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何がバブルで、何がバブルでないのか? その2

2014年08月01日

何がバブルで、何がバブルでないのか? その2


 昨日付け「同題」の記事にコメントをいただきましたので、もう少し続けます。

 記事の中では、国債の価格が極端に上昇する(利回りが極端に下落する)状態をバブルと呼んだのですが、株式や不動産をバブルと呼ぶことに比べてやや違和感があったかもしれません。

 株式や不動産をリスク商品、国債を安全商品と区別しているからですが、国債でも残存年数が長い「長期国債」は立派なリスク商品であり、そのリスクに見合った「上乗せ金利」が極端に縮小すれば(要するに長期国債の利回りが極端に低下するということですが)、やはりバブルとなります。

 同じようにリスク商品である社債や新興国の国債などは、発行体の信用状況に応じた「上乗せ金利」が極端に縮小すれば、やはりバブルとなります。

 あくまでも投資リスクがなく純粋な安全商品は現金だけで、それに預金や短期金融商品(例えばMMF)や残存年数が短い国債なども含まれます。現在では残存年数が3年くらいまでの国債も安全商品と見なされていますが、10年以上の国債は決して安全商品ではありません。

 現在の債券市場の最大の問題は、この「長い残存年数に応じた上乗せ金利」と、社債や新興国の国債など「発行体の信用状況に応じた上乗せ金利」が極端に縮小していることで、やはり立派なバブルとなります。

 コメントをいただいていますが、じゃあJ-REITはどう考えればよいのでしょう? 

まずJ-REITは(他国のREITも同じですが)、国債や社債のような純粋な金利商品ではありません。あくまでも外部負債でレバレッジをかけて不動産で運用する投資信託で、金利裁定が働きません。つまり配当が高いJ-REITが「割安」とは限らず、長期的に修正されるとも限りません。

 だいたいレバレッジの掛け方によって表面的な配当はいくらでも高く設定でき、あくまでも組み入れ不動産の収益力など「運用の稚拙」が問われます。つまりJ-REITを利回りで比較することは「間違い」なのです。

 日本の長期国債に話を戻しますが、株式や不動産や海外投資や貸付などのリスクがとれない資金が、大挙して長期国債に向かっているというのも「違和感」のある説明です。「長期国債」つまり残存年数という立派なリスクを取っているからです。

 じゃあこのバブルはいずれ弾けて、長期国債利回りは急上昇するのでしょうか?

 よく日銀が「異次元」に長期国債をも買い入れているので利回りが急低下しているといわれます。しかしいくら日銀が「異次元」に買い入れても、市場が近い将来に貸し出しなどの資金需要が増加すると考えていれば、極端な低利回りが持続するはずがなく、さらに低下することは「もっと」ありません。

 つまり長期国債の利回りが最近のようにさらに低下を続けている理由は、日銀が「異次元」に買い入れているからではなく(昨年4月からほとんど同じペースで買い入れているので新たに利回りを低下させる効果はないはずです)、市場の日本経済に対する見通しが「悪化」していることに外なりません。

 米国でも資産買入れ(QE3)が本年1月から縮小されていますが、米国10年国債利回りは年初の3%から、直近では2.5%まで低下しています。それだけQE3縮小(本年10月に終了)の影響で、米国経済の見通しが「やや悪化」しているためと考えられます。

 つまり日本の長期国債バブルは、日本経済に対する見通しが「急激かつ劇的に」改善しない限りは弾けません。つまりかなり長期にわたって弾けることはないと考えます。

 じゃあもう1つの社債や新興国の国債などの「発行体の信用状況に応じた上乗せ金利」のバブルはどうでしょう?

 これははっきりと「今にも弾けそうなバブル」で、すぐにでも逃げだすべきと考えます。

 日本企業の発行する社債は、日本経済の見通しが「悪化」している中で「上乗せ金利」が縮小することは、はっきりと矛盾しており、同じように米国経済をはじめとする世界経済の見通しが「悪化」しているとすれば、新興国の国債の「上乗せ金利」が縮小することも、大いに矛盾しているからです。




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コメント
市場が操作出来ないよって公正に値段がきめられていると考えているのですね.私わユダ金が決めていると思っています。
趣旨とは異なる話にコメントを頂き、有難うございました。
世界経済の先行きに関しての見通しや現状の債券市場への警鐘に関しては、御社の考えを理解致しました(また、賛同致します点も多々ございました)。

ただ、2点ほど付記させて頂きます。
○世界的な超過剰流動性の中で、新興国も含めました金利低下が進んでいる事は、確かに構造的にはバブルと云えるかもしれません。
しかし、一方で、リスクオフと云う概念から、債券が買われる状況も存在します。地政学リスクも含めました、リスク判断の中で、各々の金融商品の(目先の)リスクと国債(長期金利と云う)リスクの相対的な評価が行われると考えます。「質への逃避」の結果、金利低下という状況もございますので、この点を踏まえますと、バブルというには少し事情が異なるのかな、と考えます。

○日銀の国債買入れが1年以上継続しているので、足もとの金利低下への需給面での説明にはならないとのご判断ですが、国債市場には償還資金も存在します。大量の償還資金が存在した場合、新たに国債購入を図ろうにも、「玉不足」であれば、需給面によるタイト化圧力になります。

長期金利は、確かに「今後の経済見通しを反映したもの」でありますが、そうは言っても金融商品であり、市場における変化要因は多岐にわたると考えます。
ご指摘の、現状の債券市場の見方につきましては、賛同しております。
長々と失礼致しました。
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