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オリンパス事件の光と影  その3

2014年03月06日

オリンパス事件の光と影  その3


 今回は、そもそもオリンパスの巨額損失とは、いつ頃からどのように膨らんでいったのかと、その損失をどのように隠していたのか、などについてです。

 繰り返しですが、オリンパス事件とは2007年3月期~2011年3月期の有価証券報告書に年度ごとの純資産を416億~1178億円不正計上した金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で、法人としてのオリンパスと当該期間に代表取締役社長だった菊川氏ら3名(だけ)の有罪が確定したものです。

 つまりオリンパスの損失拡大や損失隠しは誰に本質的な責任があったのか、またその過程で社内外に「本当の犯罪行為」がなかったのかなどは一切無視され、単純に虚偽の有価証券報告書提出時の関連役員3名だけが罰せられた「形式犯罪」で終わっています。

 これではオリンパス事件の全貌が全くわかりません。

 ここからは複数の情報源から得た固有名詞・数字が一致している事実だけをもとに書きます。また「指南役」の裁判が2件進行中ですので、これらの裁判で争われている「事実」については控えます。ただこの「指南役」とは著しく世間に誤解を与えるマスコミの無責任なネーミングであることや、これら「指南役」の役割がはたして起訴事実の共謀に該当するのかについては、本誌の考えを入れることにします。

 さて、そもそもオリンパスが巨額損失を生む原因となった資金運用は、下山敏郎氏が1984年1月に代表取締役社長に就任した直後から始まりました。ただこれは当時の上場会社では別に珍しいことではありませんでした。

 オリンパスでは運用開始直後から損失が出ていたようですが、当時一般的だった特定金外信託(以下「特金」)による運用だったので「現金残高」として計上するだけでよく、その中身が50%以上毀損しなければ評価(実現)損を計上する必要もありませんでした。

 しかし1990年1月にバブルが弾け、損失額は1992年3月の時点では約500億円(実現損と評価損がだいたい半々)、1996年3月期には約900億円(内訳は同じようなもの)まで膨らんでいたはずです。

 ところが事件発覚後の2011年12月6日に発表された第三者委員会の調査報告書の本文11頁目下段「運用による損失の拡大」には、特金残高は(それ以前はなく)1990年3月期に約36億円、1991年3月期に約97億円、1992年3月期に約466億円と急激に膨らみ、1997年3月前までは約450億~470億円で推移したとの記述があります。

 また1995年当時には、含み損は数百億円に膨らんでいたとも書かれています。つまり第三者委員会とは委員長が元東京高検検事長、委員に元福岡高検検事長ほか弁護士、公認会計士6名で構成され、数十人の弁護士、公認会計士が補助者として参画していたにもかかわらず、特金残高も損失額も「全くいい加減」な報告書となっています。

 この辺りは時効なので重要ではないと考えたのでしょうが、事件とは最初から正確に理解しなければ全貌がわからないことは大物検事OBの先生方が一番よくご存じのはずです。これは先生方の能力に疑問を挟んでいるのではなく「もっと複雑な事情があり最初から落としどころが決まっていた」からであったと考えますが、このことについてはあとで書きます。

 それでは、これほど巨額の運用額と損失をどのように隠していたのでしょう?

 まず1992年3月の損失が500億円のはずなので、その時点までの運用額は常識的には500億円よりも大きいはずです。第三者委員会の報告書には1992年3月期の特金残高が466億円となっているのは、たぶん1992年3月末に正式に計上した残高としては正しいのでしょう。ということはずっと特金残高の大半を期末だけ「飛ばして」いたとも考えられますが、そもそも特金残高の大半を単純に計上していなかっただけのような気がします。

 そうだとすると証券会社の預かり資産確認書・信託銀行の運状況報告書・(借入金で運用していたはずなので)銀行の融資残高確認書などと、オリンパスが発行する有価証券報告書との辻褄が合わなくなるはずです。まあオリンパスが「誤魔化して」監査法人を含む全員が見落としていたのかもしれません。

 しかし実現してしまった損失は誤魔化せません。そこで毎年3月末に(あるいは中間決算の9月末にも)、その実現損に見合う実現益を無理やり計上していたことになります。その実現損は、損失額が約500億円となった1992年3月期にはその半分の250億円程度、損失額が約900億円に膨らんだ1996年3月には400億~500億円となっていたはずです。

 説明の途中ですので明日も続けます。明日はその「毎期末にどうやって無理やり実現益を計上していたのか?」と「そのオリンパスの弱みにつけこんで暴利をむさぼったのは誰か?」から始めます。


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コメント
風化させてはいけない
「臭いものに蓋」をした監視委員会の責任がありますね。
深く掘り下げて追及してください。
次回の記事興味深く楽しみにしてます。
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