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ヘッジファンドの巨人たち(2015年)

2016年05月24日

ヘッジファンドの巨人たち(2015年)


 毎年この時期に米ヘッジファンド専門誌・Absolute Return+Alphaがヘッジファンド主宰者高額所得ランキングを発表するので(ヘッジファンドの所得ではなく主宰者の個人所得ランキングです)、それにあわせて毎年書いているシリーズです。

 実はヘッジファンド全体の投資収益率はリーマンショック後の2009年以降、ベンチマークであるS&P500に「大きく」負け続けているのですが、2015年もヘッジファンド全体の投資収益率がマイナス1.0%となり、やはりマイナス0.7%だったS&P500に負けてしまいました。

 つまりここ7年間、投資残高に対して平均で年間1.5%の運用報酬と年間運用益に対して20%の成功砲報酬を徴収するヘッジファンドが、タダみたいな運用報酬のETFなどインデックス運用に負け続けていることになります。

 それでも世界のヘッジファンド運用残高は直近で3兆ドルに乗せているのですが、現時点ではETF全体の運用残高に初めて抜かれたようです。まあ当然ですね。

 さてその2015年のヘッジファンド主宰者の高額所得ランキングでは、昨年に続きシタデルのケネス・グリフィン氏が17億ドルで2年連続のトップとなりました。昨年は13億ドルでした。

 「シカゴの天才」と呼ばれて久しい47歳のグリフィン氏は、リーマンショック時の損失以降は成功報酬を受け取らず地道にファンド価値の回復に努め、2013年に高額所得ランキングに復活した「律義者」です。またシタデルには前FRB議長のベン・バーナンキがシニア・アドバイザーに就任しています。

 またグリフィン氏は依然として3人の子供がいる夫人との離婚騒動の真っ最中で、居住するイリノイ州の判例では慰謝料・養育費が年収の平均32%だそうで、2015年も600億円ほどを召し上げられる羽目になります。まあグリフィン氏はそれもエネルギーにしているのでしょうね。

 さてこのグリフィン氏と同額(17億ドル)の1位となったのが、クォンツの雄・ルネッサンス・テクノロジー創業者で天才数学者といわれるジェイムス・シモンズ氏です。シモンズ氏は78歳で、もうとっくに第一線を引退してファミリーマネーの運用だけ行っているはずですが、それでも17億ドルを稼いでしまったようです。

 ところでこのルネッサンス・テクノロジーと言えば、2015年の一時期突然に日本の株式市場に現れて「大暴れ」していたのですが、また突然に静かになってしまいました。

 2015年8月4日付け記事「東京市場で存在感を増すルネッサンス・テクノロジー」でその活動をご紹介していますが、果たしてシモンズ氏は東京市場でも荒稼ぎしたのでしょうか?

 そして3位には、世界最大のヘッジファンドと言われるブリッジウォーターのレイモンド・ダリオ氏と、ここ数年で3度も高額所得ランキング1位になっているアパルーサ・マネジメントのデビット・テッパー氏が、14億ドルで並びました。

 ブリッジウォーターはグローバル・マクロの雄、アパルーサはディストレスやジャンクボンドの雄、ダリオ氏とテッパー氏は「ヘッジファンドの両巨頭」です。

 ForbesのランキングではSAC・キャピタル・アドバイザーズのスティーブン・コーエン氏が15億5000万ドルで3位となっていますが、コーエン氏は度重なるインサイダー疑惑で2013年に顧客の資金を運用できなくなっています。ファミリーマネーの運用による収益かもしれませんが、正しい情報ではないような気がします。Absolute Return+Alphaではランク入りしていないため、本紙も除外して考えることにします。
 
 そしてこれまでランキング上位に見かけなかったミレニアム・マネジメントのイスラエル・イングランダー氏が11億ドルで5位にランク入りしています。ミレニアム・マネジメントは1989年創業で、全世界に1800人の従業員がいて332億ドルの資金を運用しているとHPに出ていますが、ファンド販売を外部に委託してオーダーメイド型の運用を行っているようで東京にも事務所があります。今後もっと注目しておく必要がありそうです。

 さて2015年の運用成績が悲惨だった著名ヘッジファンド主宰者にグリーンライト・キャピタルのデビッド・アインホーン氏がいます。アインホーン氏はアクティビストとしても有名でグリーンライト・キャピタルは株式のロング・ショート運用が中心ですが、2015年の運用成績は何と20%のマイナスだったようです。

 ちなみにこのアインホーン氏の小型版がサード・ポイントのダニエル・ローブ氏で、最近もセブン&アイのクーデター劇で名前が出てきましたが、やはり2015年の運用成績はマイナスだったようです。

 最後に、世界のヘッジファンドはほとんどケイマンやBVIやマン島など、オフショア金融センターを本籍地にしていることをつけ加えておきます。そのうち「ヘッジファンドもけしからん」という批判が出てくるかもしれませんね。

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■闇株的見方 » 株式 | 2016.05.24
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