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こういう投資信託にご用心!

2014年10月01日

こういう投資信託にご用心!


 本日(9月30日)まで募集期間だったので記事を控えていましたが、たいていの投資リスクには免疫が備わっている本誌でも「躊躇」したくなる投資信託が販売されていました。

 日興アセットマネジメントが設定・運用し、東海東京証券などが販売する「グローバルCoCo債ファンド」なる追加型投資信託です。お決まりの毎月分配型で新興国を含む各国通貨からコースを選んで為替ヘッジの有無も選択できるタイプのようです。

 販売手数料や運用報酬やスイッチング手数料(選択している通貨や為替ヘッジの有無を変更する際の手数料だと思います)がべらぼうに高額であることは改めて書くまでもありませんが、問題はそこに組み込まれるCoCo債です。

 CoCo債とはContingent Convertible Bondsのことで「偶発転換社債」と訳されています。発行体である金融機関が新しい自己資本ルールであるバーゼル3に対応するためにトリガー条項がつけられた債券です。

 トリガー条項とは、自己資本比率があらかじ定められた水準を下回った場合や、当局が発行体を実質破綻状態であると認定した場合に発動されるもので、そうなればCoCo債は普通株式に強制転換されるか元本が削減されることになります。要するに投資家の損失になります。

 営業資料の中には各タイプの債券のインデックス(ドル建ての平均利回りのようなもの)が紹介されおり、世界国債(平均格付けAA)が1.3%、投資適格社債(A)が2.5%、金融機関の期限付劣後債(Aマイナス)が3.2%、同じく永久劣後債(BBB)が3.7%、ハイイールド社債(Bプラス)が5.7%、そしてCoCo債(BBプラス)が6.2%となっています。

 すでに日本では投資信託に「いやっ」というほど組み入れられているハイイールド債(ジャンク債のことです)に比べると、格付けも利回りも高いと強調されています。またこの「グルーバルCoCo債ファンド」はCoCo債を組み入れた日本初の投資信託であるとも強調されています。

 さて何が問題なのでしょう?

 投資には必ずリスクがありますが、投資家がそのリスクを正しく認識しており、そのリスクに見合った収益(利回り)が提供されているのであれば、何も問題がありません。

 しかし日本で大量に販売されている投資信託(元本が保証されていない株式投資信託に分類されます)の大半は、投資家がそのリスクを正しく認識しているとも、そのリスクに見合う収益(利回り)が提供されているとも思えません。

 投資家は見せかけの高利回りや毎月分配などに惹かれているだけで、何よりも設定する運用会社や販売する証券会社が「収益優先」で大量に設定・販売しているのが現状です。

 しかしここで強調したいリスクは、これでもありません。今に始まったことではないからです。

 最大の問題は、必ずしも全貌が明確ではないバーゼル3に対応して、それぞれ自己資本比率も資産の質も違う金融機関がそれぞれ違うトリガー条項を設定するCoCo債の「正確な価値」を算定することは大変に困難で、ましてや誕生して日が浅いためデータも蓄積されておらず過去の経験則も全く役にたたないことです。

 要するに価格が大変にわかりにくく、同時に将来の値動きを予想することも大変に困難で、何よりも今後の発行額を含む需給関係も大変に読みにくい「代物」となります。

 「グローバルCoCo債ファンド」の運用会社は日興アセットマネジメントですが、実際は2006年設立のアルジェブリスなる運用会社に「丸投げ」するようです。

 こういう「代物」を名前も聞いたことがない運用会社に「丸投げ」してしまったらどうなるでしょう?

 間違いなく価格を大幅に誤魔化し、市場にダブついた問題ポジションの受け皿にしてしまい大儲けされるだけです。何よりも市場が崩壊しそうになっても警鐘を鳴らさず、そのまま問題ポジションを押し込み続けるので、間違いなく悲惨な結果になります。

 「そんな大げさな」と思われるかもしれませんが、日本の「外国もの」が組み込まれた投資信託は、この歴史です。だいたい新しい「外国もの」が日本の投資信託に持ち込まれるときは、すでにそのポジションが世界中でダブついているのかもしれません。

 4月8日付け「投資信託にご用心!」も併せて読んでみてください。


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コメント
年金もですね
考えたら、国民年金の掛け金も、一部は
こういう意味不明のうさんくさい外国の投信会社に
運用を任せてるんですよね

ジェイコム男さんとか、孫正義さんとか
の助けを借りて、ちゃんと自分たちで運用するような
仕組みを作らないとダメだと思います。

むこうは日本人のゼニを巻き上げることしか
考えてないハイエナなんだから。
投身
身投げと書けば誰も買わないのに、投身と書くと皆さん喜んで買いますね。
困ったことです。
資産運用は適当にやる訳にはいきません。世界で一番もうけのスケールの大きい犯罪の1つが投資詐欺であることを日本人は知らなければなりません。
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