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トランプ相場は終わったのか?

2017年03月23日

トランプ相場は終わったのか?


 昨日(3月21日)のNYダウは、前日比237ドル安の20668ドル(終値、以下同じ)となり、それを受け本日(3月22日)の日経平均も414円安の19041円となりました。

 NYダウも日経平均も昨年11月のトランプ当選をきっかけに上昇していましたが、ここにきてトランプ大統領の掲げる新政策(とくに経済政策)に対して懐疑的な見方が出始めて、調整色を強めています。

 具体的には、いつまでたっても具体化しない「大規模減税」、米国第一主義の掛け声だけで一向に形の見えてこない通商問題、これも掛け声だけの銀行業界の規制緩和、早くも迷走している完全撤廃するはずだったオバマケアなど、よく考えると何も前に進んでいません。

 昨日付け「ところで米国債務上限引き上げはどうなっている?」にも書いたように、すでに棚上げ期限が切れている(これはオバマの怠慢ですが)債務上限引き上げに対しても、トランプ大統領は議会に国防関連予算を大幅増額するとした予算教書の「原案だけ」を提出している状態です。

 これは1月20日のトランプ大統領就任直後から補佐官などホワイトハウス事務局メンバーや各閣僚の指名・議会承認がドタバタした上に遅れに遅れ、ようやく目途がついたと思っても各省庁幹部の政治任用が進んでおらず、予算案などの議会折衝や各国との通商交渉を進める体制に「全く」なっていません。

 じゃあ少し我慢していたら解決するのか?というと、全くそんな気配もなく、ますます混迷してしまいそうです。ここにきてようやく米国株式もその辺を懸念し始めたようで、米国以外の(とくに日本の)株式市場にも影響がでています。

 さてそれでは米国だけでなく世界の株式市場は、このまま調整期間に入り、さらに状況によっては「もっと大きな調整」に見舞われてしまうのでしょうか?

 結論から言うと、そうは思いません。

 メルマガ「闇株新聞 プレミアム」では毎週のように繰り返していますが、現在の世界の株式市場は「バブル初期」に入っていると考えます。

 それはリーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和により未曽有の緩和マネーが世界中に溢れ返っていますが、それが一向に経済活動に向かわず、したがっていつまでたっても世界経済が本格的に拡大せず、世界的なインフレと長短金利の低下傾向が続いているため、ますます世界の株式市場に資金が向かうことになるからです。

 (米国は一時的に上昇していますが)世界的に長短金利の低下傾向が続いているため、株式投資に対する相対的な投資収益見通しの改善が続き、逆に世界経済が一向に回復しないため長短金利が反転・上昇することもなく、結果的に株式市場への資金流入が続くことになります。

 逆に本当に世界経済が拡大するなら世界的な金利低下傾向も終わり、株式市場がバブルになることはありません。

 昨年11月のトランプ当選をきっかけに、米国だけでなく世界の株式市場が急上昇した理由は、トランプの経済政策で本当に世界経済が拡大すると考えたわけではなく(もしそうだったら世界的な金利上昇で株価上昇が止まります)、世界の株式が「バブル初期」に向かう1つのきっかけになったにすぎません。

 その1つのきっかけにすぎないトランプの各政策がモタモタしたところで、すでに「バブル初期」に向かい始めた世界の株市市場への流れは簡単に止まりません。

 もし米国株がもっと低迷すれば、トランプは「もっと景気のよい大風呂敷を広げる」はずで、2019年末までにあと8回も利上げすると息巻いているFRBも「利上げのスローダウン」となるはずです。

 かくして「始まったばかりの株式バブル」はまだまだ続くことになります。

 もちろんバブルは株式市場だけではなくエネルギーを含む商品市場、不動産市場などにも波及するはずですが、株式市場以外は経済状況も反映するため、(都心の中古マンションなど特殊なものを除けば)まだまだ「バブル以前」となります。

 繰り返しですが、「バブル初期に入ったばかりの株式市場」が本当に反転してしまうケースは、世界経済が本当に活発化するかインフレが加速して、世界的な金利低下が終焉してしまう時だけです。

 今回も短期間・小幅の調整で済むと考えます。

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■闇株的見方 » 株式 | 2017.03.23
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ところで米国の債務上限引き上げはどうなっている?

2017年03月22日

ところで米国の債務上限引き上げはどうなっている?


 3月15日(先週水曜日)は米国連邦債務上限引き上げの「期限」でしたが、何の騒ぎもありませんでした。もちろん上限も引き上げられていません。
 
 債務上限引き上げは、過去にはたびたびホワイトハウスと連邦議会の政治的駆け引きの材料に使われたため難航し、実際にクリントン政権時の1995年12月16日~1996年1月6日とオバマ政権時の2013年10月1~16日に、いくつかの政府窓口が閉鎖されています。究極のチキンレースとなるからです。

 また同じくオバマ政権時の2011年8月5日には、債務上限を引き上げるための財政赤字削減計画が不十分だとS&Pが米国債格付けをAA+に引き下げてしまいました(現在もそのままです)。

 じゃあ、何で今回は大騒ぎにならなかったのでしょう?

 そもそも3月15日とは何の「期限」だったのかというと、オバマ政権時の2015年11月2日に成立していた「2015年超党派予算法」により債務上限が2017年3月15日まで「棚上げに」されていました。

 要するに「時間稼ぎ」だったわけですが、同時に2016年会計年度(2015年10月~2016年9月)と2017年会計年度(2016年10月~2017年9月)の予算まで承認していました。

 つまり本年3月15日までの債務上限は18兆1000億ドルの「まま」ですが、現時点における債務残高は20兆1000億ドルになっているはずです。

 さらに「2015年超党派予算法」には、「期限」とした2017年3月15日は新大統領の就任直後であるため(まさか当時は誰もトランプになるとは夢にも思っていなかったはずですが)、さらに「滑り止め」を加えていました。

 それが「何も対策がとられなければ、財務省のキャッシュバランス(現金残高)を約250億ドルまで縮小する」というものです。この250億ドルとは2013年10月に政府窓口閉鎖に追い込まれた時点の財務省のキャッシュバランスとほぼ同じで、それだけあれば米国政府が機能不全にならないギリギリの水準に設定したものです。

 一応財務省は最近の短期国債入札額を削減しており、直近のキャッシュバランスを昨年末の3700億ドルから3000億ドル弱まで削減していますが、本来はそれを250億ドルまで削減しなければなりません。
 
 それを知っているのか、あるいは意味を理解しているのかが不明なトランプ大統領は、その3月15日の翌日の16日に、国境警備強化やメキシコの壁建設などを含む300億ドルの2017年会計年度国防補正予算と、さらに国防関連予算を540億ドル(10%)増加させた2018年会計年度(2017年10月~2018年9月)予算教書を議会に提出しています。

 そもそもトランプ政権では、各閣僚(長官)の議会承認の目途がほぼついたものの、各省庁幹部の政治任用が進んでおらず、予算編成も含む行政執行能力がほとんど備わっていません。またすぐに備わる目途もついていません。

 予算関連では行政管理予算局(OMB)のミック・マルバニー長官は2月中旬に議会承認されていますが(51:49でしたが)、このマルバニー長官はもともと歳出増や債務上限引き上げに強硬に反対する超保守派であり、これもトランプ大統領の「一体何を考えて指名したのかが全くわからない」人事となります。

 つまり米国の債務上限引き上げは、もともとオバマ大統領の怠慢で1年半も「棚上げ」されている間に上限(18兆1000億ドル)を2兆ドルも超過してしまっており、その債務上限の引き上げを議会と折衝するにもトランプ政権では関連省庁の幹部・スタッフがほとんど揃っておらず、国防費大幅拡大と叫ぶトランプ大統領の指名したOMB長官は債務上限引き上げ反対派となります。

 少なくともこの状態で財務省のキャッシュバランスを3000億ドルから250億ドルまで削減しなければなりません。冗談ではなく(間違いなく近いうちに)短期国債を含む国債入札が困難になり、そのうちまた「米国がデフォルトする」と騒ぐ評論家が出てきて市場を混乱させることになりそうです。

 国債償還のための国債発行は可能であるため、償還ができない=デフォルトにはなりませんが、前回もそういう騒ぎになった2013年10月17日に「米国債はデフォルトなどしない」を書いていますので、心配な方は読んでみてください。

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■闇株的見方 » 経済 | 2017.03.22
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