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冬期オリンピックが開催されるソチとコーカサス地方の複雑な歴史 後半

2014年01月17日

冬期オリンピックが開催されるソチとコーカサス地方の複雑な歴史 後半


 昨日の続きです。KGBのスパイだったウラジミール・プーチンは、1991年にレニングラード(現サンクトペテルブルグ)市長となった恩師のサプチャークに取り入り、1994年に同市の第一副市長に任命されます。

 1996年にサプチャークが市長選に敗れると今度はロシア大統領府入りし、1998年にはKGBの後身であるロシア連邦保安局(FSB)長官に就任します。さらにエリツィン大統領のマネーロンダリング疑惑を捜査していたスクラトフ検事総長を女性スキャンダルで失脚させ、その功績で1999年には第一副首相、首相、さらには大統領代行となり、2000年に自ら引導を渡したエリツィンに代わって第2代ロシア大統領に当選します。

 KGBのスパイからわずか10年で大統領となったのですが、その背景には首相在任時にチェチェン過激派によるロシア高層アパート連続爆破事件が続発したところ、チェチェンに武力で徹底的に報復した(第二次チェチェン紛争)ことによる人気急上昇がありました。

 しかし百数十人が犠牲となった一連の爆破事件は、プーチンとその意向を受けたFSBの「自作自演」だった可能性があります。その内幕を暴露した元KGB職員のアレクサンドル・リトビネンコは、2006年に亡命先のロンドンで毒殺されています。

 真相は藪の中ですが、その後もチェチェンのイスラム過激派がロシア連邦からの独立を求めてテロを繰り返していることも事実です。このイスラム過激派はチェチェンと隣国のイングーシを拠点としていますが、ロシア当局の度重なる攻撃でリーダー(独立派大統領)が次々と殺害されており、最近は活動拠点を周辺国に移しているようです。

 チェチェンのイスラム過激派はスンニ派ですが、スンニ派の盟主であるサウジアラビアは全く支持しておらず、イスラム世界でも孤立しています。また昨年のボストンマラソン事件の犯人がチェチェン系だったのですが、その背景は不明です。

 いずれにしてもソチ・オリンピックとは、チェチェンのイスラム過激派にとって、憎いロシアもプーチンも倒す絶好の機会と位置付けられても不思議ではありません。

 コーカサス地方の歴史をもっと遡ってみましょう。

 コーカサス地方とは、7世紀から10世紀にかけて栄えた「謎の遊牧民族」ハザール人の王国があった地域でもあります。ハザール王国の最盛期には、コーカサス地方だけではなく現在のウクライナやロシア平原南部にまで国土を広げ、首都はカスピ海北部沿岸のイティルでした。

 ハザール王国の最大の特徴(不思議)は、9世紀に国中がユダヤ教に改宗したことです。つまりアブラハムの子孫であるユダヤ人とは血縁的に何の関係もないユダヤ人(ユダヤ教に改宗するとユダヤ人になる)となりました。

 ハザール王国は間もなく弱体化し、13世紀にチンギス・ハンの孫のバトウ・ハンに攻められて消滅してしまいます。

 そしてハザール王国のユダヤ人は、アシュケナージとして現在のイスラエルやアメリカにいる大半のユダヤ人の祖先であるとされています(異説もあります)。しかしそうなるとアブラハムやモーゼやダビデの子孫ではないユダヤ人が、神(ヤハウェ)がお決めになったカナンの地にイスラエルを建国してしまったことになり、かなり「都合の悪い事実」となります。

 だからハザール王国は、世界史から抹殺されているのです。

 しかしコーカサス地方にハザール王国があった「大きな痕跡」が世界史に残っています。7世紀からイスラム教徒が猛烈な勢いで世界に領土を広げ、ヨーロッパでもイベリア半島が支配されてしまいました。しかしヨーロッパ全域のイスラム化は、732年にトゥール・ポアティエの戦いでフランク王国のカール・マルテルが、ピレネー山脈を越えて攻めてきたイスラム教徒に勝利して防ぎました。

 しかしイスラム教徒はそんな回り道をしなくても、地理的に近いコーカサス地方を北上して東ヨーロッパから攻め込めばよかったはずで、当然に激しく攻め込みました。それを防いだのがハザール王国だったのです。

 つまり7世紀にコーカサス地方にあったハザール王国の奮闘がなければ、少なくともヨーロッパの東半分がイスラム化して世界史が大きく変わっていた可能性があります。

 コーカサス地方とは、こんな土地なのです。オリンピック中継をみるときには、少しだけ思い出してください。もちろんソチ・オリンピックが無事に終わることを祈っています。


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コメント
ロシアは、闇だらけという印象です。
闇株新聞というタイトルをつけていますが、
闇に加重をかけるのではなく、
株式相場に関連する話題を多めにお願いします。

以上、勝手なお願いでした。



とうとうバザール王国が出て来ましたね。中東の民族は色黒なのに何故キッシンジャーは白人なのか?

この疑問はバザール王国、アシュケナジー・ユダヤ人を知るまで解けませんでした。

歴史捏造世界三大民族と言われる中国人、ユダヤ人、朝鮮民族の中でも、民族の誇りまで消して他人に成りすますあたり、気持ち悪い怪物ですね。
ハザール王国
闇株さんと元同業の落合莞爾氏によると、ハザールはアッティラに従軍した後突厥の支配下に入り独立したらしいのですが、破竹の勢いのイスラム帝国とビザンチン帝国に挟まれ双方から改宗を迫られたので、そこで迷ったあげく両者の祖教である一神教の元祖ユダヤ教を選択し改宗したとのこと。普通なかなかそこまで知恵がまわりませんが、やはり信仰に生きるとは言えない建前に思えます。しかしこの選択がキリスト教からの虐殺、金融業請負という運命をもたらしました。ハザールを滅ぼしイスラム地域を征服したモンゴルのバトゥはイスラム教に改宗してしまいました。ハザールがイスラムの欧州侵攻を防いだというのは、ちょっと微妙なところですね。しかし落合氏によればなかなか付いていけませんが、もう一方のスファラディユダヤの恐るべき経緯も述べられています。エジプト一神教、カナーンでの建国、シュメール人、フェニキア、カルタゴ、ヴェネチア、オランダ、ロンドン、米国という流れです。 
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