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世界の株式市場の2大元凶とは?

2015年09月10日

世界の株式市場の2大元凶とは?


 昨日(9月8日)の日経平均は、ほとんど世界で唯一の下落で433円安の17427円になったかと思えば、本日(9月9日)は1343円(7.7%)高の18770円と史上6番目の上昇幅となりました。
 
 昨日の急落は中国の貿易額が6ヶ月連続で前年同月比マイナスになったことによる経済低迷懸念からで、本日の急騰はその中国が何かしらの経済・株式対策を打ち出すのではないかという海外市場からの期待感が東京市場にも持ち込まれたもので、膨れ上がっていた空売りの買い戻しを巻き込んでの急騰となりました。

 つまり日経平均は(世界の株式市場も似たようなものですが)中国経済と上海株式市場に一喜一憂する「主体性のない」状況となっています。

 低迷する中国の株価対策とは、持ち株売却を禁止することでも官民の資金で買い支えることでもなく、弱気を書いたジャーナリストを拘束することでもヘッジファンドの口座を閉鎖することでもなく、もちろん人民元を引き下げることなく、まだ18%ある預金準備率を引き下げて市場にリスクマネーを供給することです。預金準備率は9月6日からようやく0.5%引き下げられましたが、6月以降の株価対策の切り札とは考えられていないようです。

 中国経済は(日本経済も欧州経済も同じですが)積極的な金融緩和を行ってもそれほど回復しませんが、少なくとも株式市場の雰囲気は改善します。

 また輸出を拡大させて景気を刺激すると言っても、輸出は人民元レートではなく世界経済の状況に大きく影響されるため、先月の人民元引き下げは世界を不安にさせて中国からの資金(外貨)流出を加速させただけの「愚策」だったことになります。

 そうは言っても昨日(9月8日)発表された「8月の貿易統計」と「8月末現在の外貨準備額」を見ておきます。相変わらず発表が早過ぎて「信用できるのか?」と心配になりますが、そのまま使うことにします。

 「8月の貿易統計」は、輸出が前年同月比5.5%減の1968億ドル、輸入が同13.8%減の1366億ドル、差し引き602億ドルの貿易黒字でした。

 また本年1~8月の累計では、輸出が前年同期比1.4%減の1兆4615億ドル、輸入が同14.5%減の1兆960億ドル、差し引き3654億ドルの貿易黒字でした。2014年通年の貿易黒字は過去最高の3824億ドルだったのですが、本年はさらに過去最高となりそうです。ただ内訳をみる限りは、原油などの資源安と中国経済低迷による輸入減で貿易黒字が拡大していることになり、人民元の水準は関連がないように感じます。

 最近よく人民元は割高になっており、中国人民銀行は人民元を買い支え(ドル売り介入をして)人民元が下落するのを食い止めていると言われますが、貿易収支を見る限りは「人民元は割高」でもなく、ましてや「人民元をわざわざ引き下げて世界を混乱させる必要」もなかったことになります。

 つまり「効果(輸出拡大)が限定的な人民元引き下げを強行した結果、外貨流出を加速させて余計に中国経済と上海株式を(ついでに世界の株式も)混乱させてしまった」となり、どう考えても「愚策」だったようです。もともと人民元はドルにリンクされていたので対ドル相場をそのまま固定していれば、あるいは2006年7月から2014年1月までのように人民元をドルに対して緩やかに上昇させていれば、「ドルと並ぶ世界の投資資金の受け皿」となり、少なくとも中国経済と上海株式市場の必要以上の混乱は避けられたはずです。

 しかし8月の外貨準備高は3兆5573億ドルと、前月比939億ドルと過去最高の減少となり、ピークだった2014年6月の3兆9932億ドルから14か月で4359億ドル(10.9%)も減少していました。

 ここで中国の外貨準備とは、日本の外貨準備のように国債を発行して(つまり国民負担で)ただ外貨(米国債)を保有しているだけの状態と違い、中国人民銀行の準備資産の8割弱を占め、中国経済の未曾有の経済発展を支えた信用基盤そのものです。

 ここで人民元を引き下げた8月に外貨準備が急減しているのは、確かに人民元買い・ドル売りの介入があったからですが、それは「もともと中国経済の減速や上海株式の急落で中国から資金の流出(ドル買い)が増加傾向であったところに、突然の人民元の引き下げで市場のドル買いを加速させてしまい、中国人民銀行は「基準値」を2%以上下回る人民元売り(ドル買い)を買い支える必要があったからです。

 ドル買い圧力が強いので「基準値」を引き下げたのか、「基準値」を引き下げたのでドル買い圧力がより加速したのかはわかりませんが、いずれにしても中国人民銀行が大量のドル売り(外貨準備の取り崩し)に追い込まれたことになります。

 要するに世界の株式市場の混乱とは、習近平体制下の「トンチンカン」な経済・株価対策と、いまだに利上げするか延期するか止めてしまうかを決められないFRBの優柔不断さが、2大元凶となります。

 中国は預金準備率の思い切った引き下げとドル高政策の維持(ドルにリンクさせておくだけでよい)、FRBは利上げでも延期でも早く考えをはっきりさせてしまえばよいはずです。

 そうすると世界の株式市場では、少なくとも必要以上の混乱は避けられ、回復基調に戻るはずと考えます。本日の上昇はその「きっかけ」かもしれません。


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