闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

2月の経常収支は5か月ぶりの黒字 しかし巨額の誤差脱漏は何だ?

2014年04月10日

2月の経常収支は5か月ぶりの黒字 しかし巨額の誤差脱漏は何だ?


 昨日(4月8日)発表された本年2月の国際収支統計では、経常収支が6127億円と5か月ぶりの黒字となりました。1月は1兆5890億円と史上最大の赤字だったのですが、昨年4月からの累計では6735億円の黒字となるので、2013年度の通年(昨年4月~本年3月)では辛うじて赤字転落は免れそうです。

 過去の経常収支は、2010年度が17兆9736億円、2011年度が7兆9194億円、2012年度が4兆2233億円と、それぞれ黒字ではあるもの急減していました。

 経常収支とは、貿易収支・サービス収支・所得収支・移転収支(第二次所得収支と呼び方が変わっています)の合計で、政府と民間を加えたすべての対外経済活動の結果、資金(外貨)が流入したか流出したかを表します。もちろん流入は黒字、流出は赤字です。

 2月は貿易収支が5334億円の赤字、サービス収支が1934億円の赤字、所得収支が1兆4593億円の黒字、移転収支が1199億円の赤字で、合計すると6127億円の黒字となり、それだけ資金(外貨)が海外から流入していたことになります。

 国際収支統計では経常収支とともに金融収支が集計されますが(本年1月から集計方法が変更になっています)、これは政府と民間を加えたすべての対外金融取引の結果、資金(外貨)が流入したか流出したかを表します。

 居住者が海外資産を取得すると金融収支は赤字(資金の流出)、処分すると黒字(流入)となり、海外投資家が国内の資産を取得すると金融収支は黒字(流入)、処分すると赤字(流出)となります。

 2月は、居住者が海外中長期債を1兆1177億円それに海外株式を3283億円それぞれ処分(資金の流入)しており、海外投資家が日本株を1556億円処分それに外貨準備の増加が5805億円(それぞれ資金の流出)あったものの、合計では7319億円の黒字(資金の流入)となりました。

 つまり2月は経常収支が6127億円の黒字、金融収支も7319億円の黒字、少額なので説明は省きますが資本移転等収支が42億円の赤字、合計では1兆3403億円の黒字つまり資金(外貨)が流入していたことになります。

 ところが国際収支統計では合計がゼロになるはずなので、計算の合わない1兆3403億円は誤差脱漏として計上されています。

 つまり2月は、統計に表れない「何だかわからない資金」が1兆3403億円も海外に流出していたことになります。

 1月は経常収支が1兆5890億円の赤字(流出)でしたが、金融収支が1兆4720億円の黒字(流入)、資本移転等収支が58億円の赤字だったので、誤差脱漏は1227億円だけでした。1月は「何だかわからない資金(外貨)」が1227億円流入していたことになります。

 誤差脱漏とは単に資金決済までの「時間のズレ」とも考えられますが、2013年通年(1月~12月)でも4兆638億円もありました。つまり2013年も通年で「何だかわからない資金(外貨)」が4兆638億円も流出していたことになります。

 経常収支が赤字になることも、それを補うために金融収支が黒字になることも問題があります。金融収支の黒字とは、居住者が海外保有の資産を売却するか、外貨準備を取り崩すか、海外投資家に国内資産を取得してもらうことを意味します。

 米国のように(日本など)海外投資家が紙切れのドルと紙切れですらない米国国債を「黙って」取得してくれれば問題はありませんが、現在の日本はわざわざ円が弱くなり金利(投資収益)が低くなる金融政策を継続しているため、誰も「黙って」円や日本国債を取得してくれるとは思えません。

 そこで実体価値のある不動産や株式を外国人投資家に売り渡すことになり、居住者が海外資産を売却することと併せて「日本が貧しくなる」と書いたのですが、本日の「何だかわからない資金(資本)」の巨額流出は、明らかにそれ以前の問題です。

 同じように(資金が流出しているといわれる)中国の状況を心配する前に、日本の足元で「何だかわからない資金(外貨)」が巨額流出していることを理解しておく必要があるのです。


Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:5 | TrackBack:0
関連記事
コメント
「居住者が海外資産を取得すると金融収支は赤字(資金の流出)、処分すると黒字(流入)となり」とありますが、新方式では対外純資産の増を+表示しますので、「黒字」「赤字」を+-で仰っているなら逆ですよね? 結論で仰っていることに違和感はありませんが、途中ミスリードする文章になっている気がします
 結局、貿易収支が大事であるということとおもいます。しかし、円がそれなりに弱くないと貿易の復活は難しいですから、矛盾してるように感じます。
毎日見てます様

経常収支に合わせて金融収支も「資本流出」を赤字、「資本流入」を黒字と書いたのですが、ご指摘の通り新方式では対外純資産の増加をプラス、逆をマイナス(黒三角)で表しますのでややミスリーディングだったかもしれません。プラス・マイナスと書くべきなのでしょうね。
「非居住者は日本の何を買っているのだろう」ということで、(足元はわかりませんが)2012.12末→2013.12末の1年間の海外部門による日本の金融資産の保有状況の変化を日銀資金循環の金融資産・負債残高表で見ますと、海外(非居住者)が保有する日本の金融資産は約100兆円増。内訳を見ますと貸出が約30兆(現先等で20、農林水産金融機関への貸出が10程度)の他は株式・出資金で70兆増えていますので、どこかの株が外国人に買われているということでしょうかね(資金循環ではどこが買われているかは不明)。ただ同時期、国内の主体が保有する対外金融資産も121兆円増えてますので純資産は20兆程度増えてますが。日本の対外資産は直接投資を除けば長期債が主と考えますので、いざとなったら「払わねえよ。そんなの」と言われるかもしれない債権を買いつつ、株とかを買われているという構造でしょうか。
なにか根本が間違っていると思います。 国際収支は0になる様に定義されています。
つまり 「経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0」が国際収支です。

例えば100億円分の物資を輸出すれば
 「経常収支(100億円)+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏(-100億円)=0」となります。
海外の株を50億円分購入すれば、
 「経常収支+資本移転等収支-金融収支(50億)+誤差脱漏(50億円)=0」となります。

これはIMFが決めた単なるきまりで、誤差脱漏は国際収支が0になる為の数字上の辻褄あわせです。
「何だかわからない資金」ではもなければ「巨額流出」もしていませんのでご心配なく(笑い)
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム