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そろそろ出始めた英国EU離脱の「憂慮すべき兆候」 その2

2016年07月08日

そろそろ出始めた英国EU離脱の「憂慮すべき兆候」 その2


 昨日の続きですが、英国のEU離脱はあくまでも英国議会がEU本部に対して離脱を「通告」して初めて手続きに入ります。さらに英国議会が「離脱」を通告するかどうかは先日の国民投票の結果になんら縛られません。こんな「最初からわかっていたはず」の議論が今頃になって出てきています。

 離脱を主導した保守党のボリス・ジョンソン氏はすでに表舞台から消えており、同じく離脱の急先鋒だった英国独立党のファラージ党首に至っては「(EU残留に伴うデメリットについて)間違った説明をしていた」と辞任しており、ここから実際に離脱を主導すると政治生命が絶たれてしまうため「誰も何もしなくなる」はずです。

 次期保守党党首(すなわち首相)の有力候補であるメイ内相はもともと残留派で、早くもEU離脱の「通告」は年内行わないと表明しています。すなわち英国保守党の(すなわち多数を占める英国議会の)方針は、早くも「離脱カード」を温存しながらEUにおける英国の立場を強化する方向に変更しているようですが、さんざん振り回されたEU加盟国は「とりあえず出ていけ」となるはずで、混乱は続きそうです。

 いつも書いているように最大の問題は、こんな英国内の「茶番」で世界の金融市場が大混乱になり、ここにきてもっと「憂慮すべき兆候」が現れてきたことです。まあ「茶番」がなければ「憂慮すべき兆候」がここで出てくることもなく、見えないところで問題がさらに膨らんでどこかで大爆発となるため、いい「ガス抜き」になったとは言えなくもありません。

 さて昨日その1)で書いた英国の不動産ファンドの解約停止は、そこから39億ポンド(5000億円)の不動産運用資産を持つヘンダーソン・グローバル・インベスターズなどが加わり、合計7社になりました。

 これはもう立派な「パニック」であり、実際に不動産融資額が大きいRBS、ウニクレディト(伊)、モンテパスキ(伊)、バークレイズ、ソシエテ・ジェネラル(仏)など株価が2~5割急落しています。そして本来は何の関係もないはずの日本や世界の不動産、不動産ファンド、銀行業績などに「間違いなく」伝播すると身構えておくべきです。

 さて昨日はその2)の追加金融緩和の途中でした。リーマンショック以降のイングランド銀行(中央銀行)の金融緩和・量的緩和は大変に「控えめ」で、ここからの追加緩和には「それなりの」効果があるはずです。これも最大の問題は、すでに極限まで金融緩和・量的緩和を行っており、そのはっきりとした弊害が目立ち始めている日本(日銀)までが円安・株高を狙った安直な追加緩和に踏み切ってしまいそうなところです。

 それを織り込んでか昨日(7月6日)の国債市場では20年国債利回りまで一時マイナスになってしまいました。現在はプラス圏に戻っているようですが、10年国債利回りがマイナスになった時の状況から考えると、近いうちに20年国債のマイナス利回りも定着してしまうような気がします。

 つまり日本経済とは、極端な元本リスクを取らなければ「現金を20年間運用してプラスにならない」と市場が判断していることになり、これは強烈なデフレ圧力となります。つまり「円の現金」の価値が最も増加するため「強烈な円高圧力」になるわけです。

 そこを日銀は(旧大蔵省ですが)全く理解していないため、追加緩和=長短金利のさらなる低下=資金需要の増加=経済回復=(その前に安直な)株高という「バラ色の構図」に拘り続けています。

 もちろんここで(次回の政策決定会合は7月28~29日)追加緩和に踏み切ってしまうと、日本はもっと強烈なデフレ圧力に襲われるだけでなく、ますます「海外からを中心とした怪しげな投資話」が跋扈することになってしまいます。


その3  世界の政治に与える影響

 英国のEU離脱(茶番)が世界に与えた最も確実な影響とは「重要な投票でよく考えずに雰囲気だけで投票してしまうととんでもないことになる」と世界中が認識したことです。

 EU内でも少なくとも年内は反EUの勢力は後退するはずです。来年春に行われるフランス大統領選挙では、同じくEU離脱を掲げる国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が有力候補です。じゃあこのルペン党首が「フランスがEUから離脱した場合の政治的・経済的損失」を理解しているのかというと「全く理解していない」はずで、今回の英国の「茶番」でルペン仏大統領の目(芽?)がなくなったと考えます。

 同じように大統領の目(芽?)がなくなったのがトランプのようです。対立のヒラリー候補の私用メール問題については先日FBIが大変唐突に「不起訴」としてしまい、それを待って(そう指示した?)オバマ大統領が異例の「ヒラリー支持」を表明しています。

 米大統領の本選は投票1か月前の米国の(世界のではありません)状況によって決まるため、まだまだ確定とは言えませんが、ほぼヒラリーで「決まり」となってしまいました。本誌はかねてより「日本にとって最悪の大統領候補はヒラリー」と主張していますが(2番目の最悪はトランプですが)、どうもそうなってしまいそうです。

 歴史上はじめて「中国に大変に親しい米国大統領」が出現する恐怖はしっかりと認識しておかなければなりません。これが今回の英国の「茶番」が引き起こした「もっとも憂慮すべき」ものとなりそうです。

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■世界経済 » ヨーロッパ | 2016.07.08
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