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とうとう出てしまった東芝・第三者委員会の出来レース

2015年11月20日

とうとう出てしまった東芝・第三者委員会の出来レース


 東芝については80億円をこえる課徴金納付が金融庁より近々申し渡され、これで当初のシナリオから少し問題が拡散してしまったものも、やっと「何事もなかったように終結する」手はずになっていたはずですが、たぶん現時点で「最も表に出てほしくなかったもの」が出てきてしまいました。

 東芝に関する各処分および「刑事事件にするには及ばない」との判断の最大のよりどころとなった第三者委員会の調査報告書について、先週になって出てきた原子力事業を調査対象に加えるか否かについて「明らかな謀議があった」との記事が日経ビジネス11月23日号に掲載されるようです。すでに同社のウェブでは一部の内容がではじめています。

 その内容を詳しく引用することは控えますが、「最も出てほしくなかったもの」とは次の5つに要約できると考えます。

 1つめは東芝の第三者委員会は5月15日に設置されていますが、その主要メンバーだった松井秀樹委員が東芝の弁護士(森・濱田・松本法律事務所)に対し、この子会社・ウェスティングハウス社の減損を含む原子力事業を調査対象に加えるか否かは「会社(東芝)が判断するべき」であり、第三者委員会としては会社(東芝)の意向を確認したいとしているところです。

 2つめはこの「調査対象に加えるか否かは会社(東芝)が判断するべき」とは丸の内総合法律事務所の意見であり、この「東芝の意向を確認したい」とお伺いを立てた第三者委員会の松井委員はその共同代表であり、しかも丸の内総合法律事務所は第三者委員会設置の2日前の5月13日に東芝連結子会社の顧問契約を解除しているところです。

 3つめはこの松井委員の「確認したい」を受けた東芝の経営陣(当時)は5月28日に「本件(ウェスティングハウスの減損)については第三者委員会に委嘱する可能性は全くない」と確認しているところですが、その際のメールのやりとりを日経ビジネスが手に入れたようです。

 4つめはその時点で東芝に経営陣(当時)は「第三者委員会は調査範囲外については本格調査を行っていない」との記載が加えられる可能性も認識しているところで、事実7月20日に(東芝に)提出された第三者委員会の調査報告書にはその旨の記載があります。

 そして最後の5つめは、一連の処分で社外取締役中心のコンプライアンス重視体制に「生まれ変わった」はずの東芝経営陣のもとで、11月7日に発表された2015年4~9月期連結決算発表でも、このウェスティングハウス社の減損については隠されたままだったところです。

 それぞれどこが問題なのでしょう? 単なる評論ではなく、どこが「刑事事件」に該当するかで考えてみましょう。

 1つめと2つめについては、第三者委員会とは会社(東芝)が設置するものであり、その委員の選定や調査対象の委嘱についても東芝が決めるもので、その委員は「その時点」で東芝と利害関係がなければよく、第三者委員会がその調査対象について東芝に「お伺い」を立てても別に問題はありません。

 そもそも第三者委員会とはそういうものであり、程度の違いこそあれ出来レースとなるもので、第三者委員会が調査すれば事実がすべて明白になると期待する方が間違っているだけです。

 3つめと4つめは、東芝経営陣(当時)にウェスティングハウス減損を隠す明確な意図があり、しかもそのリスク(つまりバレる可能性)も認識していたことを示す重大な証拠となり、東芝にとって「最も表に出てほしくなかったもの」であるはずです。

 つまりこの時点の東芝経営陣(当時)には明確に「損失隠しの意図」があったことになり、十分に刑事事件に該当してしまいます。さらにこの経営陣(当時)のなかで室町社長(当時会長)が「損失隠しの意図」を共有していた明確な証拠(メール)まで出てきたようです。

 これが5つめの室町・現体制下でも「損失隠し」が続いていた11月7日の決算発表となるのですが、日経ビジネスの記事が出た翌日の11月17日には「当社子会社であるウェスティングハウス社に係るのれんの減損について」なるIRで子会社の減損額は開示していますが、依然として東芝本社の減損は不必要であるとしています。

 これ自体は「会計上の考え方の相違」で済むかもしれませんが、そこに至るまで明確な「損失隠しの意図」があったとなれば、この新体制下における2015年4~9月期連結決算こそ誤魔化しようのない明確な「意図を持った粉飾決算」となり刑事事件に該当するはずです。

 つまり2015年3月期決算までは「粉飾決算ではなく不適切会計だった」と強弁できても、11月7日に発表された2015年4~9月期決算は明確な「悪意をもった粉飾決算」になる可能性が強くなります。

 ただ日経ビジネスの当該メール入手方法によっては証拠能力がなくなりますが、捜査当局が改めて捜査令状で入手すれば(あくまでもそうすればですが)十分な証拠となります。

 しかしそれでも当局は全く無視したまま予定通りの課徴金処分だけで済ませてしまうはずです。どこまでいっても「加藤暠は極悪なので逮捕したが、東芝は日本郵政社長を輩出するほど名門企業なので刑事事件ではない!」なのでしょうね。


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コメント
オリンパス・第三者委員会でも
同じようなことがあったような。
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