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本年のキーワードは「中心と周辺」

2015年01月06日

本年のキーワードは「中心と周辺」


 あけましておめでとうございます。本年最初の記事なのでいろいろと考えましたが、この話題にしました。

 表題の「中心と周辺」とは、本誌も大変に信頼している証券エコノミスト・水野和夫氏の著作「資本主義の終焉と歴史の危機」からの引用で、「中心」が「周辺」から富を吸い上げて資本主義を発展させていくシステムのことです。

 一般的に「中心」とは西欧諸国のことで、「周辺」とは古くは植民地、最近までは中国などの新興国のことです。

 そして最近は中国などの新興国が自らも「中心」と考えて行動するようになった結果、「中心」が富を吸い上げる「周辺」が世界中から消えてしまい、世界経済全体の成長にブレーキがかかってきました。

 1990年代から「中心」である西欧諸国や日本が豊富な労働力と拡大する消費を求めて中国に進出したのですが、やがて中国自身が生産設備を拡大して「中心」のシェアを奪い、果ては世界の需要をはるかにこえる過剰生産設備をつくってしまったことなどが、その典型です。

 そうなると今度は「中心」が、自国の中に「周辺」を作り、富を吸い上げるシステムを作り出そうとします。

 日本政府が推進する「非正規労働者」「消費増税」「法人減税」の組み合わせは、見事に「周辺」を作り出して富を吸い上げるシステムとなります。

 そう考えるとサブプライムローンとは、「中心」の大手金融機関が富を吸い上げる(収益を上げる)ために作り上げた「周辺」だったことになります。儲かる市場(借り手)がなくなってきたので、貸出基準を大幅に緩和して市場(借り手)を作り出して収益源にしようとしたものでした。

 さらにユーロ圏とは、域内の「中心」であるドイツ・フランスなどが安い労働力を供給する「周辺」を域内に作り、さらに共通通貨・ユーロを導入することにより「中心」の投資リスクを軽減してしまう仕組みと考えられます。

 大変に重要なことは、この時代に新たに「周辺」を作り上げて収益を吸い上げても、それは一時的なもので必ず短期間のうちに行き詰まってしまうことです。

 サブプライムの結果はいうまでもなく、ユーロの仕組みも当初の目論見通りにならず「周辺」各国に深刻な財政危機を引きおこしてしまい、域内の「中心」にとって大きな負担となってしまいました。

 日本における「非正規労働者」「消費増税」「法人減税」の組み合わせは、間違いなく深刻な消費不振を招き、日本経済を大不況としてしまうはずです。

 本年の世界経済や株式市場を考えるときに、世界各国や各国の中に作られた「周辺」がどのような弊害を各国に及ぼすかと、どこが新たな「周辺」に組み込まれてしまうのかを見極めることが重要となります。

 ところで日本は本当に「中心」なのでしょうか? 少なくとも「周辺」ではないものの、本当の「中心」が日本を新たに「周辺」にしてしまおうと考えているはずです。

 繰り返しですが、「周辺」とは「中心」から富を吸い上げられる存在です。

 そう考えると日本(日銀)が「もっと異次元になった」量的緩和で円安を加速し、日本にある国民資産をどんどん米国などの海外に流出させているのは、(今に始まったことではありませんが)日本が改めて米国の「周辺」となるための政策と考えられます。

 国民資産が米国などの海外に流出しても、別に米国などに奪われるわけではないので「何が悪いのだ?」と考えられますが、歴史的には日本から米国などの海外への資金流出が加速したあとはロクなことになっていません。

 1997~8年にはアジア危機、ロシア危機、ヘッジファンド危機となり、2007~8年はもちろんサブプライム問題から世界金融危機となってしまいました。

 ほんの一例を取り上げただけですが、本年はこの「中心と周辺」を頭に入れて、いろいろと考えていきたいと思います。

 明日はユーロ圏における「周辺」ギリシャへの対処法についてです。


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コメント
おめでとうございます。水野氏の資本主義の終焉 私も拝読させて頂きました。身近な日常にも資本主義の終焉が起こってきています。このままある意味社会主義的な政治を放置しておいて良いのかと思うこの頃です。マスコミも政府よりの発言に偏っています。日本の将来を案じて恐怖すら覚える今日、この頃です。
集団的自衛権の行使へと向かう、安倍政権。

安倍政権は、どこへ向かおうとしているのか。

 米国政府に強い影響力を持ち、また米国の高級エリート官僚の養成機関であるハーバード大学ケネディ行政大学院の院長であったジョセフ・ナイが、上院下院、民主・共和両党の国会議員200名を集めて作成した「対日超党派報告書」(Bipartisan report concerning Japan)には、以下のように書かれている(この文書はハーバード大学のサイトで公開されていたが、現在は消去されている)。


1、 東シナ海、日本海には未開発の石油.天然ガスが眠っており、その総量はサウジアラビア一国に匹敵する。米国は何としても、それを入手しなくてはならない。

2、 チャンスは台湾と中国が軍事紛争を起こした時であり、米国は台湾側に立ち、米軍と日本の自衛隊は中国軍と戦争を行う。

3、中国軍は必ず、日米軍の離発着・補給基地として沖縄等の軍事基地に対し直接攻撃を行ってくる。本土を中国軍に攻撃された日本人は逆上し日中戦争は激化する。

4、米軍は戦闘の進展と共に、米国本土からの自衛隊への援助を最小限に減らし、戦争を自衛隊と中国軍の独自紛争に発展させて行く作戦を米国は採る。

5、日中戦争が激化した所で米国が和平交渉に介入し、東シナ海・日本海において米軍がPKO活動を行う。

米軍の治安維持活動の下、米国は、この地域のエネルギー開発でも主導権を握る事が出来、それは米国の資源獲得戦術として有効である。


 以上のように米国は東シナ海と日本海の「パレスチナ化計画」を持っており、

米国は日本を「使い捨て」にする計画である。

自民党支持者達や、外交評論家の岡崎久彦等の言うような「日米安保条約を堅持し、日本は米国の後に付いて行きさえすれば安全である」といった外交論など、「生き馬の眼を引き抜く国際政治の現実」に全く無知な暴論である事が分かる。

この米国の戦略に「乗せられた」売国政治家=安倍政権は、「米軍と自衛隊が協力し戦闘行為を行う」集団的自衛権の行使の形で、日本の亡国を謀ろうとしている。
闇株さん
首相待望論

お任せします
国民の本音
米中経済同盟が結ばれてからポチ日本の立場は中韓からも頭を叩かれる惨状となりましたが、被保護国の身分ではそれでも尻尾をふって米国についていくしかないことは国民も痛いほど解っているわけです(平和はタダだと思っている人も多いですが)・・・・。ナイ報告では男妾としての地位も奪われており、今後は下僕として先陣を命じられたわけです。亡国への道とか都合の良い理由をつけて逃亡したいところですが、その先には中国が口を開けて待ってます。楽な妾のままでいたかったなー。確かに昔は中華文明の周縁だったが中国配下になったらもっと悲惨だし。昔の朝貢って頭下げるだけで楽だったらしいけど今は無慈悲な周縁収奪でそうはいかないだろうなー。米中を天秤にかけたらそこで日本はお終い。
資本主義の終焉? 21世紀の資本論みたいな話ですね。
あけましておめでとうございます。

日本は周辺かと、毎年米国債購入で貢ぎまくっております。
アマゾンで「資本主義の終焉と歴史の危機」と
「21世紀の資本」両方ともベストセラーですが
まもなく「トマ・ピケティの新・資本論」も発売されますが
歴史的転換点なんでしょうね
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