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みずほ銀行のシステム障害

2011年03月22日

みずほ銀行のシステム障害

 日本中が地震による悲惨な被害と、それに伴う不便に耐えているときに、何ともお粗末な出来事が起こっていました。

 みずほ銀行が、地震直後の3月14日からシステム障害を起こしてATMの使用や振り込みなどが出来なくなり、回復できないまま事態は悪化し続け、とうとう週末の18日には116万件で8300億円を超える未処理が残ってしまったのです。
 三連休のうちに何とか処理して休み明けの22日には正常にすると言っていましたが、すでにその計画も遅れ、給与振り込みなど他行に依頼するなどと言い出しています。
 みずほ銀行と言えば、2002年4月の合併直後にも大規模なシステム障害を起こしたことがあります。

 そもそも、なぜ銀行が今も各種規制に守られ、特に経営が傾いたときに公的資金(つまり国民の税金)で救済する必要があるかというと、全て国民の経済活動に不可欠な「決済機能」を独占的に扱っているからなのです。

 経営が傾いた原因がどんなに銀行経営の馬鹿な判断によるものであっても、銀行がいくら預金が集まっても全く貸し付けに回さず日本経済がどん底になっても、タダみたいな預金金利で膨大な国民の利益をかすめ取っても、どんなに行員の給与水準が高くても、また為替デリバティブなどの詐欺的商品を顧客にすすめて取引先が破綻しても、全て不条理に許されているのはこの「決済機能」が国民経済にとって不可欠だからなのです。

 その「決済機能」が損なわれたということは、銀行の存在価値が全く無くなったことなのです。

 銀行には、この「決済機能」と並んで重要な、貸し出しを通じて国民経済を活性化させるという「信用創造機能」があるはずなのですが、とっくに放棄しています。
 平成23年2月末現在の全国銀行119行の実質預金総額が567兆円(前年同月比2%増)あるのに対し、貸し出し総額が414兆円(前年同月比1.8%減)となっており、実に150兆円以上の資金が余剰なのです。「信用創造」どころか大規模な「信用収縮」を行っているのです。

 それでは、「決済機能」だけでもしっかりしてくれ、と言いたいのですがこの有り様です。
「決済機能」だけなら、あんな高い人件費の人間をたくさん雇っておく必要もなく、あんな一等地の店舗も必要ないのですが、そんなに金をかけて「決済機能」ひとつまともにできていないことになるのです。

 言うまでもないことなのですが、具体的な問題は、週末を控えて給料の振込が無かった以外に、取引先への支払いが出来ず信用問題になったり、入金がされず手形決済が出来なくて、その結果倒産に追い込まれたりするなどの深刻なケースが出てくるのです。

 今回のシステム障害についてみずほ銀行は、「特定の口座で想定外の取引が集中した」と暗に地震支援金の振り込みが集中したことを原因としています。しかし銀行のシステムは、平常時に比べてはるかに大量の取引が集中した場合を想定して作られているはずなので、多分経営陣が理解できないような原因があり、もっともっと深刻な事態になることも考えられるのです。

 多分、システムの現場からは、以前から問題点が指摘されていたのだと思います。しかし、それを経営陣が理解できなかったのか、余計な金がかかるので無視したのか、そもそも「決済機能」は銀行だけのものなので問題が起こっても顧客は逃げようがない、と思ったのか分かりませんが無視されたのでしょう。

 ここで思うのは、同じく規制に守られた独占企業である東京電力の原発事故に際しての不手際と、全く根本は同じなのです。
 みずほ銀行も、独占でこそありませんがメガバンクは三つしかなく、今後競争相手は減ることはあっても増えることはまずありません。

 こういう恵まれた環境下にある企業では、経営陣は顧客を第一に考えるということは全くなく、常に与えられた特権の中で自分の保身しか考えていないのです。そもそも原発現場や銀行システムのメンテナンスなどは大半下請会社に任せており、経営陣は理解すらできていないので、的確な判断など出来るはずがありません。

 経営というものは、常に激しい競争にさらされ、一番現場や業務を知っている経営陣が上に立たなければならないのです。東京電力もみずほ銀行も、そうでないからこういうことが起きるのです。そして何時もそのつけを支払わされるのは、顧客と現場にいる一般社員(下請会社を含む)なのです。

 以下の記事も御参照下さい。
1月14日付け「日本の銀行について」
1月27日付け「ここにもあった銀行のあこぎなやり方」
2月3日付け「野村証券社長の話」  その1
2月4日付け「野村証券社長の話」 その2

「野村証券社長の話」は、もちろん銀行の話ではありませんが、現場から遊離した社長が出てくると企業は迷走する、という典型例です。

平成23年3月22日

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