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株式時価総額が史上最高となったアップル

2015年02月12日

株式時価総額が史上最高となったアップル


 昨日(2月10日)のNY株式市場終値でアップルの時価総額が7107億ドル(85兆円!)となり、史上最高を記録しました。株価は2.30ドル高の122.02ドルと、これも株式分割を考慮した最高値となりました。

 同時点で時価総額が第2位のエクソン・モービルが3820億ドル、長年のライバルであるマイクロソフトが3494億ドル(アップルの半分以下!)、日本最大のトヨタ自動車が2204億ドルとなっています。

 アップルの2014年10~12月期決算では純利益が前年同期比38%増の180億ドル(2兆1500億円)となり、2014年4月から2015年末まで300億ドルの自社株買いを実施中です。自社株買いは向こう3年間で1000億ドルになるともいわれており、株主からみても間違いなく「超優良企業」です。

 アップルはスティーブ・ジョブズが1974年にスティーブ・ウォズニアックと共同で設立したコンピューター・メーカーで、ジョブズは1980年の株式公開で早くも2億ドルを手にしていました。

 しかし主力製品となる(今でいう)PCのLisa開発プロジェクトに口を出し過ぎて煙たがられると、自ら廉価版のMacintoshを開発して発売するなど独断専行が目立ち、1985年には自らペプシからスカウトして社長に据えたジョン・スカリーに解任されてしまいました。

 ジョブズは持ち株を全て売却してNeXT社を設立しますが、こちらもパッとしません。

 一方アップルのCEOとなったスカリーも全く機能せず(コーラしか売ったことがなかったから?)、アップルを更に迷走させただけで1993年に1000万ドルの退職金をせしめて逃げ出してしまいました。

 当時のアップルは身売りするしか生き残る道がないといわれ、実際にサン・マイクロシステムズ、IBM、フィリップス、キャノン(日本のキャノンです)などの名前が取り沙汰されていました。

 そんな中、ジョブズはNeXT社で不採算だったハード部門を1993年にキャノンに売却してやっと黒字化させ、ソフト開発も自前でできなくなっていたアップルにOSを売り込み、1997年2月にNeXT社をアップルに4億ドルで売りつけて復帰してしまいます。当初はCEO就任を拒否して暫定CEOの肩書きでしたが、2000年にCEOとなります。

 あまり知られていませんが、ジョブズはアップルを解任された直後にルーカス・フィルムを1000万ドルで買収して「ピクサー」と社名変更します。そしてディズニーと共同で制作したCGアニメ「トイ・ストーリー」を大ヒットさせ、2006年には「ピクサー」を何と114億ドルでディズニーに売りつけてしまいました。

 アップルに復帰した頃のジョブズはCG映画・アニメの方が「主力」で、アップルは「付け足し」だったようです。

 そのせいかジョブズが復帰してもアップルの業績は上向かず、マイクロソフトに1億5000万ドルもの出資を仰ぐ羽目になってしまいました。ところがビル・ゲイツは議決権のない株式での出資に応じ、同時に特許を巡る長年の紛争を和解して業務提携まで結んであげました。ビル・ゲイツは完全に「敵に塩を送った」わけですが、今ではマイクロソフトの時価総額はアップルの半分以下となりました。

 ジョブズのアップルは1998年に斬新なデザインのiMacを発売し、その後は2001年にiPod、2003年にiTunes、2007年6月にiPhone、2010年1月にiPadと大ヒットを連発します。とくにiPhoneは6番目のシリーズまで発売されています。

 アップルの業績はジョブズがCEOに就任した直後の2001年1~3月期にも「大赤字」だったのですが、そこから急激に高収益会社となります。

 ちなみに赤字だった2001年2月時点のアップル株安値は14.44ドルで、アップル株は2005年に2分割、2014年に7分割されているため、当時の安値を現在に換算すると1.03ドルとなります。

 2月10日の株価が122ドルなので実に118倍になりました。リーマンショック直後からでも10倍になっています。

 ところでジョブズは2011年1月に病気で退任したのですが(同年10月に56歳で死去)、その時点の株価は48ドル(分割調整後)だったので、後任のティム・クックCEOも在任中に株価を2.5倍にしたことになります。意外に「凄い」経営者なのかもしれませんね。

 要するに世界を席巻するアップルも2000年代の初め頃までは「ごたごた続きの会社」で、そこから10年ちょっとで時価総額が史上最高の会社に上り詰めたことになります。

 株式市場にはまだまだ「夢が転がっている」のです。


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コメント
アップルの動向
今のアップルは昔のコンピューター業界のIBMみたいです。
著作権などの知的財産の問題、判断は、アメリカにリーダーシップを握られています。日本企業も1990年代にマルチメディアの時代が今後来ることは分かっていたのに、米国企業に先を越されました。権利を整理できなかったためらしいです。例えば、検索結果を表示すると、日本の法律では引用なのか、不正使用なのか、よく分からないそうです。市場は法規制の変更によって創出されることもあることを日本人は認識しなければなりません。
中国韓国で不正コピーが事実上許されていたのは、中国韓国が豊かになるなら、彼らの安い部品をアメリカが使えるなら、とアメリカが黙認していたからでしょう。ところが、中国韓国は豊かになっても民主主義になりそうもなく、技術力だけが追い付いて来るので、彼らの異質な部分を叩くようになりました。中国企業は特許権侵害の疑いでインド進出できませんでしたし、アメリカではアップル製品を真似たとして韓国企業は販売中止になりました。それらを好感して、同じ土俵で競争するなら最強と市場はアップルを評価したのでしょう。
ウイニーのようなデータ共有サービスに違法コピーがあったり、○○○○動画などに違法投稿があったり、昔ならその場を提供したとして業者が潰されているかもしれないのに、現実に存続して私達がサービスを楽しめるのは、法律家達や関係者の裏方の努力があります。一歩間違えば権利侵害になって閉鎖されかねない、それを事業として成立させているのは、国家の政策なんだと理解する必要があります。新サービスは法律的にもフロンティアです。
日本は弁護士過剰と言われていますが、それは旧態已然とした業務が過剰なんです。
ジョブスが復帰しても業績は上向かずビルゲイツに出資を仰いだというくだりは事実と違いますね。ジョブスが復帰する前アメリオの時代に財務的に最悪の事態は乗り越えて、アメリオはクイックタイムのライセンス侵害に対して巨額の違約金を取ろうとしていたのに対し、アップルプラットフォームに対するソフトウエアを開発していくことをコミットすることと出資金で話をまとめたのがジョブスです。
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