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日本円が国際化しない意味

2014年08月27日

日本円が国際化しない意味


 昨日付け「人民元が国際化する意味」の続編ですが、その昨日の記事に正確ではない部分がありましたのでお詫びして訂正させていただきます。

 ロシアが大量の米ドル売り・香港ドル買いを持ち込んでおり、それがハンセン指数を押し上げていると書いたのですが、香港上海銀行など香港の発券銀行がロシアの香港ドル買いに応じて香港ドルを発行すると必ずそれに見合う米ドルを買い入れなければならず、計算上はロシアが売却した米ドルを買い入れるため差し引きでは香港に資金は流入していません。

 つまりそれでハンセン指数が上昇していたわけではありません。

 さて本題ですが、自国通貨が国際化する(基軸通貨化するともいいます)意味を考えてみましょう。

 実物資産である金(きん)と同じように、ドルは国際通貨(基軸通貨)として世界中で抵抗なく受け取られ、交換され、保管(貯蓄)されています。つまり世界中どこでも単なる紙切れであるドルの価値が疑われていないことになります。ドル高になるかドル安になるかは全く違った概念です。

 このドルはFRBの永久債務であり、FRBは償還(返還)義務がありません。確かにFRBの資産には米国債やMBS(住宅ローン担保証券)がありますが、別にドルを持っていても担保の住宅を引き渡してくれるわけではなく、要するに「紙切れ」です。

 「そりゃ米国だから大丈夫だよ」と世界中が納得しているだけです。昨年4月に出版した「闇株新聞 the Book」には、もう少し理論的に解説してあります。

 最近はさすがにドルだけだと不安なので「一部はユーロにしよう」となり、ユーロもドルに次ぐ国際通貨(基軸通貨)となりましたが、間違ってもアルゼンチン・ペソやブラジル・レアルやトルコ・リラなどは国際通貨とはなりません。誰もその価値を(あるいはその価値が維持されることを)信用していないからです。

 それでも日本ではブラジル・レアル建てやトルコ・リラ建てなどの投資信託が溢れかえっています。販売している証券会社や銀行(それもメガバンク)の常識が「世界標準から大きく遊離している」ことになります。

 自国通貨が国際通貨(基軸通貨)であることのメリットは、世界中から財やサービスを「紙切れ」で買えることですが、同時に世界中にその「紙切れ」が蓄積されることになり、その運用のために自国の国債も世界中で買われます。国債ももちろん「紙切れ」です。

 つまり自国通貨が国際通貨(基軸通貨)となるメリットは計り知れないことになります。

 中国は1994年に人民元をドルに対して大幅に切り下げ(1ドル=5.4人民元から8.7人民元に)そこからドルに実質固定し、2005年からドルに対して緩やかに切り上げました。本年に入って少し方針変更したようですが「人民元は確実に値上がりするもの」とのイメージを世界に植え付けました。

 そして近年は、昨日も書いたように原油や天然資源を大量に輸入する中東や中南米や豪州に「人民元で受け取れ」とゴリ押しして認めさせ、最近もロシアへの経済制裁の隙をついてロシアからの天然ガスも人民元で決済しようとしています。

 中国政府も人民元の国際化(基軸通貨化)のために、このような努力をしているのです。

 それでは、最近は貿易赤字が定着し、国債残高が膨らみ続ける日本では、円の国際通貨化(基軸通貨化)は最優先で取り組むべき「国家プロジェクト」のはずです。

 しかしマネタリーベースを際限なく膨らませて円の価値を毀損させる金融政策を続ける国の通貨(円)が世界中で喜んで受け入れられるはずがなく、同じ円建ての日本国債が世界中で買われるはずがありません。日本国債の利回りが低いことは問題ではありません。

 2%の物価上昇目標も円の価値を2%ずつ減価させる政策に外ならず、円の国際化を妨げます。だったら「円を毎年2%ずつ上昇させる」とでも宣言すれば、世界中から日本国債が買われるはずで、弊害が目立つ日銀「異次元」量的緩和などは必要がなくなります。

 円はせっかく2年前の70円台から100円台まで円安となっているので、ここから年間2%くらい円高になってもまだまだ円安です。円安でも貿易収支が改善するわけではなく、むしろ円高と円の国際化のメリットを考えるべき時期に来ています。

 円安になると株高になるというのも決して健全な考え方ではなく、長い目で見れば緩やかな円高こそ外国人投資家の日本株買いを増やすような気がします。誰も指摘しませんが、「異次元」量的緩和を含むアベノミクスは、見直すべきタイミングに来ているのです。


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コメント
金の問題わ面白い話がかけます,日本政府保有する金わつい最近まで日銀の地下金庫にあると思っていましたが実わ独と同じ敗戦国の為米国あるそうです.独わ米国のことだから何をするかわからないという事で返還を要求しました.日本政府わしません。ニクソンショックで金兌換が停止になりました.米国の現在保有金わ極秘なのでわかりませんが極めて少ないかも.日本政府の金も怪しいです。
昨日の記事といい目から鱗の記事でした。日本では円安になり経常黒字が増えるどころかマイナスになっていています。赤字国債の発行額がこんなに多いと、いずれは国債の消化も難しくなるというのも本当かもしれませんね。「「異次元」量的緩和を含むアベノミクスは、見直すべきタイミングに来ている」というのは本当に納得です。市場にはさらなる緩和を求める向きもあるみたいですが、政府や日銀はきちんとこのことに気づいているのでしょうか。
アメリカの倉庫には莫大な金があるはずが、ガイトナー前財務長官は見たことがないと言っています。
どこにあるんでしょうか。
一つの推論があります。韓国には莫大な外貨準備があると言われていますが、日本政府に頼んでスワップなどで信用を肩代わりしてもらわなければ、ウォン安に歯止めがかかりません。なぜでしょう。
そんなあるのか無いのか分からない韓国の外貨準備の残高に米国が目くじら立てないのはなぜでしょう。
基軸通貨米国ドルは米国最大の既得権です。米国ドルは日本が支えになっていると旧ソ連は分析していました。日本円が基軸通貨となることを米国は全力でつぶしに来ます。
オバマは、対ロシア制裁で中国に袖にされて、日本を少子化ですりつぶしてしまってはダメだと分かったと思います。
アメリカがドルを基軸通貨とすることに成功したために世界で勝手なことをしているのを黙って見ているだけではなく、日本国政府もいつまでも「円」をローカレル・カレンシーに甘んじることのないように期待しています。
 円安の黒字サイクルは、実生活による堅実な加工貿易を目指すもの、だからすぐに効果はでないでしょう。 小手先の金融は日本には合わない。
 まあ、最低限ゆるやかな好景気(所得インフレ?)を続けないと意味ないわけですが、あのタイミングで増税するようでは好循環も生まれません。

 国際化させる最低限の条件として、強力な軍事力は必須です。「困ったらルールを変える発言力」は軍事力がすべてです。円の国際化を仮に実現したとしても、口先だけでは、長続きしません。
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