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ロシアゲート捜査に進展?

2017年11月01日

ロシアゲート捜査に進展?


 トランプ大統領周辺とロシアとの不透明な関係を巡る「ロシアゲート疑惑」を捜査するモラー特別検察官は10月30日、昨年の大統領選で一時期トランプ陣営の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォートと、そのビジネスパートナーであるリック・ゲーツを起訴したと発表しました。

 もう一人、同じく一時的トランプ陣営の外交顧問を務めたジョージ・パパドプロスも起訴されていますが、こちらはFBIへの偽証容疑で直接の関係はありません。
 
 5月17日に特別検察官に任命されたモラー・元FBI長官による最初の起訴となりますが、その本来の役割は昨年の大統領選にロシアが介入していたか、トランプ大統領自身を含む関係者がそれを知っていたか、さらに「共謀」していたかなどを明らかにすることです。

 マナフォートらは、親露だったヤヌコビッチ政権下のウクライナから合計7500万ドル(85億円)もの報酬を受け取っていたとされますが、そこで少なくとも1800万ドル(20億円)のマネーロンダリングや、無届けで外国政府のために働き報酬を受け取っていたなど12の罪に問われています。

 これだけだと本来の「ロシアゲート疑惑」の真相解明には直接関係がなさそうにも思えるため、昨年の大統領選まで遡って解説しておきます。

 トランプが共和党の大統領候補となることがほぼ確定的となった昨年(2016年)6月、どうしても親中国のヒラリー・クリントンが米国大統領となることだけは回避したい超保守派が、テッド・クルーズに代えてトランプを支援することにします。

 世界最強のヘッジファンド・ルネッサンス・テクノロジーズのCEOであるロバート・マーサーが率いる超保守派は、5000万ドルともいわれる資金支援と、ケンブリッジ・アナリティカによる情報戦略(というより情報操作)で見事にヒラリーを蹴落としてトランプ大統領を実現させました。2月23日付け「ケンブリッジ・アナリティカとは?」に詳しく書いてあります。

 その超保守派が最初にトランプ陣営の選挙対策本部長(つまり選挙資金担当)に送り込んでいたのがこのポール・マナフォートでした。しかしマナフォートはロシアやウクライナにおける「怪しいビジネス」が露呈し、2か月後の2016年8月に辞任しています。

 その後任の選挙対策本部長がケンブリッジ・アナリティカの取締役でもあったスティーブ・バノンで、トランプ当選後には主席戦略官としてホワイトハウス入りしています。当選直後のトランプが打ち出した徹底的な「米国第一主義」はすべてこのスティーブ・バノンの(というよりロバート・マーサーの)意向だったはずです。

 それでは超保守派が大統領選挙中に、マナフォートや後任となるバノンを通じてロシア(その時点でウクライナは反露となっていた)からさらなる資金やその他の協力(例えば問題となっているサイバー攻撃)などを依頼していたか、さらにそれをトランプ自身を含む関係者が知っていたか、さらに「共謀」していたかなどがポイントとなります。
 
 そこを解明するための突破口としてモラー特別検察官がマナフォートらを起訴して法廷に引っ張りだすことになります。しかしマナフォートらを容疑であるマネーロンダリングなどで有罪に持ち込むことができたとしても、「ロシアゲート疑惑」そのものでトランプ大統領およびその周辺を起訴することは(トランプ大統領なら弾劾裁判となります)かなり難易度が高いはずです。

 マナフォートが「余計なこと」をしゃべらなければ、トランプ大統領による恩赦で実質的には無罪となるからです。

 だいたいロシアが米国を(だけではありませんが)サイバー攻撃していることは大統領選中に限らず「ずっと前から」行われており、またヒラリーが親中国であることはほとんど「世界の常識」であるため、ロシアもヒラリーが大統領となることは避けたかったはずで、トランプ陣営に頼まれなくても「介入」していた可能性も強いからです。

 一部の報道では大統領選中にトランプ・ジュニアとマナフォートが「ヒラリーにダメージを与える情報を提供する」と聞いてロシアの女性弁護士らと面会していたことを「有力証拠」と伝えていますが、これはそもそも「怪しげな人物の怪しげな話」に乗せられただけで「ロシアゲート疑惑」には何の関係もありません。

 ここで重要なことは。トランプとロシアを繋いだ「もう1つのルート」があることです。やはりトランプが共和党の大統領候補となることがほぼ確定的となった昨年5月に、ヘンリー・キッシンジャーがトランプを自宅に招き、ロシアと仲良くすべきだと説いています。

 その理由は、ロシアはキッシンジャーにとって「中国に次ぐ重要な顧客」だからで、要するに自分のビジネスのためロシアをトランプに接近させただけです。そしてトランプが大統領選に勝利した直後に、マイケル・フリンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に「推薦」しています。

 ところで「ロシアゲート疑惑」でマナフォートの次に「黒い」のはこのフリンです。ここで超保守派がホワイトハウスに送り込んだバノンはすでに解任されており、キッシンジャーは今もクシュナーを手先にしてホワイトハウスの外交戦略に大きな影響を与えているため、とっくに大統領補佐官を辞任しているフリンが改めてモラー特別検察官の捜査対象とはならないような気がします。

 仮にフリンが起訴されると、キッシンジャーにも影響が及ぶ恐れがあるからです。

 当のトランプ大統領は今週末(11月5日)に来日しますが、ちょっとこの辺を頭に入れておいてください。


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