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証券取引等監視委員会・特別調査課の「仕事はじめ」?

2014年05月21日

証券取引等監視委員会・特別調査課の「仕事はじめ」?


 本日(5月20日)付け日本経済新聞・社会面トップに「投資顧問会社・プラザアセットマネジメント(東京・港区)が運用していた2つのファンドの資産価値がゼロになった結果、少なくとも14の厚生年金基金で計106億円の損失が生じていることが厚生労働省の調査でわかった」との記事がでました。

 久々の当局から出た「事件化するためのリーク記事」のようです。

 「事件」そのものは、プラザアセットが米国の生命保険流通市場で運用するファンドの資産がゼロになったものの、その事実を隠したまま新たな運用資金の勧誘を行っていたものです。

 まあ生命保険流通市場とは人の命がやり取りされる「とても日本人が太刀打ちできる世界」ではなく、ましてや「年金運用の対象としてふさわしい」はずがなく、さらに直感的には運用の失敗というより「どこかで資金が消滅している」と感じますが、本日のポイントはここではありません。

 実は2013年6月25日に証券取引等監視委員会が「投資一任契約の締結またはその勧誘に関し、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」が法令違反にあたるとして、プラザアセットに対し行政処分を行うよう金融庁に勧告していました。

 それを受けて金融庁は同年7月2日にプラザアセットに対し「業務運営方法の見直し・再発防止・責任の所在の明確化・投資家保護について同年8月1日までに書面で報告せよ」との業務改善命令を出していました。

 冗談みたいな話ですが、たったこれだけの処分でした。

 それではそこから10ヶ月以上も経過した本日になって、なぜ「事件化するためのリーク記事」が出てきたのでしょう?

 同じ証券取引等監視委員会のなかで犯則事件の刑事告発を担当する特別調査課が「ほぼ容疑を固めた」からと考えます。「こんな悪質な事件を我々(特別調査課)は頑張って摘発しているのですよ」と宣伝するためのリーク記事です。

 ところが特別調査課とは、証券取引等監視委員会409人の定員のなかで104人を占める「大所帯」でありながら、平成25年度の刑事告発がわずか3件しかありませんでした。

 その3件とは「イー・アクセス社員のインサイダー取引」「セントラル総合開発の株価操縦」「電子掲示板を悪用した風説の流布」でした。

 平成24年は4件ありましたが、そのうち2件は証券調査課が定期検査で「たまたま見つけた」AIJ投資顧問とアイティーエム証券の事件で、特別調査課の「独自調査」で事件化したものは2件だけでした。

 刑事告発されるような「悪質な事件」は少ない方がよいではないか?と思われるかもしれませんが、本誌が今まで何回も取り上げたものの「何か事件化できない事情があるのだろう」ともう諦めた昭和HDの架空増資事件(2013年11月5日付け同年12月10日付け記事)や、最近でも無罪放免となったリソー教育事件(本年2月20日付け記事)など、書ききれないほど多数の「悪質な事件」があるにもかかわらず、奇怪にもその大半が放置されたままです。

 この状況下で刑事告発すべき事件が、平成24年度に4件(実質2件)、平成25年度に3件しかなかったはずは絶対にありません。

 それはそうとして特別調査課がこのプラザアセットを、刑事告発の今年度の「仕事はじめ」に選んだようです。それではなぜ昨年すでに行政処分が出ているプラザアセットを「仕事はじめ」に選んだのでしょう?

 最大の理由は「簡単に有罪に持ち込める」からでしょう。証券取引等監視委員会はその前身も含めて1995年以降164件の刑事告発を行っていますが、公判中の数件を除いて全て有罪判決が出ています。大半が悪意の立証が不要な形式犯罪だからです。

 つまり双葉山の2倍以上の連勝記録(有罪判決)を途絶えさせないことが最優先であり、プラザアセットは「その心配」がないのでしょう。

 あとは同じように海外で1300億円が消滅したMRIインターナショナル事件は当然に事件化できないので「似たような事件」を取り上げる必要があったとか、厚生労働省管轄の年金資金が毀損した事件なのでGPIFの運用委員を勝手に一新してしまった(注)埋め合わせであるなどが考えられますが、いずれにしても経済事件とは悪質な順番に事件化しているわけではありません。

(注)年金や郵貯・簡保は厚生労働省の管轄ですが、最大権力を持つ旧大蔵省が常に支配下に入れたいと狙っています。証券取引等監視委員会の実体は検察庁に奪われたままですが組織上は旧大蔵省(金融庁)の支配下にあり、事件化には旧大蔵省と検察庁の意向(省益)が優先されます。本件は「厚生労働省に少しサービスしておこう」だと思います。

 この辺りを頭に入れて、今後のニュースに注目していてください。


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コメント
契約の偽計?
NHKなど一部は報じていないので、当局リークではないはずです。当局として第2のAIJと再び騒がれると都合がわるいからでしょう。だから一部マスコミにたいした問題じゃないと吹き込みき記事にさせないのでしょう。マスコミも当局の垂れ流しを鵜呑みにして問題を隠蔽する片棒を担がされているわけです。

驚くべきは今朝の朝日新聞です。見出しは106億円損失、プラザが運用失敗としていて当局に配慮しているのもうかがえます。
朝日の記事によると、金融庁が昨日の答弁でライフセトルメントファンドの金額を合計289億円と把握しているわけです。日経などが報じている厚労省が聞き取り調査し14厚生年金基金106億円というのはこの一部です。とすると差し引き183億円分、厚生年金基金以外の投資家がいるってことです。企業年金基金、地銀、事業法人が考えられます。約300億円の資産が消失した大事件では。

プラザが実際運用しているわけではなく、海外ファンドに投資する国内私募投信を設定しています。海外ファンドが失敗したと当局に説明しています。果たして運用の損失なのでしょうか?不正の可能性も否定できないと思います。
別のファンドでは実際米SECにファンドの創業者らが不正に資金を流出させたとして告発、逮捕されています。
行政処分
長くなるので分けます。昨年の行政処分が軽すぎると言う点は同感です。海外ファンドの運用がすでに行き詰まっていたのに、投資判断上重要な事実をふせて勧誘を続けた。AIJ同様、契約の偽計もありえたのえはないかと。当然行き詰まっていたのを知っていたわけですから。
海外ファンドに占める日本の投資家のウエートが大きいです。これは日本の投資家がプラザを通じてそれなりに集まったことを示しています。ヤクルトなどが財テクで投資していたプリンストン債事件、第2のクレスベール証券東京支店のような見方もできます。

ご指摘の通り、異常なまでの微罪です。検査で海外ファンドの実態把握が不十分だった可能性があります。
行政処分後、翌月以降海外ファンドが0になったのは偶然でしょうか。しかも2ファンドも。別のファンドでは不正が発覚。プラザが海外ファンドとぐるだったらアウトでしょうが、ぐるでないしてもみる目なかったオオバカということでしょう。結果的に顧客資産の大半を0にしたのですから。

本記事の通り、特調が刑事告発して、捜査当局を介入させて真実を明らかにしてもらいたいものです。それが投資家保護でしょう。誰のために仕事しているの、マスコミの皆さん。
↑の不正のあった別ファンドは表現正しくありませんでした。正確には投資一任契約に基づく組み入れで私募投信は設定されていません。投資一任契約はなんでもできてしまいますね。
「何か事件化できない事情があるのだろう」某企業に
証券取引等監視委員会・「特別調査課」の元トップが
「社外監査役」として「天下り」した方がいるようです。
なんとも不思議ですね。
明らかに「何か事件化できない事情があるのだろう」某企業である昭和HDとウェッジHDについては、まさにご指摘のポイントを含め「あきれるような事情」がまだまだ山ほどあります。

もう「事件化しない」と諦めていたのですが、近々改めて取り上げることにします。

両社とも「都合の悪い事実は巧みにIRしないで隠す」会社なので、ご存じの事実があればどしどしコメントでお寄せください。


闇株新聞編集部
石山Gateway
他にも沢山あるんだけど、中々立件されないだ。
「日本の上場企業」のうち「反社」企業や「ハコ」企業などに金融庁OBやら証券取委OBやら国税庁OBやら はたまた警視庁OBやヤメ検,政治家やらがいる場合ほぼ確実に立件しません。そういう体質なのです。
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