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たいへん姑息な短期国債利回りのマイナス誘導

2014年09月16日

たいへん姑息な短期国債利回りのマイナス誘導


 本日(9月15日)配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」でも簡単に取り上げたのですが、割合重要なことなのでもう少し詳しく解説します。

 先週から短期国債利回りがマイナスになっています。

 具体的には9月9日と12日に日銀が市場から短期国債(3か月物と6か月物)を買い入れたとき、マイナス0.004%の基準金利を提示してマイナス0.01%まで買い入れたようです。買入れ額は1回あたり2500億円ほどでした。

 また9月11日の3か月物短期国債入札(発行額5兆円)では、平均落札利回りは0.0028%(発行価格99.9993)だったのですが、一部はマイナス利回りでの応札があったようです。

 報道では「国債の人気が高くマイナス利回りでも買いたい投資家がいる(朝日新聞)」などピント外れのものもありますが、実態は日銀と財務省による大変に安直で安上がりで、しかも大きな矛盾を抱えた「追加異次元緩和策」です。

 その目的は、金融緩和が一層浸透したように見せかけ、株高にして2回目の消費増税を年内に決定(実施は来年10月から)してしまうためですが、同時に円安にする意図もあるかもしれません。株高はともかく円安は日本経済に弊害しかありませんが、実際にマイナス利回りのニュースで円安に作用したようです。

 日銀と財務省がヒントを得たのは9月4日のECB追加金融緩和で、ECBから銀行に貸出す上限金利を0.4%から0.3%へ、基準金利を0.15%から0.05%へ、銀行からECBに預ける下限金利をマイナス0.1%からマイナス0.2%へ、それぞれ0.1%ずつ引き下げました。

 これはユーロ圏では、ECBへの預金やリスクのない短期債への投資利回りなど「短期金利全体」がマイナスになったことを意味し、ドイツ2年国債利回りもマイナス0.07%となっています。これは単純なゼロ金利政策よりも貸出し増加などに効果がありそうで、何よりもユーロが大きく下落しました。

 日銀の黒田総裁は元大蔵官僚で、完全に財務省に協力して2回目の消費増税決定に全力で邁進しているのですが、早速これに「飛びついた」ようです。

 仮に3か月物の短期国債をマイナス0.01%で2500億円買い入れたとしても、日銀の損失は625万円です。それくらいで金融緩和が一層浸透したように見せかけて株高や円安が加速し2回目の消費増税が決定されれば「安いもの」です。

 さらに日銀が短期国債をマイナス利回りで買い入れれば、それよりもはるかに金額の大きい新規発行の入札もマイナス利回りになり、財務省とすれば「国債発行益?」まで出るかもしれません。まさに良いところだらけのマイナス利回り誘導です。

 ところがこの安直な方法には大きな矛盾があります。それは日本の金融市場はユーロ圏と違って短期金利全体はマイナスではなく、また絶対にマイナスにできないことです。

 ECBがマイナス0.2%にした下限金利に相当する日銀当座預金への付利は0.1%です。日銀当座預金とは日銀が銀行から国債を「異次元」に買い入れても、その代金を支払わずに預かっておくものです。

 9月10日現在、日銀は短期国債を含めて233兆円の国債を保有していますが、自己資金に相当する日銀券は86兆円しかなく、残りを151兆円の当座預金でファイナンスしています(細かい項目は省きます)。

 その当座預金に0.1%という気前の良い金利を支払い151兆円を繋ぎ止めています。日銀が本当に短期金利水準をマイナスにするなら、この当座預金への付利もマイナスにしなければなりません。

 そうすると、この151兆円は「あっ」というまに消えてしまい(銀行が引き上げてしまい)、日銀はこれ以上国債を「異次元」に買い入れる資金がなくなるだけでなく、すでに買い入れた国債まで市場に売却しなければならず、国債市場が大パニックになってしまいます。

 2回目の消費増税決定のための安直で安上がりな短期国債利回りのマイナス誘導は、外部負債(日銀当座預金)が大きく膨らみ完全にヘッジファンドとなった日銀の財務基盤が、大きく揺らいでしまう矛盾を抱えています。

 まあ同じ旧大蔵省である金融庁が、傘下の銀行に「当座預金への付利をマイナス0.1%にするが残高は1円も減らしてはならず、今後も日銀の国債買入れに応じたときはその資金はすべて当座預金に積み上げること」とでもいえばよいだけで、本当に短期金融市場全体にマイナス金利が定着してそれなりの景気刺激効果があります。

 そうなったら銀行は預金金利をマイナスにするかもしれないので、それも禁じる必要がありますね。


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コメント
進行中のプロジェクト
過去の事例に照らして、
IMFは、罠に落ちた国家の自主独立の財政権限を奪い取り、あたかも多重債務者を
食い物にする悪徳貧困ビジネスのごとく、国際金融が独立国家を国ごと合法的に収奪
できるようにする目的をもって設置されたものと思われます。
このような機構へ日本国民は、関わるべきではないので、資金を提供したり、人を
送り込むこともすべきではないと考えます。
それを行っている日本の財務省とは、いったい日本国民にとって何者なのでしょうか。
現在進行中の日本の政治/財政と金融のプロジェクトの行く先に、このIMFの支配者
の意図を強く感じます。
説明が詳しく大変わかりやすいです。トウトウ失敗を隠すために責任逃れをするために窮地を打開するため効果の無いあとさきを考えない神風特別攻撃作戦発動.目指すわアルゼンチン。もう問題解決方法わディフォルトだけ。国民わ玉砕の覚悟をしなければなりません。
金融機関は所詮財務省の犬であって、マイナス金利にしてあっという間に引き上げるなんてあり得ませんよ。報復が恐くて絶対に引き上げたりしません。
NHK=アベノチャンネル
読売新聞=CIA
産経新聞=統一教会
毎日新聞=創価学会
日本経済新聞=CSISユダヤ米国対日謀略機関
朝日新聞は、ユダヤ金融資本に従属しないから
罵倒されるのか?統一教会の霊感商法を最初に
報道したから、批判されるのか?統一教会の
合同結婚式で、韓国に渡った日本人女性
6500人が、行方不明なのに何故安倍晋三は
無視するのか?拉致問題は、統一教会の
自作自演でしょ!国民を馬鹿にするのも大概にせい!
マイナス金利
日銀が、ここで出して来たか、という感じです。もっとECBのマイナス金利導入の時と同じように、大々的にぶち上げると思っていました。管理人さんが指摘されたように積み上がった日銀の当座預金とその付利とマイナス金利の整合性を突かれると、説明に窮するので、ひっそりマイナス金利にしたのでしょう。
私はこのマイナス金利は追加緩和に匹敵する策だと思います。
借金して事業している積極的な会社に援護射撃になります。
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