日)後の4月12日に、パナマ検察と警察がモサック・フォンセカ法律事務所を強制捜査し、最も重要な部分を含めた「パナマ文書」をそっくり押収していったはずです。

 しかも単にコピーしたのではなく、パソコンやサーバーや印刷された関連文書の原本などを「ごっそり」と運び出した可能性があります。検察と警察は丸1日以上もモサック・フォンセカ法律事務所に陣取っていたそうです。つまり最も重要な部分を含む「パナマ文書」の元データや証拠書類「そのもの」が、そっくり押収されてしまった可能性があります。

 一時はモサック・フォンセカがデータを「盗難」されたと被害届を出し、その犯人を捜すための捜査かとも思われたのですが、モサック・フォンセカ自体が捜査対象だったようです。

 一応はパナマも法治国家のはずですが、これは奇異に映ります。パナマ警察や検察が、あくまでも盗難被害者であるモサック・フォンセカをこれほど素早く強制捜査するためには、何か大きな力が働いたと考えるしかありません。
 
 逆にモサック・フォンセカは香港と中国本土に10か所近い事務所があるそうですが、これらに中国当局が何かしらの「捜査」を加えた事実はなさそうです。中国当局こそ、お構いなしに強制捜査・拘束・国外追放などができるはずですが、放置したままです。

 パナマは自国通貨がなく米ドルが流通しているほど「米国に近い国」です。この辺を考え合わせるとやっぱり今回の「黒幕」は米国ということになります。ウィキリークスは、米国国務省傘下の国際開発庁(USAID)の仕業と伝えていますが、そんなところなのでしょう。

 少し違う話ですが、OECDが主導する世界各国が非居住者に対する「金融口座に関する自動的情報交換(AEOI)」が2017年あるいは2018年から順次スタートするようで、日本はもちろんOECD諸国やG20などほとんどの「先進国」が参加を表明しています。

 海外領土などにオフショア金融センターを多数抱える英国、金融立国のスイス、それに何と中国や香港まで参加するようで、明らかに参加しない国はシンガポール、バーレーン、リヒテンシュタインくらいです。また今回の騒動でパナマも参加するようになりました。

 ここでAEOIはオフショア金融センターにおけるオフショアカンパニーが参加国(例えばロンドンや香港)の金融機関に開設する金融口座も対象に含まれるはずですが、AEOI自体が2国間の情報交換を基本としているため、オフショアカンパニーの口座情報をオフショア金融センターに提供する意味がありません。「見返り」がないからで、AEOIはオフショアカンパニーに対しては何の効果もないことになります。

 ところでこのAEOIには、肝心の米国が独自の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)が施行されることを理由に署名せず、実質的に不参加となります。米国では(連邦政府ではありませんが)ネバダ州、ワイオミング州、ユタ州、デラウェア州などは「れっきとした」オフショア金融センターで、そこにオフショアカンパニーでも何でも誘致して資産(ドル資産)を米国に還流させる目的もあるはずです。

 世界中のオフショアカンパニーの資産総額は20~30兆ドル(2000~3000兆円以上)と言われており、その大半がケイマン、BVI、ガンジー諸島など英国領内にあり(ケイマンは一応独立国)、その資産はほとんどがドル資産で物理的にはロンドンにあるはずです。

 ここまで膨らんだオフショアカンパニーの資産を捕捉することが不可能なら(不可能です)、大半がドル資産であるオフショア資産を自国内に取り込もうと米国が考えてもおかしくありません。

 つまり今回の「パナマ文書」を巡る騒動の「黒幕」は米国でしかなく、その最大のターゲットはオフショアカンパニー相手にドルで大儲けしているロンドンを叩くこととなります。

 そう考えると6月23日に迫った英国のEU離脱を問う国民投票で、ジョンソン・ロンドン市長がEU離脱に賛成している理由もわかるような気がします。

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■闇株的見方 » 社会 | 2016.04.27
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