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祝上場! 西武ホールディングス

2014年04月24日

祝上場! 西武ホールディングス


 本日(4月23日)、西武ホールディングス(以下「西武HD」)が東京証券取引所第1部に再上場しました。2004年12月に上場廃止になって以来、9年4か月ぶりの再上場となります。

 4月21日配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」にも過去の経緯をかなり詳しく書いています。本日の記事は少し重複しますが「今後」についての記事です。

 西武HDは上場に際し、発行済み株数の8.13%に相当する27,826,000株を1株=1600円で売り出し、新株発行は行いませんでした。

 本日の取引は、寄り付きが売り出し価格と同じ1600円で、直後に1565円まで売られましたが、徐々に買い戻されて1770円の高値引けとなりました。出来高は売り出し株数の約半数の13,846,200株もありました。

 終値で計算した時価総額は6055億円で、電鉄会社では東急の8137億円、近鉄の6806億円、阪急阪神の7056億円、小田急の6559億円に次ぎ第5位に相当し、東武鉄道の5377億円、京浜急行の4638億円、京王電鉄の4621億円などを上回りました。また本日の電鉄株全般は総じて上昇となっています。

 さて、とりあえず祝上場!と書いたのですが、同時に西武HDの後藤社長ら現経営陣にとっては「気の休まらない」日々が始まったことになります。

 そもそも西武鉄道(当時)は、堤義明会長(当時)の資産管理会社であるコクドやプリンスホテルら上位10位までの持ち株比率が上場廃止基準の80%を大きく上回っていたにもかかわらず、1億株以上を12000人もの従業員らの名義を借りて上場を維持していたため、2004年12月に有価証券報告書の虚偽記載(大株主の状況や株主構成など)で上場廃止となりました。

 ワンマン経営者の堤義明会長(当時)は同容疑で逮捕されたのですが、その混乱に乗じてメインバンクのみずほコーポレート銀行(以下「みずほ銀行」)が後藤高志副頭取(現・西武HD社長)らを送り込み、取締役会を支配してしまいました。

 後藤社長は西武鉄道、コクド、プリンスホテルなどを合併させて持ち株会社化し、同時に1600億円もの資本を外部から導入し(ついでに3200億円もあった貸付金をせっせと回収し)、堤義明氏の持ち株比率を14.95%まで薄めて影響力を奪ってしまいました。

 ここでずっと「蚊帳の外」に置かれていたのが1000億円(持ち株比率32.4%、コストは1株=919円)も出資したサーベラスでした。いつまでたっても出資金を回収する機会が訪れず、経営合理化案を株主提案しても取り上げられず、とうとう昨年の株主総会前にTOB(1株=1400円)で持ち株比率を引き上げ、同時に独自の取締役候補を擁立する株主提案を行いました。

 結果的にTOBで持ち株比率は36.48%まで引き上げられ、株主総会で重要議案を否決できる33.4%以上を確保してしまいました。また株主提案は否決されました。

 ところが再上場の際の売り出し価格が1600円となったため、サーベラスは「低すぎる」と一切の売り出しを取り消し、再上場後も36.48%の大株主のままです。また「すっかりおとなしくなっていた」堤義明氏も、資産管理会社のNWコーポレーションは14.95%の大株主のままです。

 今回の再上場で農林中央金庫、政策投資銀行、UBS証券など、後藤社長にとって「身内」だった株主が売り出してしまいました。みずほ銀行の持ち株は2.08%に過ぎません。つまり再上場後は、後藤社長(みずほ銀行)とサーベラスと堤義明氏の三つ巴の争いが始まることになります。

 サーベラスは1株=2000円以上となれば市場で売却するようですが、株価が低迷すれば「株主としての行動」を起こすはずです。また堤義明氏も基本的には売却意向ですが、混乱に乗じて会社を掌握していた後藤社長とみずほ銀行は「大変に憎い相手」なので、サーベラスと共同歩調を取ることも考えられます。

 ただ西武HDの2014年3月期の予想純利益は最近下方修正されて163億円となり、時価総額トップの東急の500億円に比べて「かなり見劣り」がします。

 つまり「サーベラスの持ち株比率を引き下げるだけが目的」だった再上場が、「身内の持ち株比率だけを引き下げてしまった」後藤社長ら経営陣にとって、株価も株主の変動も「毎日気にしなければならない」再上場を果たしてしまったのです。

 この辺りを頭に入れて明日からの株価をみてください。


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コメント
西武が上場廃止となったのに、オリンパスが上場廃止を免れたのはなぜなのでしょうか。西武の有価証券報告書虚偽記載は大株主情報が虚偽だっただけで財務諸表自体に虚偽表示があったわけではなく、長年粉飾決算をしていたオリンパスの方が悪質なように思われるのですが。
確かに西武鉄道(当時)が上場廃止で、オリンパスが上場維持なのは釣り合いが取れませんが、こういう当局(東証や証券取引等監視委員会を含む)の決定は「おかしいものだらけ」です。まあ西武鉄道は「当局や関係者」の意向が上場廃止で、オリンパスは「当局や関係者(とくに三井住友銀行)」の意向が上場維持だっただけの話です。

近々こういった「おかしいものだらけ」を記事にしてみます。


闇株新聞編集部
リソー教育のように虚偽記載を行わなかったら上場廃止となっていた可能性がある企業が上場維持できるのも不思議ですね。
虚偽記載による上場廃止となる目安をざっくりとでいいので示していただけると投資家にとって非常に有益な情報となると思います。第三者委員会のメンバーを見よ等判断材料をまとめて記事にしていただけるとありがたいです。
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