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FRBの「利上げ」の意味

2014年09月17日

FRBの「利上げ」の意味


 9月16日~17日に米国の金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。現在行われているFRBの資産買入れ(QE3)が月額100億ドル減額されて150億ドルになり、次の10月28日~29日のFOMCでゼロになることは確定的です。

 最大のポイントは「資産購入終了後も相当の期間(considerable time)事実上のゼロ金利を維持する」との従来の表現から、「相当の期間(considerable time)」が削除されるかどうかで、数多くのエコノミスト・Febウォッチャー(このような専門家もいます)・評論家などが固唾を呑んで「この1点だけ」に注目しています。

 FOMC終了後にイエレン議長の記者会見もありますが(毎回あるわけではありません)、このような一語一句だけを単純に捉えて市場が動くことは(動くと思います)決して健全なことではありません。

 別に資産買入れ(QE3)が終了したからといって、その次に金融引き締め(つまり利上げ)があると決まっているわけでもなく、いまから来年のどのあたりで利上げするのかを議論することは、あまり建設的ではありません。

 FRBが唯一示唆していることは「資産買入れが終了したあとは、その買い入れた資産を売却することや(つまり出口戦略や)、その前段であるFRB保有債券の償還分乗換えを停止するよりも早く、利上げを行う」だけです。

 つまり資産買入れが終了したあとに万一景気が過熱してインフレ懸念が出てくると、債券市場ではFRBが保有する4.2兆ドルの債券が売却されるとパニックになってしまいます。

 そこでFRBは保有債券を売却しなくても済むように「2.8兆ドルのReserve Balances(日銀当座預金残高に相当)への付利を現在の0.25%から引き上げて、その残高が減らないようにするので保有債券が売却されると心配しなくてもいいですよ」と市場を安心させているのです。

 このReserve Balancesへの付利の0.25%とは政策金利であるFF金利の上限で、これを引き上げることがまさに「FRBの利上げ」となります。

 このFRBの債券市場への「配慮」に対し、数多くのエコノミスト・Fedウォッチャー・評論家などは、単純に最後の「利上げを行う」だけを取り上げて大騒ぎしているのです。

 FRBは直近で4.2兆ドルの保有債券に対して自己資金であるCurrency(ドル紙幣)は1.3兆ドルしかなく、その差額は傘下の銀行から預かったままの2.8兆ドルのReserve Balancesで賄っています。もちろんこの2.8兆ドルは銀行のものでFRBのものではありません。

 ちなみに日銀は直近で233兆円の保有国債に対して自己資金である日銀券が86兆円しかなく、その差額は151兆円の日銀当座預金で賄っています。もちろんこの151兆円も銀行のもので日銀のものではありません。

 つまりFRBと日銀は「恐ろしく似たヘッジファンド」なのです。

 ところがFRBのリーマンショック以降の資産買入れとは、すべて国有化したFNMAとFHLMCの経営を立て直して収益化させるために、市場でダブつくMBSを吸収して長期金利を引き下げて住宅市況を改善させることが「真の目的」でした。

 そのような意味では米国政府とFRBは一心同体ですが、FNMAとFHLMCに投入していた公的資金をすっかり回収し終わったため、次の「真の目的」は住宅市況を再び落ち込ませないこととなります。それが米国経済にとっても最も重要なことだからです。

 ところが住宅ローン市場ははっきりと低迷しており、決して予断を許す状況ではありません。あくまでも本誌の直感ですが、Reserve Balancesの付利を0.25%から引き上げてFRBが保有するMBSや長期国債が市場に売却される状況を避けるよりは、利上げそのものを回避してすでに低迷している住宅ローン市場が一層低迷する事態を防ぐほうが、はるかに現実的のような気がします。

 FRBの金融政策とは、景気全般やNY株式や雇用情勢のためではなく、100%住宅市況のためです。そう考えると利上げは大変に「考えにくい」となります。

 ちなみに日本政府(旧大蔵省)と日銀(黒田総裁)も一心同体で、日銀の金融政策は100%消費増税のためなので、追加量的緩和は「十分ある」となります。また安直な短期国債利回りのマイナス誘導も、日銀当座預金への付利(0.1%)と矛盾する大変に危険な政策です。


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コメント
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不動産が絶不調ですがなにかてこ入れありますかね?
世界ニワブラジルロシアなど金利が高い国がある一方日本など低金利国が在る理由がわからない。サブプライム問題がなぜおきたかを忘れまた再び起こさない為ニワ利上げが必要。貧乏人が経済対策の為に金利を下げ頭金をなくし住宅購入をさせる事わ歪んだ結果となる。英のBuy to Letが例.金利上がれば支払い不能となる。
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