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来年は「バブル元年」

2016年12月30日

来年は「バブル元年」


 年内の株式市場はあと1日ありますが、本年最後の更新となります。そこでいろいろ考えてこの表題にしました。

 バブルとは、日本を含む世界の株式や不動産だけでなく、原油など資源価格、新興国株式、低格付け債券などありとあらゆるものが実際の価値をこえて大きく「膨らむ」ことをいいますが、やはりその中心は株式市場となります。

 そして来年こそ、その「バブル元年」になるような気がしています。

 本日(12月29日)の日経平均は、さすがに東芝ショックで245円安の19145円となり、トランプ当選後ではじめて下落らしい下落となりました。

 ただ東芝問題は世界の株式市場を下落させる材料でもないため、むしろモンテ・パスキの公的支援に大きな障害が出てきて欧州銀行の信用問題が揺らぐときが怖いと感じますが、当面の世界の株式市場は「悪材料に鈍感」であると感じます。

 さて世界のほとんどの株式市場は2015年4~6月に高値をつけており、日経平均の高値も2015年6月の20868円でした。そこから2015年8月と2016年1~2月の2度にわたる中国ショック、2016年6月の英国ショック(EU離脱)で大きく下落しました。日経平均の安値も2016年2月と6月にそれぞれつけた14952円でした。

 また11月の米大統領選前にも「もしトランプが当選したら世界の株式市場は大暴落する」と懸念されていたはずで、それも含めると世界の株式市場は(もちろん日経平均も)都合4回の下落時期があったことになります。

 そしてそれらが世界経済の見通しを(もちろん日本経済の見通しも)必要以上に弱気にしてしまったため、世界中が必要以上に金融緩和・量的緩和を続けてしまい(日銀は2016年1月に全く不必要だったマイナス金利まで導入してしまい)、比較的経済が早く回復していた米国でもFRBが利上げを1年間中断していました。

 その間に世界中には必要以上の余剰資金が積みあがってしまったことになります。つまり「何かのきっかけ」で世界中の株式を中心としたバブルを引き起こす下地(したじ)ができていたことになります。

 そして皮肉なことにその「何かのきっかけ」がトランプ当選だったわけですが、別にトランプ当選でなくても何でもよかったような気がします。

 じゃあその世界中で積みあがった余剰資金が、何かをきっかけに設備投資など経済活動を拡大させる方向に向かうのではないか?と考えられるかもしれません。しかしリーマンショック直後にFRBが率先した世界中の金融緩和・量的緩和と中国の4兆元財政出動の効果を「完全に過大評価」したため、世界中で(とくに中国で)過剰な生産設備を抱えてしまい、そうはなりません。

 つまり余剰資金は世界中で設備投資など生産活動に向かわず、つい安直に株式などへの投資(投機)に向かうことになります。

 その動きは始まったばかりで、したがって来年は「バブル元年」と考えるわけです。じゃあ今までは(とくに世界の株式市場)バブルではなかったのか?と聞かれれば、むしろ2度の中国ショックや英国ショックなどがあったため割安状態だったと考えます。

 その反動が出ているため、バブルがまさに始まったばかりとなります。ここでいうバブルとは、株式や不動産だけに限りませんが、いったんバブルとなると多少の悪材料には反応せず「膨らみ続ける」ことになります。

 最近の「悪材料に鈍感」であることも、まさに「バブルの兆候」といえます。

 そうはいっても日本では景気はそれほど良くならず、ましてや実質賃金が上がるはずもないため、それほどバブルにはならないだろう?と考えられるかもしれませんが、バブルとは実体経済にはお構いなしに膨らむものです。

 そしてバブル=インフレでもあるため、実質賃金はますます目減りして消費が低迷して経済の足を引っ張るはずですが、それでもバブルは(そしてインフレも)お構いなしに「やってくるもの」です。

 この「バブルの兆候」を少しでも和らげるためには、5年目に入るアベノミクスのテーマである「デフレからの脱却」を、早急に「バブルとインフレの抑制」に180度転換させなければなりません。日銀の量的緩和を含む円安政策は、バブルとインフレを加速させるだけであり、早急に収束させる必要があると考えます。

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■闇株的見方 » 経済 | 2016.12.30
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またまた奇怪な東芝の巨額損失!?

2016年12月28日

またまた奇怪な東芝の巨額損失!?


 歴代3社長が刑事告発される可能性も完全になくなり、2017年3月期の予想純利益が1450億円になると発表していた東芝が、本日(12月27日)突然に数千億円規模ののれん計上に伴う損失が発生すると発表しました。

 東芝はちょうど1年前の2015年12月末に、米子会社・ウエスティングハウスを通じて原子力建設と統合的サービスを担うストーン・アンド・ウェブスター社(以下、S&W)を、米国大手エンジニアリング会社のシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン社(CB&I)から買収していました。

 東芝はなぜか買収金額を公表していませんでしたが、米国証券取引委員会に提出された資料によると2億2900万ドル(当時の為替で270億円)だったようです。

 また東芝のIR資料によると、買収したS&Wののれん計上は8700万ドル(100億円)程度とされていました。270億円の買収金額で100億円をのれん計上するという「ごく普通の中型買収案件」だったはずです。

 そこへいきなり数千億円ののれんと言われても、わけがわかりません。東芝の本日(12月27日)のIRには、12月末までが取得価格配分手続中であると書かれていますが、これはその期間にS&Wの資産内容やキャッシュフローを精査し、買収金額に影響を与えるものが出てくればその差異を清算するという意味でしかなく、総額270億円の買収案件に数千億円の差異が出るはずがありません。

 簡単に言えば東芝の子会社であるウエスティングハウスは、S&Wの数千億円の負債あるいは何かしらの支払い義務を「無条件で引き受ける約束」で270億円を支払っていたことになります。

 さすがに買収時点では数千億円とはわからなかったはずですが、たぶん取得価格配分手続中に出てきた(押し付けられた)損失や支払い義務はすべて必ず引き受けるという項目が契約書に紛れ込んでおり、それを完全に見落としていたと考えます。

 つまり東芝は米国から巨大なゴミ(巨額損失)をわざわざ拾ってきたことになりますが、明らかにウエスティングハウス側の「不正の臭い」がします。東芝本社まで加担していた可能性は少ないと思いますが、それでも巨額の株主代表訴訟からは逃れられません。

 東芝は2015年9月7日に2248億円(その後の2度にわたり2311億円に増額)もの過去の決算修正を行ったものの、その半年後の2016年3月期にはまた7087億円もの巨額営業赤字が「どこからともなく」出てきた会社です。

 その2016年3月期は、東芝メディカルをキャノンに売却して得た3817億円の売却益を公正取引委員会の審査が完了する前に無理やり計上し、それまで頑として否定していたウエスティングハウスののれんをやっと2600億円だけ減損し、最終損益も4600億円の巨額赤字になっていました。

 ここまでの東芝の決算処理は「どう考えてもトップ主導で会社ぐるみの不正」と考えられるものの、奇怪なことに刑事告発が完全に見送られ、東証も有価証券報告書の提出がいくら遅れても監理銘柄にも指定せず、やっと2015年9月に特設注意市場銘柄に指定しただけでした。

 この特設注意市場銘柄とは、上場廃止に直結する管理銘柄とは全く違い、改善報告書さえ提出すれば自動的に解除となる「形式的なもの」にすぎません。

 つまり東芝は、ありとあらゆる方面から「手厚く保護されてキズがつかないように配慮されている会社」となります。

 東証もこの「形式的な」特設注意市場銘柄を今月中に解除するはずでしたが、それが何と12月19日に「いったん見送り」となっていました。これを聞いた瞬間に「何かある?」と考えたのですが、まさかそれが数千億円の巨大なゴミを拾ってきたことだとは思いませんでした。

 やっかいなことは、ありとあらゆる方面から「手厚く保護されてキズがつかないように配慮されている東芝」なので、これからも都合の悪い(あるいは不正が絡んだ)事実が隠されたままである(だろう)ことです。

 東芝の2016年9月末の株主資本は3632億円しかないため、そこに数千億円の損失がかぶされば(直接の買い手であるウエスティングハウスのさらなる減損も加わります)、大幅な債務超過となります。

 資本増強を急ぐ必要がありますが、何しろ真実が全く表に出てこない中での増資となれば、瞬間的に値鞘を稼ぐヘッジファンドしか引き受けず、大幅な株価下落要因となります。

 どこまでいっても奇怪な東芝となりますが、今回も大規模な事件となることがないことだけは容易に想像がつきます。


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