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日本株の基本見通しを数年ぶりに修正する6つの理由

2017年09月29日

日本株の基本見通しを数年ぶりに修正する6つの理由


 9月18日に配信したメルマガ「闇株新聞 プレミアム」のメインテーマで、表題にあるように日本株の中期見通しを数年ぶりに修正しています。といっても日本株がすぐに急落するとも、また日本株を取り巻く諸環境がすぐに急変するとも考えておらず、実際に9月18日以降の日経平均は「やや上昇」しています。

 また数年ぶりというのはアベノミクスがスタートした2012年12月以来ではなく、民主党政権末期の閉塞感の中で日経平均が8000円台、円相場が1ドル=77~80円だった2012年の夏以来となりますが、基本的にそこから現在に至るまで日本株については「強気」を基本線としていました。

 それを修正するということは、少なくとも「強気一辺倒」ではなくなり、状況によっては警戒レベルを引き上げる必要があることになります。「その程度」のことなので、まだあまり大騒ぎする必要も感じていません。

 ここまでの「強気」の基本的背景は、リーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和に関わらず世界経済は本格的に回復せず、それが世界の金融緩和・量的緩和を想定以上に持続させ、その結果として世界の株式市場をはじめとする金融市場に資金が集中していたからです。

 それでも世界の株式市場は、2015年8月と2016年1~2月の中国ショック(人民元の引き下げが中国からの資金流出を呼び中国経済に対する世界の不安が広がった)、2016年6月の英国ショック(国民投票でEU離脱を決定)などで大きく混乱し、日本の株式市場も大きく下落していました。

 ところが世界の株式市場は、だんだん悪材料に対する混乱が軽微なものとなり、2017年に入るとほとんど反応(下落)しなくなり、世界のほとんどの株式市場が歴史的な高値圏となっています。

 また本誌も「今年(2017年)はバブル元年」とたびたび書いてきました。実際に日本の株式市場も、最近の北朝鮮情勢の緊迫化にも「ほとんど」下落していません。

 それではここにきて日本株の基本見通しを修正した理由が6つほどありますが、個別にみると急に出現したものではなく、それぞれ「とりあえず株式市場を下落させるものではない」と判断されているものばかりです。

 しかし個別にみると心配する必要がなくても、それが6つも揃うと「さすがにちょっと警戒する必要があるのでは?」と考えるわけです。

 その6つを順番に見てみましょう。

 1つ目は日銀の量的緩和はすでに縮小となっていることです。日銀の保有国債残高は9月20日現在432兆円で1年前から40兆円しか増えていません。現在の量的緩和は日銀の国債保有残高を年間80兆円増加させることになっていますが(正確には短期国債を除く残高のことで少し違いますが)その半分しか増えていません。

 2つ目は足元の物価が不気味に上昇していることです。8月の企業物価が前年同月比2.9%と8年10か月ぶりの上昇となっており、早晩、消費者物価に跳ね返るはずです。しかも明らかに海外の資源高と昨年に比べての円安による典型的な「悪い物価上昇」となっています。日本経済は名目成長率も名目賃金上昇率も低いため、ここで「悪い物価上昇」となるとそれだけ実質経済成長率を低下させることになります。

 3つ目は日本企業の業績予想が強気一辺倒で、年度後半にかけて減益修正や減損処理が出てくると「途端に」日本株が割高に見えてくる恐れがあることです。またそもそも将来の収益予想を目いっぱい過大評価しているIT、AI、EV、仮想通貨関連なども、何かをきっかけに「途端に」高所恐怖症となる恐れもあります。

 4つ目は株式市場における日銀の存在感が大きくなりすぎていることです。年間6兆円のETF購入は、「下がったら日銀が買う」という市場参加者の安心感となっているはずで、日本株の水準をすでに割高にしてしまっている可能性もあります。

 5つ目は海外の識者(評論家ではありません)の間で、(米国株のことですが)歴史的に割高となっているとの警告が増えています。これは米国株が上昇している間は誰も気にしませんが、何かをきっかけに下落し始めると「途端に」気になるものです。そうなると日本株への影響も出ることになります。

 そして6つ目が北朝鮮に限らず世界の政治情勢がまだまだ混乱するはずであることです。

 繰り返しですが1つ1つ見ると気にする必要がなくても、それが6つも揃うとさすがに警戒レベルを引き上げる必要があると感じます。

 それでは「警戒レベルを引き上げる」とは具体的にどうすればいいのでしょう?

 株式市場に限らず相場で大きく損失となる最大の要因は「高値で買ってしまったから」ではなく、「下落し始めたとき安直に買い下がってしまうから」です。ここ数年間、常に「下落すれば買い下がる」が正解だったはずですが、そろそろ「安直に買い下がらずそこで冷静になる」ことが必要と考えます。

 当面はその辺だけ留意すれば大丈夫だと思いますが、この時点で本誌が「日本株の基本見通しを数年ぶりに修正している」ことは覚えておいてください。



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■闇株的見方 » 株式 | 2017.09.29
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これだけは言っておきたい衆議院の解散・総選挙(追加記事あり)

2017年09月28日

これだけは言っておきたい衆議院の解散・総選挙(追加記事あり)


(お知らせ)
 
 本日(9月28日)は、昨日付け記事の後ろに「それからの進展」を書き加えてあります。以下、本文です。


 安倍首相は昨日(9月25日)、28日召集の臨時国会冒頭で衆議院を解散すると正式に表明しました。10月10日が公示、22日が投票となります。

 肝心の「大義」について安倍首相は、「2019年10月の消費増税に際して増税分の一部を教育無償化などに充てる」と「基礎的財政収支の2020年度における均衡の先送り」を真っ先に挙げました。

 2年も先の増税分の使用目的を一部変更することを今から総選挙の「大義」とする違和感よりも、これで2019年10月の10%への消費増税実施は、その時点における経済状況に関わらず「確定」してしまったことになります。

 さらに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の2020年度における均衡については、そもそも誰も実現できるなどと考えていなかったはずです。

 今回の解散・総選挙において「最も国民の信を問うべきこと」とは、ここまで緊迫化している北朝鮮情勢に対して「国としていかにまとまって対処するか」であるはずです。確かに安倍首相の挙げた「大義」には、下のほうに目立たないように加えられていますが、意識的に選挙の争点とすることを避けているとしか思えません。

 例えば最近の北朝鮮は、トランプ大統領の挑発に対して「米国の宣戦布告」であるとこじつけています。どのマスコミも指摘していませんが、宣戦布告とは(日本以外の)どの国にも認められている交戦権の行使ですが、日本は憲法9条第2項で明確にこれを禁止しています。

 もし北朝鮮が日本に宣戦布告し、日本にミサイル攻撃などを加えてきたなら、日本は最低限の防衛ができるだけで反撃が全くできないことになります。

 これはほんの一例ですが、とにかく「せっかくの」総選挙なので、安倍首相はもっと堂々と北朝鮮に(だけではありませんが)対処するため国として何をすべきかを問いかけ、憲法改正を含めて選挙の争点とするべきです。

 まあ本当にそうすると「日本より北朝鮮や中国の利益を優先する不気味な勢力」のヒステリックな攻撃を受け、大きく議席を減らすことが心配なのでしょう。しかし昨日の安倍首相の表明を聞いて、大いに不満に思ったポイントがこれでした。

 さらに昨日になって突然に小池・東京都知事が、新党「希望の党」を立ち上げ、自ら代表になると発表しました。

 小池氏は昨年7月の都知事選、本年7月の都議会選に続き、今回の国政選挙で「3匹目のどじょう」を狙うことになりますが、それだけ「まだ勢いが全く衰えていない」と敏感に感じ取ったのでしょう。

 ところが小池氏は都知事就任から1年以上たっていますが、都知事選の争点として大騒ぎした豊洲・築地問題も、オリンピックの(東京都民の)財政負担も、何の解決もしていないだけでなく豊洲などは無意味に移転を遅らせて財政負担を積み上げています。

 それでも本年7月の都議会選では大量のチルドレンを当選させて実質的な「都政の独裁体制」を作ってしまいました。そして今回はどうやったら都政と国政の双方に最大の影響力を発揮できるか思案しているはずです。

 小池都知事の「側近」として国政は任せられたと「勝手に」ワクワクしていた若狭氏や、わざわざ民主党から馳せ参じた細野氏は、あっさりと「どいてなさい!」となったようです。

 そして大変に情けないことに、そんな「希望の党」に与野党から「当選の見込みのない議員」がたくさん押し寄せています。政治家としての主義主張など二の次にして(もともとなさそうですが)、とにかく小池人気に乗っかって当選したいだけの「あさましい」行動です。

 ここで最も重要なことは「希望の党」の主義主張をしっかりと確認しておくことです。小池氏は今回の総選挙で自らの今後の可能性を最大限とすることしか考えていないため、「希望の党」としての公約は人気取りに終始し、本当に重要な主張は最後まではっきりさせない「究極の後出しジャンケン」とするはずだからです。

 早くも消費増税は凍結と言っているようですが、これは安直な人気取りで代替財源をどうするかなどを責任もって説明しなければならないはずです。

 また本誌が最も重要と考える憲法改正については、最後まで「どちらとも取れる主張に終始する」はすです。小池氏はどう主張すると自分の影響力が最大となるかしか興味がないはずだからです。

 本誌は別に小池氏や「希望の党」を批判しているわけではありませんが、そろそろ雰囲気に呑まれるだけではなく、「希望の党」を含む各政党の主張に十分に耳を傾け、その(現在の日本にとって)重要度を判断してはどうでしょう?


(以下、本日の付け加えです)


 本日(9月27日)、「希望の党」が正式に発足しましたが、何と民進党が「丸ごと」合流することになりそうです。これで「希望の党」は期せずして全国組織が出来上がり、一応は自民党に対抗する「2大政党」となります。

 しかし選挙後も含めてまだまだ「究極の後出しジャンケン」を続けるつもりだった小池代表の選択肢は、逆に狭まったはずです。

 例えば公示前までは決して明らかにしない(できない)はずですが、これで東京都知事を辞任して今回の衆議院選に出馬すると「読めて」しまいます。つまり小池代表の「究極の後出しジャンケン」の材料が1つ減ってしまい、そこへ「都政を放り出した」との批判が加わります。

 また憲法改正も含めた政策(公約)でも自民党と対抗せざるを得なくなり、これも「究極の後出しジャンケン」の材料が、かなり減ってしまうことになります。

 まだまだ公示までいろいろありそうですが、直感的には自民党・公明党の圧勝とはならないものの、「それなりの勝利」となるような気がしています。



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■日本 » 政治 | 2017.09.28
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