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日銀の追加量的緩和の背景  その2

2014年11月05日

日銀の追加量的緩和の背景  その2


 まだまだ書き足りないので続けます。

 連休明けの本日(11月4日)、日経平均は朝方に17127円の高値をつけ、前週末比448円高の16862円(終値)となりました。追加量的緩和のあった10月31日から2営業日で1204円(7.7%)の上昇となります。

 為替は、日本時間の本日零時過ぎの海外市場で1ドル=114.21円の「円安」をつけ、午後9時現在は1ドル=113.36円、1ユーロ=141.88円となっています。

 昨日付け「同題記事」で今回の日銀決定は、資産買入れを終了させた米国の「代理追加量的緩和」であると書きました。だとすると2001年3月~2006年3月の量的緩和以来のこととなります。

 当時は日銀が世界で唯一の量的緩和を行っていたため、日銀から供給された緩和マネーがあらゆるルートで世界中に貸し出され、その円売りにともなう円安と、その結果の世界的な株高(不動産価格の上昇)をうけて日本でも株高(不動産価格上昇)となりました。

 当時の量的緩和終了後の2007年6月に1ドル=124.12円の円安となり、日経平均は2007年2月に18300円(同年7月にも18295円)の高値をつけました。

 現在が当時と決定的に違うところは、別に日銀から供給される緩和マネーに頼らなくても世界中が緩和されているので世界的な円売りは限定的であり、当時の日本では消費税が倍にならなかったので今後の株高も限定的といったところです。

 つまり今回の「代理追加量的緩和」による円安と株高には、おのずから限界があることになります。ここからどこまで円安と株高になるかは「雰囲気次第」ですが、それはもちろん2回目の消費増税に対する世間の予想に左右されます。

 何度も書いているように2回目の消費増税は「決定済み」です。ところがこの期に及んでもまだ「消費増税は行うべきか?」といった議論が続いており、このままだと正式決定したときの「反動」が株式市場・為替市場に出てきてしまいます。

 ここにきて安倍首相周辺から衆議院解散予想が出ていますが、その背景はこう考えます。

 さすがに安倍首相もここにきて「アベノミクスとは消費増税のためだけだった」と気がついたはずです。2回目の消費増税は不可避ですが、そうなると自分自身が消費増税を強行した首相という「一番の貧乏クジ」を引かされることになります。

 自民党の中には「あえて消費増税に賛成とはいわず、貧乏クジを引いて人気が急落する安倍首相を追い落とし、あわよくば後釜に座ろう」と考える幹部(例えばA財務大臣とかI国家戦略担当大臣とか)がいます。

 安倍首相とすれば年内に衆議院を解散してしまえば、選挙はイヤでも消費増税で国民の審判を問うことになり、自分だけが貧乏クジを引かずに済みます。

 しかし消費増税関連法案は2012年6月に衆参両議院を「圧倒的多数」で通過して成立しているため、消費増税は閣議だけで決定されます。解散中でも閣議は開催できるので、解散は「あまり効果のないブラフ」です。

 安倍首相は、郵政改革法案が参議院で否決されて衆議院を解散してしまった小泉純一郎首相(当時)ほどエキセントリックではないため、そのうちに解散予想は消えてしまうはずです。

 最後に今回の決定で当然に国債利回りは低下しています。追加量的緩和前日の10月30日と本日(11月4日)夕刻時点の利回りを比較すると、2年国債が0.02%で変わらず、5年国債が0.12%から0.11%、10年国債が0.47%から0.44%、20年国債が1.33%から1.19%、30年国債が1.66%から1.44%とそれぞれ低下しています。

 20年国債と30年国債の利回りが「かけ離れて」大きく低下していますが、今回の決定でも日銀は10年超~40年の国債を年間最大2兆円しか買い入れません。従来は年間最大1兆7500億円でした。

 囁かれるGPIFの国債売却(最大30兆円?)はこの超長期国債ゾーンが中心のはずで、20年~40年国債の新規発行は年間24兆円もあります。どう考えても需給関係が改善しているゾーンではありません。

 これは需給関係を無視して「雰囲気」だけで超長期国債利回りが低下しているのではなく、将来の日本経済の見通しが一段と悪化しているためと考えます。


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コメント
ブロゴスを見てたら武者先生2015年末24000円視野にとぶち上げていました。
すると1ドル=160円ですか。
さすがに弊害のほうが大きいでしょうね。。。
米国の低金利継続は何を暗示
株高、グレートローテーションといいながら、米国の10年債金利2パーセント割れというのは、GDP成長率3パーセント、インフレ率2パーセントにもかかわらずどう解釈すればよいのでしょうか。他の長期金利も同傾向のようですし、謎のままではグロス氏といえどもクビになります。
いつも楽しく拝見しております。

今回の追加緩和で 国債30兆円増額ですが
これは GPIFの圧縮分 約30兆円の
単なる受け皿という事ではないのでしょうか?
増税延期➕解散の報道がありますが、ブラフだと思いますか?
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