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魔窟(東京)の宴はいつまで続く?  その1

2016年08月31日

魔窟(東京)の宴はいつまで続く?  その1


 本日の記事は決して大袈裟ではなく、大変に控えめに書いています。それでもとても1回では書ききれないため、明日も続きます。

 魔窟(まくつ)とは、辞書で調べると「悪魔の住んでいる場所」「悪事を働く人々が集まる場所」となっています。そして大都市・東京こそ、その意味がぴったりする日本最大の(たぶん世界最大の)魔窟です。

 東京は地方交付税を受け取っていないため中央政府の監視を受けず、独自の利権配分を含む「魔窟の支配体制」が確立されています。中央政府も官邸も自民党本部まで、この「魔窟の支配体制」にすり寄る構造になっています。

 東京都とはGDPが94兆円(オランダより大きい)、予算規模が13兆円(ポルトガルより大きい)、税収(地方税だけ)が7兆円もある「大国」です。そんな大国・東京の特権・利権はケタ外れに大きく、またオリンピックなど「海外の魔窟の宴」まで開催してしまいます。

 この大国・東京の首長はもちろん直接選挙で選ばれる都知事ですが、歴代の東京都知事はこの「魔窟の支配体制」に正面切って切り込まず、時にはすり寄り、時には利権に手を突っ込んで吹き飛ばされ(猪瀬元知事、舛添前知事など)、結局はそのまま「魔窟の支配体制」が維持されてきました。

 選挙で選ばれたばかりの小池都知事は、この「魔窟の支配体制」と反目する形で立候補し、その悪事を暴くと公約して当選したため、さすがにメスを入れざるを得ません。

 まあどこまで「魔窟の支配体制」に切り込めるのか、あるいはどこかで懐柔されるのか、あるいは拗れて(こじれて)吹き飛ばされるのかはわかりませんが、さっそくアクションを起こしているところは好感が持てます。

 さてその小池都知事は、11月7日に予定されていた築地市場から豊洲新市場への移転を延期するようです。直接の理由は、土壌や地下水汚染などの安全性モニタリング調査結果が移転後に発表されるからですが(つまり移転してから汚染度合がわかる)、豊洲新市場への移転を巡る「ありえない話」はこんなものではありません。

 そもそも築地市場の土壌が汚染されているという話がどこからともなく出てきて(注)、あっという間に豊洲新市場への移転が決まったのですが、もともと埋め立て地で東京ガスの工場跡地だった豊洲新市場の土壌や地下水のほうが数千倍汚染されているはずです。

(注)築地市場の地下には、1954年にビキニ環礁で被爆した第五福竜丸などの汚染マグロが埋められているとの「都市伝説」まで出てきました。

 しかも豊洲新市場の総工事費が知らないうちにどんどん水増しされ、直近では何と5884億円に膨らんでいます。2014年6月に完成した地上52階の虎ノ門ヒルズでも、総工事費は2340億円でした。

 もちろん無理矢理に移転話が出てきたのも、総工事費が虎の門ヒルズ2本半分にもなるのも、すべてそこに巨大な利権の「掴みどり体制」が出来上がっているからですが、こんな話はゴロゴロ転がっています。

 この「魔窟の支配体制」は、終戦直後のGHQに取り入り土建、運送を請け負うとともに、遊郭を独占的に取り仕切った元暴力団の新田新作を「祖」とし、早死にした新田を受け継いだ料亭主の三田政吉、「刺青のある都議」の醍醐安之助、創価学会票を動員した公明党都議の藤井富雄、そして現任の内田茂と脈々と受け継がれてきました。

 先日の都知事選では「魔窟の支配体制」が担いだ増田寛也があえなく落選したため、内田茂は「魔窟の最高ポスト」である都連幹事長を形だけ辞任していますが、その支配体制は全く揺らいでいません。

 8月24日に内田茂氏の政治資金パーティーが開催され、菅官房長官、二階幹事長、細田総務会長、石原伸晃経済再生相(元都連会長)、丸川珠代五輪相、萩生田官房副長官、石破茂前地方創生担当相、下村博文幹事長代行、無役ですが片山さつき参議院議員などが馳せ参じました。

 どう考えても小池都知事は「政界」では孤立無援に見えます。元特捜部副部長の若狭勝衆議院議員(比例東京ブロック)だけがついていますが、東京10区補選で小池氏の後釜を狙っているだけでしょう。補選に立候補するには一旦議員辞職しなければならず自民党公認が取れないと思うのですが、何を考えているのでしょうね?
 
 さて明日は、海外の魔窟(IOC)の宴が日本の魔窟(東京)で開催されますが、小魔窟(JOC)が傍若無人に暗躍している2020年東京オリンピックの「醜悪な構造」についてです。

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■日本 » 政治 | 2016.08.31
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GPIF運用体制の何が問題なのか?  その3

2016年08月30日

GPIF運用体制の何が問題なのか?  その3


 8月3日付け「同題記事」、同5日付け「同題記事 その2」の続編ですが、GPIFは8月26日に2016年4~6月期の運用状況を発表しました。

 2015年度通年(2015年4月~2016年3月)と2016年1~3月期の運用状況が7月29日にやっと発表されたばかりだったので、電光石火の発表で逆に「何かあるのか?」と穿ってしまいましたが、昨年もほぼ同じ8月27日に発表されていました。

 その2016年4~6月期の運用成果は、期間収益が5兆2342億円のマイナスで期間収益率も3.88%のマイナスとなりました。2015年度通年は5兆3098億円のマイナスで、2016年1~3月期だけでも4兆7990億円のマイナスでした。

 また2001年の市場運用開始以来2016年6月末までの累積収益額が40兆1898億円となり、この間の累積収益率は年率2.39%となります。累積収益額とは実現損益に評価損益を加えたものです。

 また2016年6月末の運用資産額は129兆7012億円で、ピークだった2015年6月末からたった1年で11兆4197億円も減っています。またその1年間の運用損失は13兆2685億円にもなります。

 最大の問題は、日銀が追加量的緩和に踏み切りGPIFが資産構成割合を大幅に変更した2014年10月以降の累積収益が1兆962億円のマイナスとなったことで、積極的な運用姿勢に転じたこの1年9か月の期間損益が結局1兆円以上のマイナスとなってしまいました。

 また2001年4月の市場運用開始からアベノミクスがスタートした2012年12月末まで11年9か月の累積収益額は22.4兆円、アベノミクスがスタートしてから2016年6月末まで3年半の累積収益額は17.8兆円となっています。

 さらにアベノミクスがスタートしてから、最初の中国ショックに襲われる直前の2015年6月末までの2年半で31兆円を稼ぎ、そこから1年で13.2兆円を「吹き飛ばした」ことになります。

 さて2016年6月末現在の運用資産別構成残高を見ると、国内債券が50.79兆円(39.16%)、国内株式が27.31兆円(21.06%)、外国債券が16.79兆円(12.95%)、外国株式が27.64兆円(21.31%)、短期資産が7.14兆円(5.51%)となっています。

 これに対して累積収益額と運用資産額(141兆1209億円)がともにピークだった1年前の2015年6月末は、国内債券が53.55兆円(37.95%)、国内株式が33.00兆円(23.39%)、外国債券が18.46兆円(13.08%)、外国株式が31.50兆円(22.32%)、短期資産が4.61兆円(3.27%)となっていました。

 この1年間の資産別運用額の変化を眺めると、運用成果が大幅マイナスだった国内株式、外国債券、外国株式はほとんど「目減りするがママに放置」していたことになり、唯一の運用成果がプラスだった国内債は「放っておくと運用比率が上がってしまうため機械的に売却していただけ」だったようです。

 つまり2014年10月に資産構成比率を大幅に変更し、同時に運用体制も大幅に変更したGPIFの運用とは、その時点における株式や為替の水準など全く顧みることなく「あっという間に」国内株式と海外株式・債券の残高を目いっぱい増やしてしまい、2015年8月以降に急激な円高・株安となると、今度は「狼狽したままほとんど何もできず」現在に至るようです。

 GPIFは、よく「年金運用は長期運用なので長い目で見てほしい」といっていますが、やっていることは、まるで超短期のトレーディングでもしているように円安・株高となる中で国内株式・海外株式・債券を目いっぱい増やしてしまい、一転して円高・株安となるとまるで「損切もできずに狼狽するだけの素人投資家」になってしまっています。

 冗談ではなくGPIFとは、典型的に運用に(長期運用でも短期運用でも)向いていない人達が、とんでもなく巨額資金を預かっているという「大変に恐ろしい構造」です。

 アベノミクスのスタートから2年半で31兆円も稼いだといっても、単なる向う見ずのトレーディングが当たっただけで、このままだとすっかり吐き出してしまうことになるかもしれません。トレーディングと運用は全く違います。

 早急にGPIFの運用体制を何とかしないと大変なことになってしまいます。

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