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フラッシュバック その4

2014年12月02日

フラッシュバック その4


「えっ 日本国債格下げ?」  2011年1月28日の記事


 米格付け会社のMoody’sは本日(2014年12月1日)、日本国債の格付けを1段階引き下げてA1としました。理由は「財政目標の達成に不確実性が高まった」だけではなく「政策の有効性および信頼性の低下」などもあります。市場にはあまり影響がないはずです。

 本日のフラッシュバックは2011年1月にStandard and Poor’sが、やはり突然に日本国債を格下げしたときのものです。

 以下本文です。


 1月27日に、米国の格付け機関であるStandard and Poor’sが日本国債の格付けをAAからAAマイナスに1段階引き下げました。

 当然、日本の政府債務が増大を続けていることが理由になっているのですが、もともと昨年1月にアウトルック(将来の見通し)がネガティブに引き下げられていましたので、時間の問題だったということができます。今回の引き下げでアウトルックが「安定」になりましたので、追加の引き下げは当面ないことになります。

 今回の格下げは自国通貨建て(つまり円建て)国債だけではなく、外貨建てにも適応されるようです。もちろん外貨建ての日本国債はないのですが、外貨建ての日本政府保証債等にも適応されることになります。

 もうひとつの有力格付け機関であるMoody’sの格付けでは、日本国債は2009年からAa2、アウトルックは「安定」となっています。

 日本国債は、確かに発行額は大きいのですが、その95%以上が日本国内で安定的に消化されており、国債の流通利回りも先進国で一番低く、今回の格下げでも特に国債流通市場に混乱はありません。

 為替相場も発表直後にドルで83円台に乗せたのですが、すぐに82円台後半の取引となっています。

 まあ、これらの格付け機関の格付けは、歴史的にみてもあまり役立つことは少なく、むしろいろいろな弊害を引き起こしているのです。その辺りの一端をご紹介しましょう。

 世界の格付けを二分するStandard and Poor’sとMoody’sは、ともに米国の会社です。Standard and Poor’s は1860年創業で、大手出版社のマグロウヒルの子会社です。一方のMoody’sは1900年創業で、現在ニューヨーク証券取引所に上場しています。しかし、これらの会社の実態、特に格付けのやり方については、外部からはよくわかりません。

 ただ以前から、何か問題が起こった発行体の格付けの変更が遅れ、さらに急速な格付けの変更(引き下げ)を行い、結果的にさらに問題を大きくしてしまうという批判はありました。

 最近の例では、ギリシャ国債の格付けを昨年、あわてて数段階引き下げて投機的になるBB+と格付けして、問題を余計大きくしてしまいました。

 またサブプライム問題の本当の原因も、この格付け機関にあるといってもよいのです。

 そもそも低所得者向けの住宅ローン(サブプライムローン)というものは昔からあったものなのですが、当然焦げ付きのリスクも大きいため流動化されにくく、おのずから発行できるローン総額に限度ができ、結果的に節度が保たれて問題が起きなかったのです。

 ところが、その焦げ付きリスクの大きいローンも、たくさん束ねて、利払いと償還を優先的に受け取るような仕組みにすると、統計的にいって全体の例えば50%くらいがAAAの格付けが取れることを発見した者がいました。

 つまり、如何に焦げ付きリスクが大きいローンでも、全体でみれば、少なくとも半分位はちゃんと支払うはずなので、利払いと償還を優先的に受け取る部分を50%とすれば、その50%は焦げ付きのリスクがほとんどなく、結果AAAの格付けが得られるということなのです。

 AAAの格付けが取れれば、外国(特にヨーロッパ)の機関投資家が喜んで買います。そうすると流動化がどんどんできるため、ローン会社は資金が回収できるため、また改めてサブプライムローンをどんどん売り込みに行けるようになったのです。そこで今まで保たれていた節度が壊れ、気がつけば全く無収入でホームレスのような移民にまで、立派なプール付きの一軒家が買えるローンがつけられたのでした。

 AAAの債券だと有り難がって買っていた欧州の銀行は、まさかそのAAAの債券の中身が、昨日までホームレスだった移民の住宅ローンだとは夢にも思いませんでした。ただ有力格付け機関の格付けだけをみて買っていたのです。

 だから、米国の国内問題であるはずのサブプライム問題で、欧州の銀行が巨額の損失を出すことになったのです。つまりサブプライム問題をここまで大きくしたのは、米国の格付け機関の責任といってもよいのです。

 今回の日本国債の格下げに話しを戻しますが、非常に気になるのは、与謝野経済財政政策担当大臣の「今回の決定は、日本の消費税は諸外国に比べて低く、使っていない武器(つまり消費税引き上げ)を早くやりなさい、と言ってくれているのだと思う」との発言です。

 本誌1月17日付け「内閣改造について」でも書きましたが、今日本で一番やってはならない政策が増税なのです。まず何をおいても経済を上向かせなければならないのですが、財務官僚は財政再建の大合唱です。そこへ財政再建論者の与謝野氏の経済財政担当大臣への起用は非常に問題であると指摘しました。

 日本国債の格下げそのものは、株式市場は全く無視しても大丈夫ですが、ここで消費税を含む増税が前面に出てきますと、株式市場への重大な懸念材料となります。



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コメント
http://www.asahi.com/articles/ASGD15WYMGD1ULFA03F.html
中国韓国より下とニヤニヤしてる朝日さん
日本国債格下げと円の因果
現在市場では国債格下げがやや円高圧力になっているようですが、これは格下げ→国際価格下落→金利上昇→円での運用というルートと捉えれば宜しいでしょうか
足元、日銀が多くの日本国債を保有していることも踏まえ理論的に正しい動きなのか、投機的なのかご教授いただきたく

小生の不勉強でしたら申し訳ございません
失礼しました
貴誌の見解は以下等のよう過去に記載されていましたね、小生の見落としです。
もし市場の反応を見て、見解の修正などありましたらご教示ください。

>日銀が国債をどんどん買い入れると国債利回りが低下し、それが日本の投資収益や事業収益の水準を引き下げて景気をさらに悪化させ、ひいては資金がどんどん海外に流出してしまい1000兆円もの公的債務を支えられなくなります。このような状態を「財政破綻」といいます。
政府のメインバンク
増税だけが手段ではないが、アベノミクスは本来経済回復と財政再建の一体政策。
日本総研がいいこと言ってる。

『政府・日銀の一体化で失われた財政規律』
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20141203-00063012-diamond-nb
放漫経営の企業にストップをかけられるのはメインバンクしかない。
それこそが本来の「バンカー」の役割だろう。同様に、政府の放漫な財政運営にストップをかけられるのは本来、中央銀行しかないはずだ。
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