闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

スコットランド独立を問う住民投票が近づく

2014年08月21日

スコットランド独立を問う住民投票が近づく


 スコットランドが英国からの独立を問う住民投票が9月18日に迫っています。

 「そんな簡単なものかなあ?」と思うのですが、スコットランドは住民の投票で独立賛成が過半数をこえると、2016年3月にも独立してしまいます。

 つまり「一発勝負」なのです。

 しかもここに来て独立賛成派が追い上げており、直近の世論調査では独立賛成が42%、反対が46%、態度未定が12%と、全く予断を許しません。どちらかといえば独立賛成はスコットランドの年配者に多く、俳優のショーン・コネリーはその代表です。

 スコットランドは1707年に英国に統合されました。その歴史的背景を説明すると長くなるので別の機会にしますが、もし本当に「独立が決まってしまったら」どうなるのかを考えてみましょう。


その1)英国王室はどうなる?

 現在の英国王室(スチュワート家)のルーツは、もともとスコットランドです。1603年にスコットランド国王・ジェームズ6世(エリザベス1世に処刑されたメアリー・スチュワートの息子)が、英国王ジェームズ1世として即位しており、1707年に英国に統合されるまでは同君統治でした。

 これは同君統治に戻ることになります。

 現在の英国王・エリザベス2世が、スコットランド国王・エリザベス1世(過去のスコットランド国王にエリザベスがいないため)となり、バッキンガム宮殿とエジンバラ城に交互に滞在することになります。当然ですが英国王室はスコットランドでも大変に敬愛されています。


その2)通貨はどうなる?

 現在でもスコットランドでは独自通貨のスコットランド・ポンドが流通しています。英国ポンドも流通していますが、逆にスコットランド・ポンドを英国(例えばロンドン)で使おうとすると、まず拒否されます。また日本に持ち帰っても両替できません。

 つまりスコットランド・ポンドは、英国ポンド(だけ)と等価で交換されているのですが、スコットランドが独立すると「外国通貨」となるため、英国ポンドあるいは世界の他通貨との交換レートは変動することになります。

 常識的にはスコットランド・ポンドが英国ポンドに対して減価するはずですが、スコットランドは独立すると当然のように北海油田の領有を主張するため(もちろん大もめになり武力衝突もあるかもしれませんが)、ノルウェー・クローネのような資源通貨として上昇するかもしれません。

 ただ現在のスコットランド・ポンドはRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)などの3行が発行する民間紙幣です。もちろん「それなりの資産」を準備資産としているはずですが、RBSは経営破綻して実質国有化(もちろん英国政府に)されているため、結構ややこしいことになります。

 とりあえずは早急にスコットランド中央銀行を設立して、RBSら3行から発行紙幣(負債)と準備資産(何だかわかりませんが)を切り離す必要があります。

 じゃあ英国ポンドはドルやユーロに対してどうなるのでしょう?

 そうはいっても英国経済から530万人のスコットランド人が「独立」してしまうため、国が小さくなり「かなりのポンド安」になるような気がします。


その3)スコットランドはEUに加盟できるのか?

 そもそも英国そのものが2017年に「EU離脱」を問う国民投票を予定しています。その前の2015年春には英国総選挙があり、キャメロン党首の保守党が敗れれば(たぶん敗れます)国民投票もキャンセルされるはずです。

 スコットランドのEU加盟は、スコットランドが希望し、所定の手続きをへて欧州理事会が承認すれば(ただし全会一致が必要)加盟できます。

 同じように財政赤字やインフレ率の基準をクリアすればユーロに加盟することもできますが、その前にERM(現在はERM2)に加盟してスコットランド・ポンドを一定期間、ユーロに対して上限2.25%の範囲に維持させるなどしなければなりません。


その4)それではスコットランドは、本当に独立するのか?

 住民投票で賛成が過半数を上回ってしまい、英国だけではなく同じような独立希望地域を抱えるスペインなども含め、ユーロッパ全体が大騒ぎになるような予感がしています。

 その住民投票まで、あと1カ月を切りました。


Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
関連記事
コメント
独立の損得
自治のスコットランド議会も認められ、たしかブラウン首相も輩出していると思いましたが、独立投票にEU離脱・加入が絡み厄介な事態で、ウクライナといい歴史が動き出したのでしょうか。カナダもよくケベック州独立投票で1パーセント差とかになりますが、結局知恵が働き愚行を避けています。北海油田も枯渇は早いとも言われていますし、大英帝国と利益のありすぎた一体化(分割しずらい)をし、その金融の重要な部分を担ったスコットランドがそんな知恵のない愚行をするとは考えにくいです。したらいい見せ物ですし、(欠陥金融経済組織EUを離脱する)英国よりあのEUを選択するのでしょうか。アングロサクソンのUNITED国家の思想・体制には他には決して見られない経験と知恵と民主主義と王室があるはず。レベルはだいぶ下がりますがスペインでも独立した方の国が困るだけです。是非韓国には以前から燻る日本との経済断交をしてもらいたいものですが、エレキはとっくにコモディティでそろそろ部品も日本以外でもだいたい調達できそうという見込みがあるようです。しかしロイズの再保険がかけられない国が、東芝が下請けの原発を中東で作っていいんですか?・・・・・・いいんですと請けた東芝は韓国と心中か?
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム