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意外に早く出てきたトランプの円安誘導批判にどう対処する

2017年02月03日

意外に早く出てきたトランプの円安誘導批判にどう対処する


 トランプ大統領は1月31日に「中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と批判しました。これは1月26日の「今後の通商協定には通貨安誘導に極めて強い制限を導入していく」に続き、予想通りではあるものの中国と日本を特定して名指ししたものです。

 トランプ大統領はとりあえず強硬な立場で各国との通商競争に臨み、それが行き詰まり米国経済に停滞感が出てくると相手国の通貨安誘導を槍玉に挙げる「二段作戦」に出ると考えていましたが、最初から通商政策と通貨政策をセットで臨むようです。

 ここだけ考えるとあまり「得策」とは思えません。なぜならここで中国や日本の、それにたぶんドイツ、韓国、台湾の、さらにはNAFTA相手国のカナダとメキシコの通貨安政策を順番に批判して、そこでドル高が止まらなかったら、次に打てる手がほとんどなくなってしまうからです。

 円相場はトランプ当選直後の2016年11月9日の一時1ドル=101.18円が、12月15日に一時1ドル=118.66円まで急激なドル高・円安となり、今回の発言直後の1月31日には一時1ドル=112.08円まで後退していました。

 だいたいこういう時の市場参加者は「同じようなチャート理論」で動くため、1ドル=101.18円の最円高と1ドル=118.66円の最円安の、最円高から0.618(黄金分割)に相当する1ドル=111.98円手前で見事に止まっています。

 これを突き抜けても今度は最円高から0.50(1ドル=109.92円)手前では止まるため、ここから一気にドル安・円高になることはありません。トランプの一連の発言趣旨は今後の各国との通商交渉で有利に立つためで、ドルの水準そのものをすぐに引き下げるためではないはずですが、「将来の有効な為替(ドル高)対策」を1つ無駄にしてしまうことになります。
 
 結局はさらに将来の中国や日本に対する通貨安誘導批判が大きくなるだけですが、さすがにトランプもいきなり中国と対峙することは避けるはずです。そこで「うまい具合に」2月10日に日米首脳会談が予定されており、そこで熾烈な日米通商交渉の火蓋が切って落とされるはずです。

 さらに1月31日のトランプ発言は、通貨安誘導批判(通貨切り下げ)と並んで資金供給(Money Supply)を槍玉に挙げています。この資金供給の意味は必ずしも明確ではありませんが、日銀の量的緩和を指しているはずです。現在の世界で量的緩和を行っている中央銀行は、日銀、ECB、イングランド銀行だけであり、どう考えても最初の槍玉は日本であると身構えておくべきです。

 ここは日銀の量的緩和を含む通貨安誘導批判に対する「しっかりした反論」と、妥協する場合の優先順位を「しっかり」決めて臨まなければなりません。昔から通商交渉は「弾を使わない戦争」であり、理屈はどうだなどと主張しても何の役にも立ちません。

 つまり「トランプ氏とは強い信頼関係が築けている(安倍首相)」とか、「金融緩和は国内物価安定目標のためで、トランプ氏の発言は全く当たらない(菅官房長官)」とか、「日本は東日本大震災以降62か月も為替介入を行っておらず、トランプ氏は国際通貨体制の実態をわかっていない(財務省幹部)」などと強がっても、何の役にも立ちません。

 ここで日本の通貨安誘導批判には過去の為替介入(ドル買い介入)が含まれていることは間違いなさそうです。確かに過去はドル安・円高を和らげるためのドル買い介入もありましたが、同時多発テロ後の低迷から抜け出せない米国に対して2004年初めに35兆円もドル買い介入を強行して米国の金融システムとドルの信認を補強した「溝口介入」もあります。

 つまり米国からは感謝こそされても批判されるものではありませんが、この期に及んでそう主張してもまた無意味です。

 このドル買い介入の結果として1兆2000億ドル以上に積みあがった外貨準備の原資は国債発行(つまり国民負担)であり、最近の世界的低金利で以前ほど利鞘も稼げず、幸か不幸か現在のドルの水準は外為資金特別会計のトータルコスト(1ドル=100円近辺)を上回って含み益となっています。

 目先(本年いっぱい?)はともかくも、2~3年先には大幅なドル安になっている可能性もあるので、ここでトランプの通貨安誘導批判に対しては「外貨準備をいつでも減らせるフリーハンド」を得ておくべきと考えます。

 同時に国内的にも全く意味がなくなっている量的緩和の縮小スケジュールも用意しておくべきです。

 一時的に日本の金融市場にショックがあるかもしれませんが、そうしないともっと大きなショックがあとからやってくることになります。

 そう考える理由と、その具体的アプローチについては、2月6日(月曜日)に配信するメルマガ「闇株新聞 プレミアム」で徹底的に解説します。

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■闇株的見方 » 経済 | 2017.02.03
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