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ついにルノーに丸ごと食われてしまう日産自動車

2018年03月30日

ついにルノーに丸ごと食われてしまう日産自動車


 2日続けてイレギュラーな時間での更新となりますが、日本企業を安直に海外企業に売り渡してしまうと徹底的に食い尽くされると何度も警告している典型例の日産自動車が、いよいよ最悪の事態になりそうなので急遽記事にしました。

 ルノーと日産自動車は合併し、統合後の新会社を上場することを協議していると、本日(3月29日)Bloombergが報じています。

 ルノーは日産自動車の43.6%を保有する親会社であり(そのコストの8000億円は配当などでもうすっかり回収しています)、日産自動車もルノーの15%を保有していますが(議決権なし)、両社は一応組織的・会計的には別会社となっていました。

 それが今度は統一会社となり、日産自動車は(ブランド価値があるため日産自動車の名前は残すかもしれませんが)完全にルノーの一部分となり、統一会社の上場市場はもちろん東証ではなく、パリ証券取引所となるはずです。

 また日産自動車の単独決算も発表されることはなくなり、ルノーのためにせっせと資金や生産設備や技術陣を(タダで)提供していくことになります。今までも同じような状況ではありましたが、日産自動車は一応東証に上場しているため、その株式価値(日産自動車の方がルノーより大きい)が毀損しないように「手心は」加えていました。

 実は2015年にも日産自動車をルノーと統合させる計画がマクロン(現大統領、当時はオランド政権の経済・産業・デジタル大臣)主導で進められ、ルノーの19.74%を保有するフランス政府の議決権を2倍にする法律を、株主総会前に一時的にルノー株を買い増してまで承認させていました。

 ところがこの時点ではゴーン氏がルノーと日産自動車のCEOを兼任していたため、結果的には日産自動車の少数株主に対しても責任のあったゴーンCEOが反対したかたちになり日産自動車が日本の会社ではなくなる事態は回避できました。

 ところが2017年4月にゴーン氏が日産自動車CEOを退任してルノーCEOに専念しており、マクロンも大統領に大出世しているため、もう誰も日産自動車をルノーの一部分にしてますます食い尽くしても反対しません。

 ゴーン氏はブラジル生まれのレバノン人で、あからさまな身分差別のあるフランス社会では決してエリートではなく、「絵にかいたようなエリート」であるマクロン大統領に反対することは決して得策ではありません。

 フランス社会では決してエリートではないゴーン氏はルノーCEOとして「日産自動車を食いつぶしてでも」ルノーの業績を上げなければなりません。先日ゴーン氏のルノーCEO任期が異例の4年延長となりましたが、そこでゴーン氏がマクロン大統領に囁いたルノーの業績拡大策の中に、日産自動車との統合が入っていたような気がします。

 日産自動車は西川(さいかわ)CEO以下、日本人の経営陣はここまでルノーとゴーンCEOへの忠誠心だけで出世してきたため、諸手を挙げて経営統合に賛成するはずです。また日産自動車の日本人の少数株主も、ここまでゴーンCEO(当時)の経営手腕を無条件に支持しているようで、ルノーとの経営統合を承認する株主総会も「すんなり」承認してしまうはずです。

 つまりどう考えても(今年中かどうかはわかりませんが)日産自動車はルノーの一部分となり、その日産自動車の子会社となった三菱自動車とともに、グループで年間生産1000万台クラブに(ルノーの一部分として)入ることになります。

 いくら考えてもそれを排除することはもう不可能で、本誌が数年間にわたって考えて主張してきた「日産自動車をルノーから取りもどそう」も完全に不可能となってしまいました。

 そうはいってもシャープは鴻海グループに入って業績が拡大し、三菱自動車もルノー・グループ入りして(正確には日産自動車の子会社となった)最悪期を脱しており、東芝も(まだ中国当局の独禁法審査が長引いていますが)ベインキャピタルなどにグループ入りすれば「もっとよくなる」と考えられているようですが、どれも海外の親会社から食い尽くされても業績が良くなっているため、最初からもっとまともな日本人経営者が頑張れる体制にしておけば何の問題にもならなかったはずです。

 このニュースはまだBloombergが報じているだけで、不確定なニュースである可能性もありますが、本誌はかなり前からそうなると予想していたため、この段階で記事にしました。


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■企業 | 2018.03.30
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「かぼちゃの馬車」・スルガ銀行・日本の金融行政

2018年03月29日

「かぼちゃの馬車」・スルガ銀行・日本の金融行政


 コメント欄にリクエストを頂いていた話題ですが、考えさせられるところも多く「ああ、またか」で済ませることもできないため、本日の話題となりました。

 簡単に言うと、わずか4年ほどの間に800棟もの女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を販売していたスマートデイズ (本社・東京、旧社名・スマートライフ)が、販売先(オーナー)に約束していた家賃保証が継続できなくなったため事業が成り立たず、実質的に破綻したものです。

 そのやり方は最初から「行き詰まる」ことを承知で突っ走っていたとしか思えず、実際に創業者は本年1月に突然辞任してしまいました。また「かぼちゃの馬車」の大量販売で得た巨額資金は確保したままで、既に新たに不動産を取得して新しいビジネス(?)を準備しているとも噂されています。

 しかしこんな出鱈目なビジネスに乗せられて「かぼちゃの馬車」を、ほぼ全額の銀行ローンで購入してしまった約700人ものオーナーは、家賃収入が全く入って来なくなっても、銀行ローンの元利金支払いが容赦なく毎月続くことになります。

 何人かのオーナーは返済猶予を求めて集団訴訟となっているようですが、過去の経験では「融資などの契約書類等が完璧に作られているため」返済が免除になることは考えられません。

 ところでこの「かぼちゃの馬車」事件で最も特異なところは、投資家(オーナー)に対する融資のほとんど全額を静岡県沼津市に本社のあるスルガ銀行が融資しており、その貸付利息も年3.5~4.5%と高く、何よりも融資希望者の資産内容を改竄してまで審査を通していた形跡まであるようです。
 
 スマートデイズが行き詰まった直接の原因は、このスルガ銀行が昨年(2017年)11月に突然方針を変更して、「かぼちゃの馬車」への新規融資を実質的に止めてしまったところにあるようです。

 しかしこれも過去の経験から考えると決して珍しいことでもなく、金融庁に対しては「高収益を得るためにいろいろ工夫して実行していたが、最近になってリスクが増大してきたと感じるため、新規融資を止めて回収にかかっている」とでも答えれば、優等生となります。

 ここでスルガ銀行とは、1895年に地元の岡野喜太郎が設立し、1963年には株式上場している名門で老舗の地方銀行です。代々岡野家が経営を取り仕切っており、現在は5代目の岡野光喜氏が会長(元社長)を務めていますが、なかなか高収益の銀行です。

 静岡県にはもちろん大手で堅実経営で知られる静岡銀行がありますが、スルガ銀行は全く正反対となる積極経営で高収益を上げているため、両行ともJPX日経インデックス400の採用銘柄となっています(400銘柄のうち銀行は20行です)。

 確かに2016年2月に導入された日銀のマイナス金利政策は、長期貸出金利を含む日本の長期金利の水準を大きく押し下げ、日本の金融機関の業績を急激に悪化させてしまいました。

 日銀が発表する本年1月の貸出約定平均金利は長期貸し付けで0.779%(地方銀行だけでは0.872%)となっており、同じ短期貸し付けの0.612%と大差が無くなってきています。つまり日本では貸出先のクレジットリスクを取らなければ利鞘がほとんど得られなくなっています。

 これは日銀の金融政策が2016年9月から、短期金利をマイナス0.1%(368兆円もある日銀当座預金のうち20兆円ほどに適用されているだけで、実際にはゼロと考えるべきです)、長期金利(実際は10年国債利回り)もゼロ%に釘付けされているため、日本の10年までのイールドカーブが「すべてゼロ」となっており、ここで銀行は収益改善のためには「かぼちゃの馬車」のような仕組みを考えださなければならないと理解できないわけではありません。

 しかし日本では、ここで何かあっても「被害はその銀行の利用者」に及ぶだけで、銀行側から見れば「やった方が(そして早く逃げ出した方が)勝ち」となってしまいます。

 日本では地方銀行と第二地銀を合わせて105行もあり、日本で「最も業界再編が進んでいない業界」となります。最近になっていくつかの銀行が持ち株会社方式で経営統合するケースが出ていますが、これも持ち株会社の下に統合された銀行が旧社名のままそれぞれ存在しているケースがほとんどで、とても経営統合のメリットが出ているとは思えません。

 つまり「かぼちゃの馬車」とは、こういう特殊な日本の銀行業界では「出るべくして出た事件」に過ぎず、また形を変えて続発するような気がします。

 米国では東南部の地銀だったネーションズバンクが周辺の銀行を次々と買収し、ついには西海岸にあった大手のバンカメまで買収して、社名にしてしまいました。

 日本の地方銀行の中からもこのネーションズバンクのような銀行が出てきて、合併で巨大化してメガバンクの一角を占めるようになってほしいと以前から考えていましたが、夢物語のようです。


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■闇株的見方 » 社会 | 2018.03.29
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