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緊縮財政案を国民投票で否決 「ごね得」になりそうなギリシャ その2

2015年07月09日

緊縮財政案を国民投票で否決 「ごね得」になりそうなギリシャ その2


 本日(7月8日)の日経平均は638円安の19737円と急落しました。最大の理由は上海と深セン取引所で上場企業の4割以上が「自主的に」取引を停止しており不安から上海総合指数が続落しているからですが、国民投票後のギリシャ動向が依然として不透明なこともあります。

 本日は7月7日付け「同題記事」の続編ですが、そこに「ギリシャが国民投票で緊縮財政案を否決したからといって、なんでユーロ首脳が揃って国民投票の結果を尊重してギリシャに歩み寄らなければならないのか?」とのコメントをいただきました。

 これはギリシャのチプラス首相が「ユーロの仕組みや価値の安定」を人質にとって金融支援を要求したものの拒否されたので、今度は「民主主義」を人質にとったと考えるべきです。

 ユーロ首脳とすれば、国民投票の結果を無視すれば、そのままEU(ユーロ圏だけではありません)における民主主義を軽視することになり、古くはナチス、最近ではロシアの独裁を批判する姿勢と矛盾してしまうからです。

 国民投票は苦し紛れの時間稼ぎだったはずですが、「ただの小僧」と思っていたチプラス首相は、意外に政治的嗅覚が鋭いのかもしれません。

 最新の情報では、昨日(7月7日、現地時間、以下同じ)にギリシャはESM(欧州安定メカニズム)を活用する金融支援を口頭で求めており、本日(7月8日)にも債務削減を含む金融支援を正式に要請するようです。

 ESMはギリシャの2回の金融支援が行われたあとにスタートしているため、せっかくなのでその恩恵も受けようと考えているのでしょう。ギリシャは2010年以降、ユーロ圏におけるすべての種類の金融支援を受けています。

 これに対してユーロ首脳は金融支援の大前提として、明日(7月9日)までに緊縮財政案を提示するように求めていますが、当然にギリシャ側は「民意」を振りかざして緊縮案なしに金融支援だけを求めるはずです。
 
 どう考えてもまとまりません。早くもギリシャペースになっているような気がします。

 ギリシャとすれば、仮に支援決定に時間がかかりデフォルト(7月20日にECB保有のギリシャ国債・35億ユーロの償還があります)になっても、急に困るわけではありません。

 ギリシャにとって怖いのはデフォルトではなく、ECBからの緊急流動性支援(ELA)が止まったままとなることです。本日(7月8日)午前中の段階では、まだ上限枠が拡大されておらず、ギリシャの銀行も営業を再開できていません。

 それどころかECBは今週月曜日(7月6日)に、ELAを供給する際に銀行から徴収する担保の掛け目を引き下げてしまいました。つまりギリシャの銀行はELA残高(総額886億ユーロ)を維持するために「増担保」を要求されたはずです(休業中なのでどうしたのかはわかりません)。

 このELA枠の拡大を止められたままだと、ギリシャ経済は今週末(7月10日)にもパンクしてしまいます。

 ユーロ圏首脳は「民主主義」に対する配慮でギリシャに対して強く出られなくなったかもしれませんが、ECBは「銀行システムの安定維持」が最重要使命であるため、ギリシャ(の銀行)に対してはまた違った対応になるはずです。

 ECBの対応こそギリシャの命運を握っていることになります。

 長い目でみればユーロ圏で同じように財政問題を抱えている「もっと大きな国(具体的にはフランス、イタリア、スペイン)」でも、緊縮財政反対の世論が盛り上がる可能性があり、ユーロ(通貨)は長期的に低迷するかもしれません。

 これは評論家的に「ユーロの信認が低下する」と考えているからではなく、結局はユーロ安にしてフランス、イタリア、スペインあたりまでを「ユーロ経済を牽引する側」にしてしまわないと(現在はドイツとせいぜいオランダだけ)、ユーロ圏経済の辻褄が合わないと考えるからです。ギリシャはユーロ安でもユーロ高でも経済が回復するわけではないので、計算に入れないことです。

 つまりギリシャの国民投票の結果はユーロ安であり、最大の勝者はギリシャではなくドイツとなるはずです。

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コメント
ユーロ安の恩恵
まさにドイツはユーロ安の恩恵を最も受けている訳で、ギリシャ問題がスッキリ解決してしまうとユーロが急騰してしまうというリスクがあるんでしょうね。
チプラス首相は強かに中国やロシアとも接近してますから安全保障までも交渉のテーブルに載せているという事にもなるんでしょうか?
ただ融通している資金の毀損もある訳で、どんなバランスで小康状態まで持っていくつもりなのでしょう?
民主主義というよりも衆愚主義に思えるのですが?
ペリクレスは言っていますよね。
--
貧しいことは恥ずべきことではない。
しかし、その貧しさから脱しようと努めず、
安住することこそ恥ずべきことであるとギリシア人は考える
--
彼の時代こそ古代ギリシアの民主主義の黄金期でしたが、死後、ペロポネソス戦争の敗残もあって、坂を転げ落ちるように衆愚政治に堕した。
如何に国民の総意だといえ「義務の放棄」等々信義則に違背することは尊重に値しないと考えるべきだと思います。EU諸国が逡巡するのは、地政学とか国際政治の力学なんかの読みが難しいってことではないでしょうか?

ちょっとまえの「駄日記」
展開が急すぎて、ちょっと時節遅れだし、趣旨もずれてますが・・・・

http://ueda8823khj.blogspot.jp/2015/07/blog-post_61.html
 製造業復活を公約に掲げるアメリカが黙っているのかが鍵ですな。
「不思議で厚かましい国日本」
我が国に、とくに我々日本民族の歴史というものは厳密に言って存在いたし
ません。

  一般に言われているように「日本書紀・古事記」をもって日本の史書として
いますが、これらの中の「神代の巻」という伝承神話は、旧満州及び今日の韓
半島方面における史実の断片の神話伝承化であります。

  高天原(こま)= 後の高句麗の蓋馬(こま)大山(大古馬嶺山)

   蒼みが原   = 黄海(古名が蒼海、前漢が滄海郡をおいた所の南海に
           存在する海)

スサノウノミコトの大蛇退治の伝承
          = 鴨緑江流域に於ける檀君王倹の邑樓(おろ・うむる)
八部族の平定が日本に伝えられ、スサノウノミコトの
ヤマタノオロチ退治と寓話化されたもの

 数えあげたらきりがない程、満州及び韓半島との係わりあいが多く、書記・
古事記を全て今日の日本列島に位置づけて語ることには無理が出てきます。

 なお、日本書紀そのものが百済本紀の引き写しとも言われる故、或いは、神
武東遷の伝承そのものが百済の始祖・尉仇台の遼西方面からの東遷の史実が色
濃く投影されている可能性があります。

  又、我が天武朝が楽浪朝鮮(馬韓)の後身であったこと、先の天智朝とは何
の繋がりもないことなども、日本の歴史家達は口をつぐんでいます。
近代的国家行政区分などによって歴史を解釈することはとんでもない間違い
を犯しているのであり、いたずらに偏狭なナショナリズムや偏見・独善に陥り
易い傾向にあること、先に小生が物事の真実も見えてこないとした所以です。

  かつて、日本がその偏見と独善的な歴史解釈から誤った指導理念を生み出し、
近隣アジア諸国なかんずく御国・韓国に対し、いかなる結果をもたらしたか、
小生は、過去の歴史が雄弁に物語っていることを知る一人の日本人であります。

 日韓は同祖であり、我が国の古代史を語る上に於いて垣根を作ってしまって
は、いたずらに混乱をきたし、ますます日韓の感情的軋轢をつのらせるのみ…
と思惟しております。

ギリシャ一国の民意が、EU全体の民意に勝るのか?
勝るわけないですよね。民主主義は人質になんかなってませんよ。ギリシャはひたすらごね得を狙い続けているだけです。
なんか記事と無関係な時空の歪んだコメントを付けている人がいますが、百済本紀が含まれる三国史記の成立は12世紀で、日本書紀は8世紀。どうやって未来のものを引き写すのか実に謎です。
たとえ百済三書のひとつである百済本「記」の書き間違いだとしても、三書全てが一切現存しておらず、日本書紀の引用部分から内容は断片的に分かるだけで、それ以外の部分を持ち出す人はただのほら吹きです。
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