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トランプの「ロシアゲート疑惑」はどうなっている?

2017年11月30日

トランプの「ロシアゲート疑惑」はどうなっている?


 本日(11月29日)未明に北朝鮮がICBM(大陸間弾道弾)の発射実験を強行しましたが、各マスコミは大相撲の傷害事件をメインに取り扱い、日経平均も110円高となりました。

 そんな中で本日は、最近どのマスコミもほとんど取り上げなくなったトランプの「ロシアゲート疑惑」の現状です。

 「ロシアゲート疑惑」とは、昨年11月の大統領選でトランプ陣営がロシアの「協力」を得ていたか、さらにトランプ本人がそれを認識していたかなどが疑われているものです。その「ロシアゲート疑惑」を捜査していたFBIのコミー長官(当時)が本年5月に解任され、新たに任命されたモラー特別検察官が10月末にトランプ陣営の選挙対策本部長だったマナフォートらを起訴しています。

 ただこの流れでは、トランプ周辺からさらに起訴される人物が出てもトランプ自身に捜査が及ぶことはありません。モラー特別検察官の権限は、1999年に廃止された独立検察官の権限よりかなり縮小されており、何よりもトランプの支配下にある司法省に報告義務があるからです。

 トランプ陣営でマナフォートの次に「黒い」のはフリンで、以下クシュナー(婿)、トランプ・ジュニアと続きますが、実際にはとっくに辞任しているフリンに起訴される可能性がある程度です。フリンはキッシンジャーがトランプ陣営に押し込みましたが、もうトランプからもキッシンジャーからも見捨てられています。

 ところが日本ではほとんど報道されていませんが、米国や英国を含む世界の諜報機関にはもっと直接的に「トランプはロシアの資産」との観測が根強くあるようです。

 ここでいう「資産」とは諜報の世界では「スパイ」を意味します。つまりトランプ自身が自覚しているか利用されたかはともかくとして、米国行政の最高責任者で軍隊(四軍)の長でもあるトランプが、国家(米国)に対する反逆者であるという「ぞっと」するような観測が諜報の世界にあることになります。

 そう考えると「ロシアゲート疑惑」の正体とは、そこまで捜査の手が及ぶかどうかはともかくとして、米国憲政史上最悪の疑惑となります。

 確かにあれだけツイッターで大勢の個人を攻撃するトランプが、プーチンのことは1度も批判していません。さらにトランプは諜報専門家の言う他国の「資産」となる4条件に「すべて」該当しているそうです。

 この4条件とは金(かね)、イデオロギー、脅迫、エゴで、最初の金(かね)は説明不要で、トランプにはイデオロギーなどというものはありませんが諜報専門家によれば、そういう人物が最も「資産になる」そうです。脅迫はロシアの諜報機関ならトランプのあらゆるスキャンダルは掴んでいるはずで、最後のエゴとは要するに「おだてるとすぐに味方になる」ところです。

 しかしこの米国憲政史上最悪の疑惑は、ここ1年ほどの間に(トランプが当選して以来)、世界政治が「やたら」混乱していることと無関係ではないはずです。つまり世界中で政治(秩序)のタガが緩んでいることになります。

 そんな中で「国内政治が安泰であるように見える国」は、中国、当のロシア、北朝鮮といった独裁者の国となりますが、その独裁者でもムガベ(ジンバブエ)は罷免され、ベネズエラは実質的にデフォルトし、トルコでも通貨(リラ)急落に見舞われています。

 つまり独裁者がいれば国内政治が安定するとはならず、もっと大きな混乱が引き起こされることになります。ただ米国は民主主義の国で大統領権限はかなり制限されており、独裁者にはなれません。まだ弾劾制度もあります。

 米国憲法では、現職大統領は「反逆罪、収賄罪、その他の重大な犯罪または軽罪」で弾劾され、有罪判決で罷免と規定されています。ここで弾劾裁判とは、下院議員の過半数の賛成で起訴され、上院議員の3分の2以上の賛成で有罪(つまり罷免)となります。

 今のところ米国議会は上下院とも与党・共和党が過半数を占め、来年秋の議会選挙で(下院は全員、上院は3分の1が改選されます)野党・民主党が大勝するとの予想もなく、少なくともトランプ在任中は(さすがに1期・4年だけだと思いますが)弾劾される可能性は低いと考えます。

 つまり米国憲政史上最悪の疑惑がくすぶり続け、世界政治の混乱もこのまま続くと身構えておく必要がありそうです。


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■闇株的見方 » 社会 | 2017.11.30
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「ネットの中立性」とは?

2017年11月28日

「ネットの中立性」とは?


 米連邦通信委員会(以下、FCC)が11月21日、通信会社やケーブルテレビ会社など通信インフラを提供する企業に、すべてのコンテンツを平等に扱うように求める「ネットの中立性」の原則を撤廃する方針を明らかにしました。

 これだけだと「何のことか」よくわからないので解説します。

 まずFCCとは米国内の放送通信事業の規制監督機関で、おそらく全米で最も保守的な機関であると思われます。2011年にAT&TとTモバイルの合併など、大型合併をかなり破談に追い込んでいます。2013年のソフトバンクによるスプリント買収は承認しましたが、そのスプリントによるTモバイル買収はあっさりと却下しています。
 
 FCCは委員長を含め5名の委員で構成されていますが、「与党」が委員長を含む3名の委員を指名することができます。トランプ大統領も就任直後に規制緩和派のアジット・パイ氏を委員長に指名しています。

 この「ネットの中立性」とは、オバマ政権時の2015年に当時のトム・ウィーラー委員長の主導で成立したものです。

 したがってもともと「ネットの中立性」に反対だった(というよりオバマ前大統領の決定はことごとく覆したい)トランプ大統領とパイFCC委員長の組み合わせとなれば、来年早々にも成立してしまうはずです。

 ここで「ネットの中立性」が撤廃されるということは、AT&T、ベライゾン、コムキャストなど通信インフラを提供する企業が、例えばネットフリックス、フェイスブック、グーグル傘下のユーチューブなどが通信インフラにタダ乗りして大金を稼いでいる現状に対し、サービスを低下させるとか、多額の利用料を請求する可能性が出てきます。

 最近は通信インフラを提供する「勝ち組」企業も、コンテンツ企業を傘下に入れており、当然に傘下企業のコンテンツを優先することになります。また当然のように、通信インフラ企業とコンテンツ企業の再編がさらに進むことになるはずです。

 つまり通信インフラ企業はコンテンツ企業を、コンテンツ企業は通信インフラ企業を傘下に入れようとするはずで、先日Tモバイルとの合併交渉を打ち切ったスプリントも、「引く手あまた」となるかもしれません。

 ところで今回「ネットの中立性」が撤廃されるなら、まさにうってつけの経営統合が実現するはずでした。

 オバマ政権が終了する直前の2016年10月に、通信インフラ大手のAT&Tが豊富なコンテンツを持つタイム・ワーナーを854億ドル(9.5兆円)で買収すると発表していました。

 ところが11月20日、司法省が「公正な競争が阻害される」との理由で、買収の差し止めを求めてワシントン連邦地裁に提訴してしまいました。

 これは明らかに通信インフラ企業がコンテンツ会社を買収する「垂直統合型」であり、そもそも司法省が「垂直統合型」の阻止を求めて提訴することは1977年のカーター政権時以来となります。つまりこれまでの米国では何の問題もなく承認されている買収であるはずです。

 タイム・ワーナーの傘下に、トランプ大統領がフェイクニュースと批判するCNNがあるからとしか考えられません。ただ大胆な買収や経営統合がしょっちゅう出てくるダイナミックな米国経済において、明らかにシナジー効果が大きい大型買収を、改革派であるはずのトランプ政権下の司法省が差し止めてしまったわけです。

 最終的にはタイム・ワーナーがCNNを外部に売却することで、買収が認められるような気がしています。とりあえず本日(11月27日)の両社の株価はほとんど動いていないため、株式市場でも最終的には買収が認められると考えているようです。

 しかし11月20日に司法省がAT&Tによるタイム・ワーナー買収を差し止め提訴し、その翌日の11月21日に「ネットの中立性」を撤廃するとFCCが公表しています。そうなるとAT&Tによるタイム・ワーナー買収が「大変な企業価値の増大」に結びついていたはずですが、その前日に差し止めたことになります。

 いろいろ奥行きが深い米国の政治・経済となります。


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■闇株的見方 » 社会 | 2017.11.28
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