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そろそろ日銀を旧大蔵省から取り返そうではないか?

2014年10月28日

そろそろ日銀を旧大蔵省から取り返そうではないか?


 10月24日付け「短期国債入札で初のマイナス金利」に、そもそも何で日銀は紙幣を刷らずに銀行から預かった当座預金残高でファイナンスしているのか?とのコメント(ご質問)をいただきました。

 意外に重要なポイントですので解説します。ちょうど今週から来週にかけてFRB(10月28日~29日)、日銀(10月31日)、ECB(11月6日)と、中央銀行の金融政策会合が続くので、その前に頭を整理しておく必要もあるからです。

 現時点では、表題の日銀当座預金への付利は0.1%、類似の金利はFRBが0.25%、ECBがマイナス0.2%となっています。

 さて10月20日現在、日銀は232.9兆円の国債(うち短期国債が49.4兆円)を保有していますが、そのファイナンスは86.3兆円の日銀券と165.2兆円の日銀当座預金で賄っています(その他の細かい項目は省略)。

 ここで日銀券とは日銀が返済義務のない永久債務なので、日銀の自己資本に準ずると考えられます。ところが日銀当座預金とは銀行から預かっているだけで日銀のものではなく、(実際にそういうことはありませんが)突然に全額が引き出されたら日銀は保有国債を市場で大急ぎで処分しなければならず、うまくいかないと倒産してしまいます。

 要するに日銀とは巨大なヘッジファンドなのです。

 冒頭のご質問は、日銀は紙幣を印刷できるのだから、そんな他人の当座預金などに頼らず、どんどん紙幣を印刷して(国債の売り手などに)支払えばよいではないか?という意味だと思います。

 日銀は現在も月額7兆円程度の国債を市場から買い入れています。具体的には日銀が銀行や証券会社などから国債を買い入れて、その代金をそれぞれが日銀に開設する当座預金に入金します。

 通常であれば、銀行や証券会社は売却代金を当座預金から引き出して、貸出しや新たな国債などの購入資金に充てるはずです。ところがどこも資金が有り余っており、急いで日銀当座預金から引き出す必要がなく、結果として売却代金が日銀当座預金に積み上がったままとなります。
 
 さらに日銀はその当座預金残高に年0.1%の付利を行っています。メガバンクの普通預金金利は0.02%程度なので(定期預金でもあまり変わりません。ただし預金保険料が0.084%かかります)、人件費などのコストがほとんどかからないため「大変に有利な運用」となります。

 つまり銀行や証券会社などが日銀当座預金から売却代金を引き出して貸出しや資産購入に充てれば、市場ではどこかでその資金が引き出されて使われるので「紙幣が市中に供給される」ことになります。

 「異次元」量的緩和が始まる直前の2013年3月31日では、日銀の国債保有が125.3兆円(うち短期国債が34兆円)、これをファイナンスする日銀券は83.3兆円、当座預金残高が58.1兆円でした。

 日銀券(紙幣)の発行残高とは経済活動が拡大した結果ですが、1年半以上経過した「異次元」量的緩和は、日銀券の発行残高をわずか3兆円増加させただけです。

 つまり「異次元」量的緩和とは、1年半以上かけて107.6兆円も国債保有残高を増加させて、日本経済を3兆円拡大させただけなのです(正確には紙幣には乗数効果があるため、日本経済は3兆円よりは拡大しているはずです)。

 ところがその3兆円のために増加した107兆円もの当座預金は他人のものなので、いつか「何とか」しなければなりません。0.1%の付利を止めないのは、そのための方策です。

 また最近の日銀は、半ば強引に短期国債利回りをマイナスに誘導し、全期間の国債利回りを一段と引き下げました。つまり実質的に「追加金融緩和」を行ったことになりますが、日銀当座預金への付利は0.1%に据え置いたままです。

 つまり「大きな矛盾」を抱えた追加金融緩和で、思いもかけないところに弊害が出てくるような気がしています。

 そもそも何のために日銀は「異次元」量的緩和を行い、今度は実質的な「追加金融緩和」を行ったのでしょう?

 財政赤字を日銀にファイナンスさせ、円安を加速させて株高を演出し消費増税を10%にするためですが、その代償は「円」の唯一の発行体である日銀をヘッジファンドにしてしまったことです。

 ヘッジファンドの発行する「円」が、国際的に進んで受け入れられるはずがありません。最近の円安は、発行体である日銀の劣化が反映されているような気がしてなりません。
 
 そこで表題の「そろそろ日銀を旧大蔵省から取り返そうではないか?」となるのです。


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コメント
ユダ金に支配され東京市場の6割が外人で株主もカタカナ系が大企業に多く見られる.円安にして輸出大企業の
利益を膨らませキャピタルゲインインカムゲインの二重取り成功.日本わ全くジパングの国.飲み食いわユダ金お支払いわ消費税で日本人が支払う。
どうやって取り返すのかという展開を期待してよろしいのでしょうか?
それと、日銀のマイナス金利のくだりで『マイマス』という表記が散見されますが、マイナスの誤植なのかそれとも『マイマス』という言葉があるのでしょうか?
保険屋サンエ。マイマスと言う表現わ見当たりません。もう一度読んでください。
しがない保険屋さま
名無しさん


ご指摘ありがとうございます。「マイマス」という表記は誤植ですので修正させていただきました。大変失礼いたしました。


闇株新聞編集部
中銀保有の国債の意味
第一次、二次大戦後から世界経済のゆきずまりを脱すため徐々に金本位制の軛から変動相場制に移し、先進国の株式市場、国債市場を膨らませ、それを基にグローバリゼーションに成功し世界経済とその三倍の規模のマネー市場をさらに膨張させ、バブルも崩壊を繰り返してきましたが、その代償として先進国の中央銀行に膨大な公債等を負担させ通貨の信用問題となってきました。しかし先進国には富の蓄積による量的緩和という麻酔薬があり(新興国はしばしば破綻してきましたが)、巨大な国債市場を通して経済・政府・中銀という三位一体のだまし絵的な循環の継続を幻想させ、ひょっとすると通貨の信用問題も魔法のような変動相場制の下で相対化され、ある程度解消てしまうのではと思わせます。つまりどこかの国々があくまでも平和的にババを引いてくれれば世界は継続できるのでは?犠牲は日本、EU、新興国かどうかは別にしても、通貨は既に国家信用を背景とした国民の共同幻想となっているので、フィッシャー副議長・サマーズ元長官等が皆をそう思い込ませれば緩いインフレを経て継続可能と期待させます。ということは膨大な国債のもと低金利しかとる道はないがデフレでは困るということですが、相当な矛盾なのでやってみて駄目だったら、やはりもっと恐ろしい方法を考えているということでしょう。
その2を期待しています。
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