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クリミア住民投票 ロシア編入を承認

2014年03月18日

クリミア住民投票 ロシア編入を承認


 本日(3月17日)配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」にもクリミア関連記事を掲載していますが、内容は違います。

 3月16日にウクライナ南部のクリミア自治共和国で住民投票が行われ、96.7%の圧倒的多数でロシア編入が承認されました。

 クリミアのロシア人は6割といわれているので腑に落ちないところもありますが、いったん独立を宣言したのち速やかにロシア編入手続きに入るようです。

 以下、あまり報道されていないポイントを記事にしました。

 クリミアのセバストポリにはロシア黒海艦隊が常駐しており、ロシアにとって軍事上の最重要地域です。

 ロシアがウクライナの親ロシア・ヤヌコビッチ政権に150億ドルもの巨額資金援助を約束していたことも、そこからかなりの金額がヤヌコビッチの懐に入ることを「見て見ぬふり」していたことも、すべてクリミアの軍事的価値のためだったはずです。

 そのヤヌコビッチ政権が倒れた瞬間に今回のシナリオができあがっており、真っ先に覆面軍隊を駐留させたと考えます。

 プーチン大統領とすれば、国際法違反といわれても経済制裁を警告されても、絶対に譲りません。躊躇なく編入するはずです。

 1853年に始まったクリミア戦争は、不凍港と地中海への出口を確保したいロシアがオスマン・トルコ領に侵攻したもので、クリミアのセバストポリを出港したロシア黒海艦隊が対岸のシノープを急襲してトルコ艦隊を全滅させました。ロシアの南下政策といいます。

 しかしクリミア戦争は、ロシアの南下政策を懸念する英国・フランス・サルディニア(後のイタリア)連合軍が介入し、ロシアの敗戦となりました。

 1854年に連合艦隊がセバストポリまで攻め込んだとき、ロシア軍は軍港に軍艦を沈めて連合艦隊の侵入を防ぎました。160年後の今回もロシア軍は巨大な退役軍艦をドヌズラフ湾に沈めてウクライナ艦船を封じ込めており、全く同じ行動をとっています。

 要するにクリミアは、ロシアにとっては執念で守るべきところなのかもしれません。

 オバマ大統領は「米国と国際社会は絶対に認めない」と息巻いており、最新の報道では実際にEUとともに経済制裁に踏み切ったようです。

 日本でも菅官房長官が「ウクライナ憲法に反しており、我が国(日本)は承認しない」と追随していますが、経済制裁に加わるかどうかは難しい判断となります。

 ただEUもIMFも米国も、1400億ドルともいわれる巨額対外債務を抱えるウクライナを本気で支援するつもりは毛頭ないため、日本はうかうかしているとIMFに巨額資金協力を求められてしまいます。

 IMFは財務省にとって最高級の天下り先で、民主党政権時にも欧州債務危機対策としてIMFに600億ドル(当時の為替でも5兆円)も気前よく資金協力しています。当時も「まさか」と思っているうちに協力してしまいました。

 そうすると今回のクリミアでは、ロシアの1人勝ち、米国とEUは痛み分け、日本だけが1人負けとなってしまいます。

 しかし冷静に考えると、ある国の1部が「ある朝突然に」別の国になったわけで、比較的珍しいケースとなります。国が2つ以上に分裂することは珍しくありませんが、別の国に編入されてしまうケースはあまり記憶にありません。

 ロシアの自治共和国であるチェチェンやイングーシなどは、20年以上も独立を求めていますが認められる可能性はありません。しかし逆にグルジアにあるアブハジアや南オセチアなど親ロシア地域が、ロシア編入を求めることはあるかもしれません。

 クリミアのロシア編入が覆るとは思いませんが、その影響は読み切れません。


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コメント
ウクライナ情勢、日本は「調停者」と成り中国の機先を制せ
■ウクライナ情勢、日本は「調停者」と成り中国の機先を制せ

●クリミアの住民投票でロシア編入賛成派が圧勝した事を受け、クリミア&ロシア対ウクライナ新政権との軍事衝突の可能性がある。
●これを避けるためには、調停者が必要となるが、安保理常任理事国が当事者のため国連は機能せず、これまで沈黙を守ってきた中国が調停者として浮上する可能性がある。
 これは中露の紐帯を強めるため、日本としては断固阻止しなければならない。
●日本は一応西側のスタンスを取ってはいるが、実質上の調停者となる資格は十分にあり、北方領土問題を優位に進めるためにも、プーチンとクリミアの地位の落とし所を今から腹合わせしておくべきだ。
●同時に、中国が今回のクリミア問題を材料に尖閣、沖縄収奪計画の正当化を図って来るため、日本はこれらとクリミアの違いを歴史的、法的、状況的に峻別し説明する準備をしなければならない。

◆クリミアの大義◆
16日、クリミア自治共和国と、これに隣接するロシア海軍基地のあるセヴァストポリ特別市でロシアへの編入を問う住民投票が行われ、編入賛成派が圧勝した。
ウクライナ新政権は、クリミアの離脱は憲法違反としており、独自の国軍の編成を図っているクリミア及びロシアと軍事衝突する可能性がある。

プーチンの腹は何処にあるのか明確ではないが、セヴァストポリの海軍基地恒久使用を担保する事により戦略上の目的の大半は達成出来る上、クリミアの併合は国際政治上のリスクだけでなく経済的にも大きな負担となる(3000億円とも言われる)ため、クリミアの「高度な自治」で妥協する余地がある。

クリミアは元々ロシアの領土だったものを、ソ連時代に主に行政上の理由でウクライナに帰属させた経緯があり、ロシア系住民が大半を占める事、ウクライナ新政権からロシア語を公用語から除外する等の差別的決定、迫害の危険も加えて、住民投票によるウクライナからの分離独立は歴史的、国際法的、状況的に応分の正当性がある。

これらの点が、中国の尖閣、沖縄収奪計画と一線を引く要素であり、日本はクリミア調停に乗り出すと共に、この違いを更に明確に国際社会に説明すべく、事実確定、理論構築、広報・外交戦略を組み立てねばならない。

◆北方領土へ◆
昨秋クレムリンで行われた安倍・プーチンの第2次安倍内閣発足後初会談において、プーチンは日露通行条約が締結された1855年産のワインを供した。
この条約は、日露国交発足であると共に、南千島のみならず樺太の言わば日露共有を謳ったものだった。

ここに、柔道家プーチンが得意とするダブルミーニングの謎掛けがある。
「この謎を破って、もっと踏み込んで来い。」
「でなければ、ロシア国民の手前、落とし所の糊白が作れないではないか。」

北方領土問題の解決は、端的にいえば日本が出すシベリア開発資金の金額と、幾つの島を何時交換するのかに尽きる。

「国際的大義を伴う長期的国益の追求」
外交の要諦は、万古不変だ。

この原則の下にある限り、今回のクリミアを巡るロシア、米国、EU、中国のパワーゲームに、安倍総理はもっと踏み込んでよい。
米国の米国による米国のための日本
ソ連は日ソ中立条約を米国の依頼により破りましたし、サンフランシスコ講和条約を中韓に無視(米国の誘導?)され竹島・尖閣(角栄の密約)の侵略を許し、逆に中韓に煽られ靖国参拝を一緒になって批判し始めた米国は、いよいよTPPも念頭に日米安保破棄の脅しをかけてきました。おまけに上院軍事委での尖閣有事出動承認なども予算不足で実行できないとのコメント付きです。キッシンジャーの実質的米中同盟以来の地すべり的日本軽視をもう隠しません。罠としての核武装誘導かどうかの見極めも必要ですが集団的自衛権もすでに時代遅れな迷惑なのでしょう。日韓、日中、日露の協定・平和条約は現状が示すとうり残念ながら守られないことが前提で米国も日本抑止に動きます。いっそのこと正式に委任統治領を目指せば?それも迷惑?小泉・安倍路線は近いと見えましたが、米国からは相当異なるようです。米国で煙たがられる安倍さんがジャンセニストと言われる背景など教えて頂ければと思います。それでも米国依存しかない日本は、TPPと財政破綻みとうしでどうなるのでしょうか。
たしかに96.7%という数字は腑に落ちませんね。高すぎます。ただ、わざわざしなくてもいい不正をして、欧米につけ込むスキを与えるとも考えにくいです。

今後ですが、ロシアとしてはクリミア編入する一方、
今のウクライナへの援助を絶って経済破綻させ、現政権の支持がなくなった段階で、ウクライナ政権に親露政権を打ち立てるというストーリーでしょうね。
ロシアの思惑通りいくかどうかは、欧米がどこまで強硬にいくかで決まると思いますが、そもそも欧米は落としどころをどうするつもりなのでしょうか。
「天然ガスの輸入停止」のカードはさすがに使わないと思いますが。
96.7%
クリミアのロシア人でない人たちは、選挙で勝てる見込みがないので最初から棄権していて、賛成の人たちだけが投票するので高い数字になったということらしいですよ。
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