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ヘッジファンドの巨人たち

2011年04月11日

ヘッジファンドの巨人たち

 ヘッジファンド運用者の高額所得ランキングというのが発表されているのですが、2010年の第1位はポールソン・アンド・カンパニーのジョン・ポールソン氏で49億ドルでした。日本円でなんと4100億円にもなります。もちろんファンド全体の儲けではなく、ポールソン氏個人の所得です。

 ポールソン・アンド・カンパニーについては2月15日付け「ウォールストリートの地殻変動 その1」にも書いてありますので読んでみてください。

 ポールソン氏はヘッジファンド業界、というより証券関係全体でも比較的珍しいコンサルタント会社の出身です。「理屈で金は儲からない」の例外中の例外です。
 1994年にポールソン・アンド・カンパニーを設立しているのですが、設立以来、運用によって増加させた資産が322億ドル(約3兆円)と言われています。要するに運用だけでこれだけ増やしたのです。

 ポールソン氏自身の所得も、2007年が37億ドルで第1位、2008年が20億ドルで第2位、2009年が23億ドルで第4位と高額所得ランキング上位の常連です。
 こんなに所得が大きくなるのは、ファンドの運用報酬と成功報酬(普通20%)に対する自分の取り分のほかに、自分の報酬の大半を自分のファンドに入れているからです。

 ポールソン・アンド・カンパニーはタイプとしてはイベント・ドリブン型で、まさにサブプライム商品の空売りで大儲けしたのですが、実は昨年の収益のかなりの部分は金(きん)への投資で上げたようです。現在もポジションを維持しているなら、今年の収益も大変なものとなりそうです。

 2010年の高額所得の第2位はブリッジウォーター・アソシエイツのレイモンド・ダリオ氏で31億ドルです。
 ブリッジウォーターは特に昨年後半に87億ドルも収益を上げ、設立の1975年以来、運用によって増加させた資産が220億ドルとなっています。また昨年末現在の運用総額が589億ドルとなり、世界最大のヘッジファンドとなっています。
  
 レイモンド・ダリオ氏は1975年にハーバード・ビジネススクールを卒業するとすぐにブリッジウォーターを設立しました。証券会社や他のヘッジファンドで働いたことが無く、いきなり自分でヘッジファンドを立ち上げて成功している珍しいケースです。
 運用タイプは世界の為替や株式を対象とするグローバル・マクロ型です。

 2010年の第3位がルネサンス・テクノロジーのジェイムス・シモンズ氏で25億ドルです。
シモンズ氏は1938年生まれ(72歳!)の数学博士で、1982年にルネサンス・テクノロジーを立ち上げるまでは大学で教鞭をとっていました。

 運用タイプは典型的なクォンツ型で、非常に安定的な収益を上げることで定評があります。したがってシモンズ氏の所得も2007年以降コンスタントに20億ドル以上となっています。
 ルネサンスの昨年末の運用総額は246億ドルとなっており、ヘッジファンド全体でベスト10に入っています。また金融業界出身者は雇わないそうで、多分経済分析など一切せずに膨大な価格データの分析のみで運用しているのでしょう。

 第4位がアパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏で22億ドルです。
 テッパー氏はゴールドマン・サックスのジャンク債のトレーダーを経て1993年にアルバーサ・マネジメントを立ち上げました。運用タイプとしてはイベント・ドリブン型です。

 実はテッパー氏は2009年の高額所得ランキングでは40億ドルで第1位でした。このときは暴落した銀行株や銀行の債権を買い集めて大儲けしたようです。
 アパルーサ・マネジメントの昨年末の運用資産は49億ドルと比較的小さく、テッパー氏がほかに運用している資産をあわせても、それほど大きくないようです。
 しかし、2009年にテッパー氏の運用するファンド全体の儲けが70億ドルだったそうで、そこから40億ドルを受け取ったということは、運用資産のかなりの部分がテッパー氏個人のものだといえます。

 第5位がSACキャピタル・アドバイザーズのスティーブ・コーエン氏で13億ドルでした。
 SACはどちらかというと米国株に特化したファンドで、運用総額が120億ドルです。コーエン氏の所得は2009年も14億ドルで第5位でした。

 彼らは金融危機も問題とせず圧倒的な収益を出し続け、自身も高額所得者の常連であるヘッジファンド業界の巨人たちといえます。

 2010年は圏外に去ったのですが、注目しておくべきはケンタウルス・エナジーのジョン・アーノルド氏です。まだ36才で、2001年に巨額の簿外債務で破綻したエンロンのトレーダーでした。

 2002年に、それまでエンロンでもらったボーナスの8億円でケンタウルスを立ち上げました。当然得意分野のエネルギー関連に特化しており、アーノルド氏の所得も2008年が15億ドル、2009年が8億ドルでしたが、ケンタウルスの2010年の運用成績はマイナスとなったようです。
 本年はエネルギー価格が急騰しているので、どういう運用をして、どういう結果が出るか注目されます。

 こういう記事を書いていていつも思うのですが、もし彼らが日本人であったらこういう活躍の場は決して与えられず、難癖をつけられて社会的に抹殺されているかもしれません。
 ヘッジファンドの功罪は色々あるのですが、とにかく圧倒的なパフォーマンスで国民資産を増加させていることは間違いないのです。

平成23年4月11日

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