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経常収支が赤字になる意味を正確に考える その2

2014年02月13日

経常収支が赤字になる意味を正確に考える その2


 昨日の続きですが、まず日本がすでに経常収支の赤字国に転落しているとの認識が大変に希薄なようです。

 2013年10~12月は1兆3593億円の経常赤字だったことは昨日も書いたのですが、これは決して一時的な現象ではありません。実は本年1月上中旬の貿易統計(国際収支統計とは少し違います)がすでに発表されており、何と2兆150億円の巨額赤字となっています。

 例年1月は正月休みで貿易収支が悪化するのですが、昨年の同時期は1兆1763億円の赤字だったので「さらに急激に悪化している」ことになります。所得収支が黒字だとしても、1月だけで2兆円近い経常赤字になるかもしれません。

 2013年4~12月の経常収支は累計で1兆7217億円の黒字でしかないため、2013年度(2014年3月まで)の経常収支が赤字となる可能性が強くなりました。
 
 経常収支が年間で(年度集計ですが)赤字になってしまうと、まず外国人の日本経済に対する評価が悪化し、当然に日本株に対する評価も悪化することになります。経常収支の赤字とは、経済活動を通じて富が海外に流出していることだからです。

 最近の新興国経済で「特に問題がある」といわれる5ヶ国は、すべて巨額の経常赤字国です。その5ヶ国とはインド(2012年の経常赤字が882億ドル、以下同じ)、ブラジル(552億ドル)、トルコ(447億ドル)、インドネシア(240億ドル)、南アフリカ(240億ドル)で、昨年から通貨の下落が続き利上げを余儀なくされています。

 もちろん日本の状況がこれら新興国に近づくというつもりは全くありませんが、少なくとも時期的に日本株に対するイメージが悪化することは考えられます。

 2013年の日本の資本収支は4兆4090億円の黒字(流入)でした。もちろん外国人投資家が日本株を15兆1196億円も買い越したからですが、この買い越し額は2012年が2兆8264億円、2011年は1兆9724億円しかありませんでした。

 もし本年(2014年)の外国人投資家の日本株買い越し額が2011年、2012年並みとなると、資本収支が赤字になります。

 資本収支の赤字とは、本邦投資家の対外資産の取得が海外投資家の本邦資産の取得よりも大きい状態であり、経常収支の赤字とは違い「好ましい」ことです。

 ところが経常収支と資本収支がともに赤字になると、それだけ日本が海外に支払う資金(外貨)が膨らみ、日本全体では資金(外貨)繰りが窮屈になることを意味します。とりあえずは、昨年末に1兆2668億ドルある外貨準備を取り崩す必要が出てきます。

 そう書くと「日本は資金(円)が有り余っているのだから、外為市場で円を外貨(主にドル)に交換していくらでも海外に支払えばよいではないか?」となるのですが、そのためには円が外貨(主にドル)並みの信用力を維持しなければなりません。

 例えば韓国は3000億ドル以上の外貨準備を持ち、日本よりも多い600億ドル(2013年予想)の経常黒字を稼ぎ出しているのですが、それでも時々外貨不安が囁かれています。外貨(主にドル)不安とは、決して日本に無関係な話ではなくなるかもしれません。そのような意味でも経常収支の赤字転落は「大変に由々しき事態」なのです。

 実はもう1つ不安に思っていることがあります。

 2013年の国際収支統計では、経常収支が3兆3061億円の黒字、資本収支が4兆6090億円の黒字(流入)でした。つまり合計で7兆9151億円の資金(外貨)が流入していたのですが、国際収支統計は合計がゼロになるように作られます。

 2013年はその流入した外貨のうち3兆8504億円を外貨準備が吸収しています。為替介入がなかったので、これは米国債の利払いなどをそのまま外貨準備に組み込んだ結果です。

 それでは残る4兆648億円はどこに消えたのでしょう?

 実はわからないのです。国際収支統計では誤差脱漏として同額が計上されていますが、要するに把握できない資金(外貨)が日本から海外に流出しているのです。少なくとも2012年まではみられなかった傾向です。

 要するに本年は、経常収支も資本収支も不明の項目(誤差脱漏)も、揃って猛烈な資金(外貨)流出となる可能性があり、その影響は予測不能なのです。

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コメント
誤差脱漏はまさに統計上の数字であり、長期的には過去にさかのぼって0に近づくはずであるから、むしろ円高圧力になるのでは?
誤差脱漏は有り得るものの、額が余りにも大きいのではないか?
統計を本業としている当局が分からないはずはないと思うのだが。
2013年で何が起きたのか、仮説はありませんでしょうか?
「経常収支と資本収支がともに赤字になると」…これは複式簿記でいうと「貸方合計と借方合計が一致しないと」と言ってるようなものなのですが…
ちょっと基本的なところを確認されては?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8F%8E%E6%94%AF%E7%B5%B1%E8%A8%88#.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.8F.8E.E6.94.AF.E3.81.AE.E5.9F.BA.E6.9C.AC.E5.8E.9F.E5.89.87
「一国のマクロ的な経常収支黒字(赤字)は、必ずその国のマクロ的な資本収支赤字(黒字)に等しくなる」

もちろん、簿記の記録ミスや漏れ(誤差脱漏)に何か特別な意味を考えようというエントリーなら話は別ですが。
要するに例えると、貯金1000万給料手取り35万のゲーム会社N勤務、最近髪の毛の代わりにちょっぴり鼻毛が増えてきたMさん(18)は7年連れ添った女と6歳になる娘と別れ、ちょっぴり荒れて引っ越したのを機にラブドールを40万円で買っちゃっり。その翌月には待ちに待ったP○4とソフトを実用、普及用、保存用、自慢用で40万使った。
その後も毎月40~50万近く使い続けたが半年後には落ち着き浪費はなくなったが、この人はもうォ㍗るってことですね。
自分は経常収支が5年・10年と赤字が続けば問題だと思ってましたが、考えが甘かったようです。
なし
「資本収支が4兆6090億円の黒字(流入)でした」とありますが、1兆5019億円の黒字(流入)の誤りでは?
また
「流入した外貨のうち3兆8504億円を外貨準備が吸収」とありますが、本年1月からの新表示方式において金融収支の数字は、資産増加(資金の流出)であれば+表示(従来は-表示)となるところ、2013年は+ですので、従来でいう資本収支が53,523億円の流入と外貨準備増38,504億円が相殺され15、019億円の流入、ということではないかと存じます
 資本流入の4兆6090億円というのは資本流入額として発表されている数字なので間違いはありません。
 同様に経常収支の3兆3061億円の黒字も、3兆8504億円の外貨準備の増加も、それぞれ別個に発表された数字なので正しいはずです。
 経常収支黒字と資本収支流入の合計7兆9151億円の外貨が流入しているのですが、使い道が外貨準備を増加させた3兆8504億円だけなので、差し引き4兆648億円の外貨が「日本から消えている」ことになります。

 国際収支統計ではこれを誤差脱漏として計上して、トータルがゼロになるようにしています。

 誤差脱漏とは、文字通り統計に出ない形 で資本が日本から流出していることで、目に見えない形の資本逃避が急増していることが暗示されます。
経常赤字が続くと問題ならアメリカはとうに破産しとるなw
国際収支の仕組みもしらないの?
失礼しました。確かに数字に間違いはありません。また私の3/30付コメント「2013年は+ですので」は「2013年は-ですので」の誤りです。
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