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オリンパス事件の光と影  その2

2014年02月26日

 オリンパス事件の光と影  その2


 もうすっかり風化しているオリンパス事件ですが、表に出ている「光」の部分ではなく、何かしらの理由で表には出なかった「影」の部分に注目すると、かなり世間の理解と違ったものになります。

 前回は、ウッドフォード社長(当時)が月刊誌FACTAに掲載された過去の不明朗な巨額買収について、これ以上は詮索しないことを条件に2011年10月初めにCEOを菊川会長(当時)から譲られたところまでを書きました。

 FACTAの記事はオリンパスの内部告発をもとに書かれたのですが、掲載された記事では過去からの巨額損失を暖簾(のれん)などの無形資産として「表に出した」ことは全く解明できておらず、その記事の翻訳を「誰か」から渡されたウッドフォードも、単純に菊川氏らが「懐に入れた」と思っていたようです。

 CEOとなったウッドフォードは「詮索しない」との約束を反故にして、今度は森副社長に翻訳させていた内部資料を、あろうことか独断で全く無関係のPricewaterhoue Coopersに持ち込み、その調査報告書をオリンパスの全取締役・全監査役、監査法人、顧問弁護士などにメールし、同時に菊川会長と森副社長の取締役辞任を勧告しました。

 ウッドフォードは、自分はCEOなので役員人事などオリンパスの全権を掌握していると信じ込んでおり、それにもとづく辞任勧告だったようです。まあ菊川会長はCEOの座を譲ったときに、その権限をあいまいにしたままだったのでしょう。

 さすがにここまでくると菊川会長も「ウッドフォードの野郎!」となって慌てて解任手続きに入り、2011年10月14日早朝の臨時取締役会で解任してしまいました。解任理由は「(先ほどの)会社の内部資料を独断で外部に流したこと」と「(役員に選任された同年6月以降の)取締役会への出席不足」で、解任そのものは「不当」でもなんでもなく完全に合法なものでした。

 ここで最大の謎は、解任された10月14日の前日である13日に、ゴールドマンサックスがオリンパス株を83万株も空売りをしていることです。当日の出来高は311万株で、終値は2482円でした。

 ゴールドマンはその後も売り浴びせを続け、空売り残が11月8日に最大の194万株となり、そのほとんどを翌9日に買い戻しています。9日の終値は何と584円で、不毛な計算ですが22億円もの利益が出ています。

 なぜゴールドマンはウッドフォード解任の前日に大量の空売りができたのでしょう? 解任前日の10月13日には、その取締役会のために来日していたウッドフォードを除く全役員が社外で「役員会の予行演習」をしており、ウッドフォードも察していたはずです。

 それではウッドフォードがゴールドマンに囁いたのでしょうか? そうかもしれませんが証拠がありません。しかし仮にウッドフォードが自分の解任を前日に漏らしていたとしても、それだけでゴールドマンがこれほど確信的に空売りできるほどの材料ではありません。別に実績もない社長の解任だけで株価が5分の1以下になるはずがないからです。

 オリンパスが過去の損失隠しを高山社長(当時)が公表したのが11月8日、株価の最安値が11月11日の424円です。ウッドフォードがゴールドマンに情報提供していたとすれば、それは自らの解任ではなく、その時点までに収集していた社内資料だったことになります。

 そうとでも考えないと、ゴールドマンの確信的な売り崩しと、見事に5分の1以下になった(そうはいっても収益力のある)オリンパスの株価の説明がつきません。本日(2014年2月25日)の株価は、アベノミクス効果があるにしても3315円です。この「明らかに疑わしい」ゴールドマンの空売りは、証券取引等監視委員会が完全に無視したままです。

 それからウッドフォード解任の直前に、ゴールドマンのアナリストがオリンパス株を「強い買い推奨」としていますが、これはたまたまでしょう。なぜなら空売りした自己勘定部門は、アナリストが顧客に何を推奨しているかなど「気にも留めていない」からです。

 最後にウッドフォードは2012年1月に「不当解雇」されたとオリンパスを英国労働審判所に訴え、同年6月に和解して1000万ポンド(当時の為替で12.4億円、現在の為替では17億円)を受け取っています。ウッドフォードの要求は4000万ポンドだったようです。

 1000万ポンドの根拠は、ウッドフォードが不当に解雇されたため「失った報酬」となっていますが、オリンパスの取締役任期は1年なので、ウッドフォードの年俸が1000万ポンドと認定されたことになります。オリンパスは解任の合法性も含めて「全く株主のために戦っていなかった」ことになります。

 キリがないのでウッドフォードとゴールドマンは終わりにします。

 次回は「オリンパスの損失はどのように膨れ上がっていったのか?」と「その過程で損失を拡大させたチャンピオンは誰か?」などです。


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コメント
すばらしい!
すばらしい! これからも大新聞に報道されてないことを教えてください。
>ウッドフォードも、単純に菊川氏らが「懐に入れた」と思っていたようです。

ウッドフォードは、成り上がり者だから財務諸表の仕組みが分からなかったのか?
やっぱり
話題は少し違いますが。やはりビットコイン、その後も時系列データの取得を試みましたがダメでした。
まあ、下記のニュース なるべくしてなった感ですね。


~~
やっぱり

~~

Yahoo!ニュース

ビットコイン取引所マウント・ゴックスのサイトがアクセス不能
ロイター [2/26 01:44]
2月25日、ビットコインの大手取引所、Mt.Goxは「当面、全ての取引を停止することを決定した」とする文書をウェブサイト上に掲載した。写真は模擬ビットコイン。ベルリンで1月撮影(2014年 ロイター/Pawel Kopczynski)
[東京/セントルイス 25日 ロイター] -25日からウェブサイトがアクセス不能となっている仮想通貨ビットコイン取引所、Mt.Gox(マウント・ゴックス)は同日、「当面、全ての取引を停止することを決定した」とする文書をウェブサイト上に掲載した。

「このところの報道、およびマウント・ゴックスの運営に対する潜在的な影響」を理由として挙げた。

文書はまた、「マウント・ゴックスは状況を注視しており、適切に対応する」としている。

東京に本拠を置くマウント・ゴックスは「異常な活動」が見られることを理由に今月に入りビットコインの引き出しの無期限停止を発表。25日にはウェブサイトが停止され、事実上消滅した状態となった。創設者の所在は不明、東京の事務所は抗議する利用者を除いてはもぬけの殻となっている。
マウント・ゴックスのマーク・カーペレス最高経営責任者(CEO)はこの日、マウント・ゴックスは消滅したのかとの質問に対し、電子メールで、「近く正式な発表を行う。マウント・ゴックスの事業は現在、転換期に差し掛かっている。他の関係者も関わっているため、現時点ではこれ以上のことは明らかにできない」と回答していた。

インターネット上で出回っている同取引所の「危機戦略」とされる文書によると、74万4000以上のビットコインが「鍛造性に絡む窃盗」により失われた。この情報が正確なら、世界で流通しているビットコインの約6%が失われたことになる。

また同文書によると、マウント・ゴックスの債務は1億7400万ドル、資産は3275万ドル。この文書が事実に基づいているかは確認はとれていない。
マウント・ゴックスは2010年にビットコイン取引を開始。ビットコイン取引所としては老舗で、ビットコインの利用促進団体「ビットコイン財団」の発足に関わった取引所の1つだった。

ただ同取引所に対しては、競合する取引所や損失を被った投資家などが、かなり前から安全面で問題があったと指摘。日本の当局は、仮想通貨ビットコインそのものではなく、マウント・ゴックスに問題があるとの立場を示している。

米財務省の金融犯罪執行機関連絡室(FinCEN)のスティーブ・フダク報道官は、「マウント・ゴックスに関する報道は承知している」と述べるにとどめ、これ以上のコメントは控えた。マウント・ゴックスに対する監督権限を有する米当局は、今のところFinCENのみとなっている。
また、ニューヨーク州金融サービス局のベンジャミン・ロースキー監督官は声明で、マウント・ゴックスをめぐってはなお不明な点が多いとしながらも、「消費者、および消費者が仮想通貨を扱う企業に託す資金の保護に向け、個々の事例に合わせた規制が重要な役割を果たす可能性があることが、今回の件で示された」とした。

ロースキー監督官は前月、仮想通貨を扱う企業に関する規則を発表する計画を示している。

日本の金融庁報道官は、ビットコインは金のように通貨の代用となるものではあるが「通貨ではない」とし、このためビットコインは金融庁の管轄下にはないとの立場を示した。
日本の財務省当局者も、ビットコインは財務省の規制対象ではないとの見解を示している

ビットコインの主要6取引所はマウント・ゴックスとは距離を置く内容の共同声明を発表。

「マウント・ゴックスのユーザーの信頼が著しく損なわれているのは単独企業の行為の結果で、ビットコインや電子通貨業界全体の価値を示すわけではない」と指摘した。6社はコインベース、クラケン、ビットスタンプ、BTCチャイナ、ブロックチェーンとサークル。

マウント・ゴックスのカーペレスCEOは23日、「ビットコイン財団」の理事を辞任。

同氏は前週ロイターに対し、「マウント・ゴックスに対してはさまざまな批判があるのをわれわれは承知しているが、できるだけ早い問題解決に向けあらゆる策を講じている」と述べていた。
ビットコインをめぐっては、複数の取引所が正体不明のハッカーから大規模なサイバー攻撃を受けるなど、技術的な問題が相次いでいる。

マウント・ゴックスが取り扱うビットコインは、同社が引き出しを停止する前の今月7日に828.99ドルで取引されていた。それ以降は83.7%下落し135ドルとなっている。これに対し、ビットスタンプで取引されているビットコインの価格は同期間に40.5%下落し、400ドルとなった。

ビットコイン財団は声明で、「マウント・ゴックスは複数ある取引所の1つで、同社の撤退は不幸なことではあるものの、新たな機会を創出している。この事例は、信頼できる個人やビットコイン・コミュニティーのメンバーが信頼できるサービスの提供を率先して行う必要性を示している」とした。


~~


巨悪
ソニーの件といい
まさに最凶?のユダヤカンパニー
疑問だらけ
・内部告発者は誰?
・巨額損失の原因は?
・監査役・監査法人の責任は?
・インサイダー疑惑で証券取引監視委員会が動かなかった理由
・東証が上場廃止を回避させた理由
・指南役らの裁判の行方と状況
・FBI裁判の行方と状況
・FBI関連でスクープ記者による続編がある?
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