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日経平均と10年国債利回り

2014年05月08日

日経平均と10年国債利回り


 連休明けの本日(5月7日)、日経平均は424円安の14033円と、本年最安値(終値)である4月14日の13910円に接近してしまいました。

 前日のNY株安(129ドル安)、ウクライナ状況の悪化、タイの混乱(インラック首相の失職)、円高(101円台半ばですが)などが理由として挙げられていますが、あまり決定的なものではありません。

 もう少し広い視点で考えてみます。ただ本日は何かしらの結論に到達しそうにありませんので、あらかじめご了承ください。

 大雑把な数字ですが日本株式は、平均PER22倍、PBR1.4倍、配当利回り1.8%、それに10年国債利回りは0.6%です。

 日本株式の予想PERは14倍ですが、実績ベースだと(集計方法によって少し違いますが)22倍です。日本では常に予想収益が楽観的に出されているので注意が必要です。

 米国株式は、PER17倍、PBR2.7倍、配当利回り1.9%、10年国債利回り2.6%、ドイツ株式はPER14倍、PBR1.8倍、配当利回り2.8%、10年国債利回り1.5%、英国株式は、PER18倍、PBR2.0倍、配当利回り3.6%、10年国債利回り2.6%となっています。

 日本株式の指標が米国・ドイツ・英国(以下、「先進国」)の株式と「それほど違っていない」にもかかわらず、10年国債利回りが「かけ離れて低い」ことが改めてわかります。

 日本の10年国債利回りは「異次元」量的緩和で人為的に低く抑えられているとも考えられますが、同じような量的緩和は米国でも英国でも行われており、また最近の米国では量的緩和が縮小されていますが国債利回りが特別上昇しているわけではありません。

 つまり一般的に10年国債利回りは、中央銀行の買入れにより利回りが低下することは否定できないものの、やはりその国の経済全体の投資収益を反映していると考えられます。

 日本を含む先進国の国債は、基本的に元本リスク(クレジットリスク)がないため利回りが最も低くなり、それに投資対象(貸出や不動産投資や株式など)の元本リスクに応じて利回り(予想収益)が上乗せされます。

 日本の10年国債利回りが他国に比べて「かけ離れて低い」ということは、日本におけるすべての投資対象はそれぞれのリスクに応じて利回り(投資収益)が上乗せされるものの、やはり投資収益は総じて「かけ離れて低い」ことになります。

 日本の投資収益が「かけ離れて低い」ということは、日本株式のPERが高く、配当利回りが低くてもよいことになります。しかし日本を含む先進国の株式市場は国際比較されるため、実際に各国株式市場の指標は「それほど違っていない」ことになります。

 それでは日本の投資収益が先進国の間で「かけ離れて低い」にもかかわらず、日本株式の指標が「それほど違っていない」ということは、どこかに大きなギャップが潜んでいることになります。日本の投資収益が「かけ離れて低い」ということは、日本の企業業績水準も賃金上昇率も経済成長率も「かけ離れて低い」ことになってしまうからです。

 もちろん日本の株式市場とは、日本全体の企業のなかでも収益力が高く、より高い収益が見込める海外に進出している企業の「集合体」ですが、それは他の先進国でも同じです。

 そう書くと日本の10年国債利回りが低すぎるだけで、消費者物価が上昇するので(消費税分を含めると3~4%になるはず)利回りが上昇してギャップが解消すると考えられるはずです。

 しかし日本で円安や便乗値上げや消費増税による消費者物価上昇があっても、「かけ離れて低い」投資収益が改善するわけではありません。つまり日本の投資収益が改善しなければ企業収益も改善せず賃金も上がらず、10年国債利回りが上昇することもありません。

 円安や便乗値上げや消費増税による物価上昇は、単に消費者の負担増となっているだけで、いずれ消費者物価の上昇分は剥げ落ちてくることになります。

 つまり日銀の「異次元」量的緩和で10年国債利回りが「低すぎる」ところにギャップが潜んでいるわけではないはずです。じゃあどこに潜んでいるのかは、もっともっと考えてみる必要があります。

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コメント
結局、政治が頼りないと言う事でしょうか?
日本改造
失敗を許さない日本社会が日本人を委縮させ、適材の非適所化、事なかれ主義、既得権執着、進んでは少子高齢化を招いているのが最大の原因でしょう。

だからと言って行き成りの終身雇用制破壊は、失業者が巷に溢れさせる。
非正規のレベルアップ、待遇改善を中心に善き雇用流動化のロードマップを描く必要がある。
さっぱり理解できない。
それにそもそも「日本株式」とは何を指示しているの?
225? topix? 新興市場も含めてんの?
「アメリカ株式」とは何を指示しているのだろう?
等々...。
そのあとの論旨の流れもさっぱりついていけない。
文中PERにつぃて
通常は、目先52週、或いは今期、予想PERが株価指標として用いられていると思います。ここでも、その方が受け入れられやすいかと思いますが、いかがでしょうか。その違いは、議論の内容にそれほどの影響があるとも思えず、より実態を表す方がいいとの立場もあると思いますが。
日本のPER検討
PERの逆数は、(予想)利益÷株価となりますが、DCF法として考えると、(予想)利益÷(割引率-成長率)=株価となります。よって、日本の株価が割安であるのは、他の先進国と比べ、成長率が低い(もしくはマイナス)であることと理解しております。具体的に日本のPERが14倍ということは、1÷14倍=7.1% 7.1%-0.6%(リスクフリーレート)=6.5%となり、これが(リスクプレミアムー利益成長率)となります。
米国はPER17倍なので、1÷17倍=5.8% 5.8%-3.2%=2.6%となり、これが(リスクプレミアムー利益成長率)となります。仮に両国のリスクプレミアムが同一と仮定すると、日本が米国より、年率3.9%程、成長率が低いとマーケットが判断していることとなります。
追加
ただ、リスクプレミアムは、将来性がないということではなく、不確定性の程度であるため、日本の企業が、アメリカの企業に比べて、IT業界での起爆発性で見てとれるように将来への振れ幅が悪い意味で小さいということで、1%位はアメリカの方がリスクプレミアムが高いのかもしれません。そうすると、日本が米国より年率2.9%(=3.9%-1%)程度成長率が低いと思われているのかもしれません。日本の生産労働者人口は年率で幾何平均ベースで2010-2060年において約1%程減少する(社会保障・人口問題研究所)ので、日本がマイナス1%、米国が+1.9%成長としているのかもしれませんね。また、生産労働人口はマイナス1%でも、高齢者比率が高くなることによるマイナス効果も別途あるため、日本はマイナス1%超の評価となっているかもしれません。
日本国債わ国内資金で大部分が消化出来た.仮にギリシャなどように海外資金に依存するようになれば0.6パーと言う金利でわ買わない.国内資金が枯渇し日露戦争じにユダヤ金融ジェイコブシフに購入してむらったが今たのべばいくらぐらいの金利を要求されるのか想像できない。いえることわ欧米の金利より高い金利を要求される。
 日本語特化の国民性と、貯金依存による日本独特の文化にあるのではないでしょうか。

 前記は、先進国のほとんどは英語圏であり、それ以外でも外国投資に余り抵抗がない国民性と思われます。 それに比べ日本人の中流階級(下流?)は、日本語以外を流暢に使う人間は少ないですし、外国投資にはリスクを怖がる傾向にあります。

 後記は、先進国のほとんどは預金よりも投資、または消費に回す国民性の方が強く感じます。対して日本では預金に回す国民性が強い国と感じます。銀行でさえ日銀に預け続け投資を積極的に行いません。

 結果、外国に投資せず国内投資に集中し、国内でも預金に集中しているので、投資商品の供給より、需要が極めて高くなり利率が他の先進国より下がるのではないでしょうか。

 それらが、ギャップにつながっていると思うます。

 
コメントを頂いた皆様へ

たくさんの貴重なご意見ありがとうございます。
近々反映させて頂いた記事にまとめたいと思っています。

引き続きご意見をお待ちしております。

闇株新聞編集部
私が間違っているのかもしれませんが。
確かにPERの逆数は企業利益になり、配当原資になったり、株価上昇に結び付いたりします。
配当原資をどうするかは社長が決めるので、株主が実際にもらえそうな配当利回りを基準に置くのが良いと思います。成熟社会では成長はあまり無いでしょう。
株式配当利回り=国債金利+リスクプレミアム他
1.8%=0.6%+リスクプレミアム他
日本のリスクプレミアム他は1.2%です。
同様にリスクプレミアム他を計算すると、
米国:▲0.7%
独:1.3%
英国:1.0%

日本のリスクプレミアム他は他国並みです。
米国が成熟社会に移行するならリスクプレミアム他がマイナスというのは異常値かギャンブル好きな国民性を表しています。恐らく、金利が上昇し、株価は下落し配当利回りは上昇するでしょう。米国が成長社会を保てるか正念場です。
米国発恐慌には注意が必要と思います。
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