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米国・EU・英国の微妙なバランス変化に注目すべき

2017年01月18日

米国・EU・英国の微妙なバランス変化に注目すべき


 いよいよ今週末(1月20日)にドナルド・トランプが第45代・米国大統領に就任します。別にトランプが大統領になったからといって世界中がすべて変わるわけではありませんが、通常の政権交代に比べてはるかに急激な変化にはなりそうです。

 本日はそのなかで米国のEUに対する、さらにはそのEUから離脱する(はずの)英国に対する基本姿勢の変化(があるのかどうか)を考えます。中国やロシアに対する基本姿勢に負けず劣らず重要なものと考えるからです。

 トランプ「次期」大統領は昨日(1月16日)、英紙タイムズ(電子版)のインタビューで、昨年6月の国民投票での英国の決断(EU離脱)を支持しました。

 また英国のEU離脱後に米英両国間の自由貿易協定(ETA)交渉を「迅速にやる」と語り、大統領就任後すぐにメイ英国首相と会談する意向も表明しました。

 たぶんこのままトランプの大統領就任後「最初」の首脳会談はメイ首相となるはずです。さすがにプーチンではありませんが、仮にメイ首相となるなら、それはそのままトランプ政権が「反EU」であることの明確なメッセージともなります。

 もともとEUとは世界政治における米国の「一国支配」に対抗すべく作り出された仕組みで、ユーロとは世界経済におけるドルの「独占支配」を打破するために作り出された通貨となります。

 したがってもともと米国にとってはEUもユーロも「目障りな存在」でしかなかったはずです。1958年に創設されたEU(当時はEEC)の創設メンバーはドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの旧フランク王国であり、英国は1973年に「やっと」加盟が認められた外様です。ド・ゴールが最後まで「米国のトロイの木馬」であると加盟を認めず、ド・ゴールの死後にようやく加盟できたものでした。

 本当に「トロイの木馬」であったかはともかく、英国の主要産業であるロンドン(シティ)の金融界は依然としてドルの海外主要取引市場であり、金融インフラとノウハウが蓄積されているためユーロの大陸以外の主要取引市場でもありました。

 実は英国は米国に次ぐ経常収支の大赤字国であり、2016年も1500億ドルほどの赤字予想となっています。米国は4700億ドルほどの赤字予想です。英国はその巨額赤字をロンドン(シティ)に流入する外貨(主にドル、次いでユーロ、それに少しの円)でファイナンスしていることになります。

 ここは巨額赤字を自国通貨(ドル)でファイナンスしている米国とは根本的に違い、英国はもはやローカル通貨でしかないポンドには頼れず、引き続き外貨の流入に頼らなければなりません。

 英国のEU離脱とは突き詰めて考えると、英国が「ドルとユーロの二股状態」「ドルに回帰する」「ドルからユーロに乗り換える」の三択から、「ドル回帰」を選択したことになります。

 リーマンショック以降、何かと米国政府は英国の銀行を「目の敵」にして巨額罰金を「ふんだくって」いたことは、無言の圧力だったはずです。だから先日、英国の金融団体がEU離脱交渉において「単一パスポート制度」の継続をあっさりと断念したわけで、昨日のトランプのインタビューも、その連続線上にあると考えます。

 つまり英国は、自国の立ち位置をEUから米国に(程度のほどはこれからの離脱交渉によりますが)移した(戻した)ことになり、トランプがその支持を(今後のサポートを)約束したことになります。

 オバマ大統領は何かと格好をつけたがるためはっきり言っていなかっただけで、これが最初から米国の基本方針だったはずですが、改めて確認できたことになります。

 ここまでなら評論家のコメントですが、今後の為替市場とくにユーロとドル、ポンドとドルの関係を考える時に頭に入れておく必要があります。

 直感的に今後のユーロの水準は、従来よりもさらにEUの都合を優先したものになるはずです。例えばEUに少しでもインフレの気配が見え始めたら、ECBはさっさと量的緩和を打ち切りユーロ安を転換してしまうはずです。

 そしてポンドはユーロとの連動性が薄まり(今までもそれほど連動していたわけではありませんが)、より米国への再接近を反映したものとなり、従来の「ポンド安一辺倒」はどこかで修正する必要があるような気がしています。

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■闇株的見方 » 経済 | 2017.01.18
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