闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

頂いたコメント(リクエスト)にお答えします

2014年10月14日

頂いたコメント(リクエスト)にお答えします


 10月11日付け「今週の闇株新聞」に頂いていたコメント(リクエスト)に、全部ではありませんがお答えします。


1)フラッシュ・ボーイズについて

 フラッシュ・ボーイズそのものではありませんが、7月22日付け「ピント外れの極み 東証の刻み幅縮小」で超高速取引業者(HFT)を取り上げています。

 ちなみにフラッシュ・ボーイズの著者はソロモン・ブラザーズで債券セールスマンだったマイケル・ルイス氏ですが、そのときの経験を基に書いた「ライアーズ・ポーカー」でも、その後の「マネー・ボール」でも、リーマンショックを書いた「世紀の空売り」でも、明らかにウケを狙って事実を脚色しており、あまり評価できない作家です。


2)ファニーメイ(FNMA)とフレディーマック(FHLMC)の現状について

 これも昨年11月20日付け「FNMAとFHLMCの現状と行方 その1」、翌21日付け「同 その2」で詳しく解説していますが、その後の展開です。FRBのMBS買入れ(QE3)は、両社所有のMBS・7000億ドルを前倒しで売却するために始まったのですが、予定額をオーバーしたため今月で無事打ち切りとなります。

 両社に投入した公的資金の1875億ドルはとっくに回収していますが、特別配当で受けとっているため米国政府は依然として優先株を全株保有したままで、配当(当初は10%、その後は余剰金全額)は受け取り続け、両社を売却すればさらに巨額の売却益が入ります。

 両社の解体論も出ていますが、両社はMBSを不適切販売したとしてJPモルガンから130億ドル、バンカメ(メリルリンチ)から166億ドル、シティから70億ドルの巨額罰金を課した裁判の原告です。まだ野村ホールディングスなどの海外金融機関と係争中で、20社ほどある被告に巨額罰金を課すまで解体はできません。

 実は両社は法的整理をしていないため「何の権利もない」普通株が残っています。株価が1ドルを下回り2010年に上場廃止となったものの店頭市場で取引されています。超優良会社となった両社の普通株を巡る思惑から、ヘッジファンドやハゲタカなどが取得して本年初めには株価が6ドルをこえていましたが、最近はいずれ解体されて文字通り「紙切れ」になりそうと2ドルを下回りました。

 両社に解体論が出てくるのは、この「邪魔な」普通株を法的に消してしまうためです。いくらヘッジファンドでも、米国政府相手に喧嘩しても勝ち目はないのでしょうね。


3)米国の金融政策が米国の銀行・保険株に及ぼす影響について

 FRBの利上げ予想の唯一の根拠は、9月のFOMCで示されたFOMCメンバーのFF金利予想(中央値)が2015年末で6月時点の1.125%から1.375%へ、2016年末が同じく2.5%から2.875%へ上方修正され、新たに集計された2017年末も3.75%だったからです。

 現在のFF金利(上限)は0.25%なので、年8回しかないFOMCごとに0.25%ずつ引き上げるとして来年12月に1.375%となるためには、来年春頃から利上げを始めなければならないという「単純計算」です。もちろん来年の米国や世界の経済状況を勘案して決定するため、今から心配しても何の意味もありません。

 だいたいFRB自身が米国経済成長率の中期予想をほぼ2%としており、物価上昇の中期予想もほぼ2%なので、米国経済の名目成長率の中期予想はほぼ4%となります。この状態でいくら2017年末でもFF金利が3.75%になると米国経済は成長できず、2016年末の2.875%でも現実的ではありません。

 先週末(10月10日)に2.28%まで低下した米国長期金利(10年国債利回り)は、米国経済が本格的に回復すれば「少しは」上昇するはずですが、リーマンショック以降の最高利回りが2010年春の4%なので、それから米国や世界の潜在成長率がさらに低下していることを考えれば米国10年国債利回りが中期的にも4%をこえるとは考えにくいと感じます。

 その前に米国のイールドカーブをフラットにしてしまい、米国の銀行や保険会社の収益力を大きく毀損させる(短期金利)利上げを行うほど、米国政府やFRBが「愚か」とも考えられません。

 つまり米国の金融政策が微調整はともかくとして本格的に利上げを行うイメージが、どうしても湧いてきません。要するに米国は本格的に利上げを行わず、米国の銀行・保険会社の収益が大きく損なわれることも「ない」と考えます。

 残るコメント(リクエスト)にも順次お答えしていきます。


Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:2 | TrackBack:0
関連記事
コメント
上記2)と3)の質問をした者です。丁寧に解説いただきありがとうございました。米国の利上げ予想については、いろんな媒体で意見・予想を目にしましたが、上記の解説が定量的に根拠を説明していて最も説得力がありました。残る質問もよろしくお願いいたします。
ISIS問題からの紛争リスク
いつも興味深く拝読しております。
少し今回の投稿とは趣向が違うのですが、最近気になっている点につき、是非作者様のご意見をお聞きしたく思っております。

最近では、ISISの問題が深刻化しており、米国をはじめとした有志連合が、これらを壊滅するために軍事的な作戦を検討中と報道されております。

これが現実のものとなると、湾岸戦争の時のように、おそらく世界経済にも何らかの影響があると思いますが、どのようなシナリオがあると思われますか。

もし可能でしたらご意見をお聞かせください。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2017年07月 | 08月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム