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オリンパス事件の光と影 その16

2015年05月13日

オリンパス事件の光と影 その16


 しばらくお休みさせていただきましたが、再開します。

 オリンパス事件を総括する新刊書を執筆中ですが、新事実や新解釈(今まで間違って解釈されていた事実)もかなり出てきて、それなりに充実した内容に仕上がってきています。

 ところがその最中に、またまた新事実が出てきてしまいました。

 オリンパスが5月8日(先週金曜日)取引終了後の午後3時半に「当社子会社に対する米国司法省の調査に係る特別損失の計上及び通期連結業績予想と実績値の差異に関するお知らせ」なるIRを出しました。

 要するに業績の下方修正だったのですが、同時に2015年3月期の通期連結決算短信もIRしているため、かなり問題ある情報開示方法です。業績修正と決算短信が同時に出ることは珍しくありませんが、その修正が「重大なもの」ならその必要性が認識された時点で遅滞なくIRすることが株主に対する正しい情報発信のはずですが、きっと「大した修正ではない」とでも考えていたのでしょうね。

 しかしその内容は、オリンパス米国子会社の医療関連事業に関して2011年11月時点より米国司法省の調査を受けており、協議の進捗状況を鑑み539億円の特別損失を計上するため、2015年3月期の最終損益を従来予想の450億円の利益から87億円の損失に修正するという「かなり重大なもの」でした。

 米国司法省の調査とは、医療機械の販売で病院や医師に禁じられているリベートを支払っていた事実に対するもので、かなり以前から恒常的に禁止行為が行われていた可能性があります。

 そしてこの調査が開始された2011年11月とは、まさに例の巨額損失隠し事件が発覚していた時期と重なり、この件で逮捕された菊川剛・元社長は1990年代の後半にこの米国子会社の会長だったことがあります。

 本誌が見落としていた可能性もありますが、2011年11月以降、米国子会社がこの問題で米国司法省の調査を受けていた事実がオリンパス側から発表されたことはないはずです(守秘義務が課せられていた可能性はあります)。

 要するに米国政府の「巨額罰金ビジネス」の対象になってしまったわけですが、実はオリンパスにとっては支払いが巨額(539億円)である以上に、もっと重大な意味があります。

 オリンパスの巨額損失隠し事件は米国も重要な舞台となっただけでなく、米国にも大勢の株主がいるため、必ず米国司法省とSEC(証券取引委員会)が調査・捜査に入るはずです。最終的には巨額の和解金あるいは罰金が課される可能性があります。

 オリンパス事件は米国では証券詐欺の重罪となるため、米国司法省でも警察機関であるFBIの管轄です。すでにFBIは巨額損失隠し事件に重大な(というよりも積極的な)役割を果たした佐川肇とチャン・ミン・フォンを証人として確保していますが、なぜかそこから時間が不自然にかかっていました。

 その理由が、ようやくわかりました。単に順番に片づけていただけです。

 日本では表沙汰になっていなかった米国の医療事業関連事件が一件落着となったため、いよいよ巨額損失隠し事件に取り掛かるはずです。「もしかして見逃してくれるのでは?」などの淡い期待は米国政府の「巨額罰金ビジネス」の前には無力です。

 オリンパスは巨額損失隠し事件では日本の裁判でも全く戦わず、すべて検察側の主張を全面的に認めてしまったのですが、これは米国での裁判を著しく不利にしてしまいます。改めて反論することが全くできないため、恐ろしいほどの額の和解金あるいは罰金を課されてしまうことになりそうです。

 蛇足ですがオリンパスは同じ5月8日に、巨額損失隠し事件の際に銀行(メインバンクの三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行)が押し込んでいた2名の取締役(1名は会長)の退任を発表していました。

 巨額損失隠し発覚の直前の2011年9月時点では長短合わせて5548億円もあった銀行借り入れが、直近の2015年3月時点では2994億円まで減少しているので(つまりこの間に2554億円も回収している)、銀行サイドももう安心と考えたのでしょう。

 どうも、もう安心とはいかないようです。

 この辺りも、執筆中の新刊書にたっぷり盛り込むことにします。

 お楽しみに。


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関連記事
コメント
オリンパスから医者への利益提供で米司法省が捜査、特別損失539億円
http://judiciary.asahi.com/articles/2015050900001.html

米国司法省に完全に「ロックオン」されたオリンパスは
買収防衛策を公表しましたが新体制役員も「身内」
で固めたことは逆に「巨額賠償金」や」「解体」される
可能性が高まってることを予測させますね。
常習的な「ばら撒き」や現在も重要事項の「隠蔽体質」を見てると
日本の「不可解な上場維持」や「不可解な裁判」に
暗躍した?連中はようやく見放すのではないでしょうか。

闇株さんの書籍刊行は「絶好のタイミング」になりそうですね。
日本では一切報道されない欧米の感染問題
アメリカやヨーロッパで、オリンパスの内視鏡が原因とされる感染問題について、海外では今年になって何度む大きく報道されているにも関わらず日本では皆無です。
これはなぜでしょうか?また、この先、オリンパスは患者団体から訴訟になるのでしょうか?

http://touch.latimes.com/#section/-1/article/p2p-83511794/
「はてな 天皇 カタで検索して下さい」
 サラリーマンは住宅ローンを3000万円借り、住宅を買う。

人生全体で銀行に支払う利息と元本は合計で6000万円近くになる。

返済総額は、借りた資金の約2倍になる。


サラリーマンは、朝5時に起床し、夜12時近くに帰宅する、文字通り奴隷のように働く。

サラリーマンは、そのようにして奴隷労働を行いながら、自分の人生の半分近くの賃金=労働時間を、銀行への支払いのために「奉仕し、捧げる」。

奴隷のように働かなくては、住宅を銀行に差し押さえられ奪われ、路上生活者となるという心理的脅迫を常に受けている。

サラリーマンは、こうして半ば脅迫を受けた銀行の奴隷になる。

一方、サラリーマンは決して自分を奴隷とは思っていない。

「自立し、立派に会社勤めをし、独立・自尊で人生を堅実に生きている」と思い込んでいる。

しかし、人生の半分を「銀行のために」、事実上、無償で働いている=6000万円という返済総額の数字は、サラリーマンが、半ば奴隷である事実を冷酷に明示している。


 本当は、銀行という金融組織に支配され奴隷化されているが、本人は自分は自由人であり「独立し、立派に会社勤めをし、自立・自尊で人生を堅実に生きている」と思い込み、その「空想世界」の中で生きている。

かつて、黒人奴隷は、「白人の御主人様」によってムチで殴られ、強制労働に従事していた。

21世紀、サラリーマン奴隷は、「銀行という御主人様」から、住宅を差し押さえられ奪われ、路上生活者となるという心理的脅迫を常に受け、人生の半分を奴隷労働=強制労働に従事させられている。

奴隷を殴るムチは、金融システムに、「取って代わられた」。

黒人奴隷達は、「白人は優秀な人種であり、自分達=黒人は劣った人種であると思い込み、キリスト教の神を持つ白人は世界の仕組みを理解しており、キリスト教の神を持たない自分達=黒人は世界の仕組みに無知な生き物である」と思い込み、奴隷支配を受け入れ、正当化させられていた。

同様に、サラリーマン奴隷達は決して自分達を奴隷とは思っていない、「自立し、立派に会社勤めをし、独立・自尊で人生を堅実に生きている」と思い込んでいる。
パナソニック、東芝、シャープ‥発表されたか、イマイチ良く意味が見えない報道が続きました。是非、解説お願いします。
http://www.justice.gov/usao-sdny/programs/victim-witness-services/united-states-v-chan-ming-fon-13-cr-52-lts
まだ続いてるんでしょうか!?
http://judiciary.asahi.com/articles/2015050900001.html
http://judiciary.asahi.com/articles/2015061700001.html
新たなオリンパス事件が同時多発中なんですねえ
上場廃止しなくても体質は変わらないようですね
オリンパス事件損失隠し指南、元証券会社社員に実刑判決

執行猶予なしが2名、執行猶予付きが1名
多額の追徴金あり。
ようやく「真っ当な」判決のようです。

http://www.reuters.com/article/2015/07/01/securities-commerzbank-idUSL1N0ZH2IJ20150701
9ヶ月拘留されてる被告の手記「オリンパス事件に関与した他のだれよりもすでに高い代償を支払った。」

登録で全文読めるようです。
素晴らしいレポート
著書や文献等、貴殿の書かれた信憑性の在るお話を是非、お聞かせ願いたいところです。
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