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黒田日銀総裁は再任されるのか?

2018年02月02日

黒田日銀総裁は再任されるのか?


 黒田日銀総裁の任期が本年(2018年)4月8日までとなっています。日銀総裁は再任可能で、過去にも実例がありますが、さて黒田総裁はどうなるのでしょう?

 その前に細かいところですが、旧大蔵官僚である黒田総裁は5年前の2013年3月20日に就任しているため、任期が微妙に5年より長くなっています。これは2008年4月9日に就任していた白川前総裁(日銀プロパー)をわざわざ2013年3月19日に辞任させてまで、黒田総裁の就任を前倒ししたからです。

 実際に黒田総裁は就任からわずか2週間後の2013年4月4日の政策決定会合で、それまでの金融政策とは根本的に違う「異次元」金融緩和・量的緩和を突然に発表し、基本的に現在まで継続しています。

 どこが根本的に違うのかというと、それまでの日本銀行の金融政策は「短期金融市場」にだけ介入し、政策金利(短期金利)や短期金融市場への資金供給を調節するだけでした。白川前総裁時代には残存3年未満の国債まで短期金融市場に含めて買い入れていましたが、黒田総裁は一気に残存40年まですべての年限の国債を「異次元」に買い入れることにしてしまいました。

 どれだけ「異次元」なのかというと、2013年4月から日銀の国債保有残高を年間50兆円増やすものであり、2014年10月から年間80兆円増やすことにしました。さらに2016年2月から一部の短期金融市場にマイナス金利(マイナス0.1%)を導入し、2016年9月から10年国債利回りをゼロ近辺に「釘付け」することにして現在に至ります。

 どれも黒田総裁時代の重大な政策変更ですが、どれも事前に十分な説明もなく(日銀内でも十分に検討した形跡もなく)、「突然」に発表されています。

 結果的に日銀の国債保有残高(短期国債を含む)は、黒田総裁の就任直後である2013年3月末の125兆円から、直近の2018年1月20日には444兆円になっています。

 ここで黒田総裁は旧大蔵官僚ですが、実は1998年3月に退任した松下康雄氏以来の久々に就任した旧大蔵省出身の日銀総裁となります。1998年に施行された新日銀法で日銀の独立性が強化されたため、それまでの旧大蔵官僚と日銀プロパーが交互に総裁に就く慣習が廃止されていました。

 そこで民主党から政権を取り戻した自民党の第2次安倍政権が、当然のように経済回復を最優先課題とするため、その状況に取り入り見事に旧大蔵省が日銀総裁の椅子を取り戻してしまいました。

 そのための金融政策も当然のように「経済回復に効果がありそうな派手なもの」である必要があり、そこで出てきた政策が「異次元」金融緩和・量的緩和であっただけです。

 そう主張するグループを「リフレ派」と呼びますが、黒田総裁も含めて多数の「にわかリフレ派」が登場し、その中には岩田規久男・日銀副総裁や本田悦朗・内閣官房参与(当時、現スイス大使)のように実際に重要ポストを射止めた「幸運な人」もいました。

 極端な言い方をすれば、「異次元」金融緩和・量的緩和は旧大蔵省が久々に日銀総裁の椅子を取り戻し、その後も半永久的にその椅子を確保するために、最もインパクトのある金融政策だっただけです。日本国民のために最も好ましい金融政策であるかなどは、ほとんど関係がなかったはずです。

 そして「いくら何でも日本経済が改善するはず」と考え、消費税を素早く10%まで引き上げるはずでしたが、安倍首相の抵抗にあって8%から10%への引き上げは2019年10月に延期されています。

 そこで表題の黒田総裁の再任があるか?ですが、旧大蔵省はせっかく確保した日銀総裁という「最上級の天下り先」を半永久的に確保するためにも、ここは交代となるはずです。最近の風潮から旧大蔵省でも有力OBの天下り先が十分に確保されていないため、ここは「次」の旧大蔵省OBが選ばれるはずです。「次」となれば市場の期待感もしばらくは持続するはずだからです。

 また黒田総裁時代が「リフレ派」の金融政策であったため、旧大蔵省も絶対に「リフレ派」の金融政策が間違いだったとか、効果がなかったとは言えないため、「次」の日銀総裁も「リフレ派」の金融政策を継続することになります。旧大蔵省に限らず官僚は絶対に間違いを認めないからです。

 ここで「次」の日銀総裁は旧大蔵官僚でもリフレ派から選ばれるのか?というと、それもあまり関係ありません。旧大蔵官僚ともなれば、誰でも黒田総裁のように「にわかリフレ派」を完璧に演じられるからです。

 「次」の日銀総裁も、その金融政策も、こういうところで決まっていくわけです。



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■闇株的見方 » 経済 | 2018.02.02
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