Archive

闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

トランプ大統領のFBI長官解任は「ロシア・ゲート事件」の幕開け

2017年05月12日

トランプ大統領のFBI長官解任は「ロシア・ゲート事件」の幕開け


 昨日お休みしたからかもしれませんが、書くべきテーマが驚くほど集中してしまいましたが、日本で「突っ込んだ報道」がまだ少なく、これから問題が大きくなるはずのこの話題にしました。

 トランプ大統領は5月9日、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官を解任しました。FBIは米国大統領(正確には司法長官)の支配下にあるため、大統領は権限でその長官を解任することは可能です。

 米国では司法制度も、検察制度も、捜査機関も、全米(連邦政府)と各州政府にそれぞれ別個に存在しており、FBIはその全米(連邦政府)をカバーする捜査機関で連邦法に関する事案の捜査に当たります。ただし日本の検察庁のように捜査権と起訴権を併せ持っているわけではありません。

 具体的には、テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件、連邦政府の汚職に係る事件、複数の州にまたがる広域事件、被害額の大きい強盗事件などが捜査対象となり、もちろん大統領自身も捜査対象になることがあります。
 
 そういう職務内容からFBI長官の任期は10年とされており、大統領が交代してもFBI長官は交代せず任期を全うします。またFBI初代長官のエドガー・フーバー(在任1924~72年!)が歴代大統領の様々なスキャンダルを掴んでいたため、その地位はアンタッチャブルだった歴史的背景もあり、歴代のFBI長官(代行を除くとコミー長官でまだ7代目)を大統領が解任することは極めて特異なケースとなります(注)。

(注)と思っていたのですが1993年に第4代のウイリアム・セッションズFBI長官が倫理違反でクリントン大統領に解任されていました。

 さて今回の直接の解任理由は、大統領選挙を控えた昨年7月5日にコミー長官がヒラリー・クリントンの私用メール問題につき、訴追を求めない方針を記者会見で発表していたのですが、その行動がFBI長官としての権限を逸脱していた(司法長官の権限を侵食していた)というものです。
 
 実際にはその翌日の7月6日、当時のオバマ政権のリンチ司法長官が捜査終結を公表し、ヒラリーは7月29日の民主党大会で正式に大統領候補となりました。確かにトランプとすればコミー長官の「余計な行動」だったかもしれませんが、もちろん完全な「あと付け」の理由です。

 ところがコミー長官は大統領選のわずか11日前の昨年10月28日になって、FBIがヒラリーのメール問題捜査を再開したと突然に発表し、トランプ候補(当時)は「国民はちゃんとわかっていた」とご満悦でした。

 ここでもコミー長官は大統領選(11月8日)2日前の11月6日に、これも突然に捜査終結を発表しましたが、これが大統領選に微妙な影響を与えてトランプ大統領誕生に少なからずプラスに作用したことは事実です。

 しかしコミー長官は本年3月20日の下院情報委員会で、昨年の大統領選挙へのロシアの介入疑惑捜査に関連してトランプ陣営とのつながりも調べていると証言しています。

 要するにトランプ陣営は、ロシアと共謀してサイバー攻撃などで大統領選に勝利した疑いがあるとの「爆弾発言」となります。その後もFBIは水面下で捜査を継続しているようで、数日前にはこの捜査に関する予算拡大を司法省に求めています。
 
 またFBIを管轄する立場のジェフ・セッションズ司法長官自身にも、大統領選中に駐米ロシア大使のセルゲイ・キスリャクと接触していた疑惑があるため、そこで4月25日にローゼンスタイン司法副長官がやっと議会承認されると、さっそく連名でトランプ大統領に進言して今回のコミー長官解任となりました。

 またトランプがコミーに送った解任書簡には「私(トランプ)が捜査対象になったかもしれない機会において、貴殿(コミー)は3回も私を捜査対象にしなかったことは称賛に値する」という意味不明の(本音が出た)表現まであります。

 これはトランプ政権にとって「ロシア・ゲート事件」の幕開けとなるはずです。

 3月31日付け「土曜日の夜の虐殺(Saturday Night Massacre)とは?」の最後に、「同じような虐殺(Massacre)が、また近いうちに見られるかもしれませんね」と書いておきましたが、たった2か月で当たってしまいました。

 しかも当時の主役だったニクソンは、ウォーターゲート事件を調査していたコックス特別検察官を解任しようとするも当時のリチャードン司法長官は拒否して辞任、さらに拒否した副長官を解任しましたが(コックスも最終的に解任)、FBI長官までは解任していませんでした。

 つまりトランプはすでにニクソンをこえた暴挙に出たわけで、間違いなく自身の首を絞めることになりそうです。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:3 | TrackBack:0
■未分類 | 2017.05.12
関連記事
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2017年05月 | 06月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム