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自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝

2017年05月16日

自ら「破滅」に向かっているとしか思えない東芝


 東芝の迷走が続いていますが、その根本的要因は現経営陣に「生き残るための戦略」が全くなく「その場限りの取り繕い」に終始するため、日に日に自分の首を絞めているとしか思えないところです。本日はそこに絞って解説します。

 東芝は本日(5月15日)昼前、「2016年度通期業績見通しに関するお知らせ」なるIRを発表しました。上場企業は各四半期決算期末から45日以内に決算短信を発表することになっていますが、本来なら期日である本日に東芝はその決算短信も発表できなかったことになります。

 何でも、これ以上PwCあらた監査法人との関係を悪化させたくなかったからだそうですが、まずこれが「奇妙」です。なぜなら決算短信自体は監査法人の「意見」が不要で、本決算の2016年度通期決算(2017年3月期)では、6月末までに監査法人の「意見」が表明された有価証券報告書を財務局に提出すればよく、まだ1か月半もあるからです。

 だいたい東芝は2016年度第3四半期(2016年10~12月期決算)も期日の2月15日から2度にわたり延期し、やっと4月11日に決算短信を発表しましたが、この時も2016年度から監査を担当するPwCあらた監査法人の「意見」が表明されていないまま発表しています。

 通期決算(東芝なら今回の2017年3月期)以外の四半期決算は、決算短信と同時に四半期報告書を財務局に提出する必要があり、それには監査法人の「意見」が必要です。つまり東芝は2016年10~12月期決算では、この四半期報告書が提出できていないまま決算短信だけ発表したことになります。

 だったら本日も決算短信だけ発表してしまえばよかったはずです。決算短信とは迅速な情報開示のために東京証券取引所が提出を求めるものですが、これで決算短信発表のタイミングが難しくなってしまいました。

 いくらこれまで東芝に対しては「寛大な措置」を続けていた東証でも、現在は(決算の遅れが理由ではありませんが)管理銘柄(審査中)に割り当てているため、それだけ東芝は自ら上場廃止に近づいてしまったことになります。

 だいたい東芝は3月29日に米子会社・ウェスティングハウス(以下WH)の破産法適用を申請して無理やり連結決算から外していますが、東芝はその瞬間からWHの損失負担を巡って米国側と「単独」で戦うことが必要となったはずです。

 そういう状態でプライスウォーターハウスクーパース傘下のPwCあらた監査法人が、東芝の意向に沿った決算を承認するはずがありません。WHの損失負担を巡って米国側が不利になる恐れがあるからで、それでPwCあらた監査法人が承認を頑なに拒んでいるはずです。

 つまりこの期に及んでPwCあらた監査法人との関係を悪化させたくないなどと「気を遣っている」段階ではありません。どうせ6月末まで待っても承認されるはずがないため、有価証券報告書も提出できず今度こそ一発退場(上場廃止)となるか、ここでPwCあらた監査法人の要求を丸のみして今後WHの損失を無限に押し付けられるかの「2択」でしかありません。

 どうせなら2017年3月期決算でPwCあらた監査法人を解任し、仮監査法人を選定し(間に合えば6月末の株主総会で正式選任し)、念のために財務局に有価証券報告書の提出期限を1か月延長してもらい(これはたぶん認められます)、7月末までの2か月半で必死に決算処理を完了させるしか「生きる道」はなかったはずです。

 実際にその動きはあったようですが、東芝は4月末に漫然と諦めてしまいPwCあらた監査法人と「心中」することにしてしまいました。だったら余計に本日は決算短信を提出して東証との関係だけでも維持しておくべきだったはずです。決算短信には監査法人の「意見」が不要だからです。

 要するに東芝の現経営陣には、そういった生き残るために必要最低限の戦略もないことになります。

 さらに奇怪なことに、本日IRした「2016年度通期業績見通し」では、4月11日の発表では8300億円になっていたWHに対する親会社保証と貸倒引当金の合計が、何の説明もなく9800億円に「増額」されています。

 そこを記者会見でアナリストに質された平田専務取締役は「いやあ、把握できていませんでしたね」と答えただけだったようです。まるで他人事です。

 さらに本日は、半導体メモリー事業の分社化・売却について、協業先の米ウェスタンデジタルが「差し止め」を国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に申し立てたとも報道されています。

 これも他人事の現経営陣では、ますます泥沼に嵌ってしまうだけとなりそうです。かくして東芝は自ら「破滅」に向かっていくことになります。


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■企業 | 2017.05.16
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