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その後の東京電力

2011年05月25日

その後の東京電力

 東京電力の救済スキームが迷走しています。

 国会では、地震発生の翌日(3月12日)の政府と東京電力のやり取りが蒸し返され、本来なら大ニュースとなる「炉心が溶融していた」事実が、サラッと報道されて特に大騒ぎにもなっていません。

 東京電力の株価も再び下落しており、本日(5月24日)の引値が333円と、4月上旬の安値292円に近づいてきました。時価総額は本日現在5350億円ほどになっています。

 さて、東京電力の救済スキームは、東京電力の上場を維持したまま、基本的に賠償責任は無限に東京電力が負い、賠償額が想定外に膨らんだときは国・ほかの電力業者などが負担する、というものだったと思います。

 また、社債権者、銀行は負担を免れるようです。(銀行については官房長官が、債務免除をすると取れるような発言をしていますが、法的整理をしないので、そもそも無理です)

 つまり、東京電力は無限の賠償責任を負うものの、法的整理はせず、いざとなったら国(要するに国民負担なのですが)やほかの電力会社が助けますよ、社債権者や銀行には負担をかけませんよ、ということです。

 これでは東京電力の企業価値が誰にもわからず、株式や社債を買う人がいなくなり、上場はしているもののゾンビのような存在になるのです。つまり、価値がどこからも創造されず、損失を誰が負担し、誰が免れるかの議論でしかないのです。

 このままだと株価が際限なく下がってしまいます。

 また、夏場の電力供給が危機的であることばかり強調されているので、景気回復に大きな障害になります。

 もう少し、前向きなことを考えて見ましょう。

 まず、電力会社はすべての家庭に送電網を引いています。当然、送れるのは電力だけでなくデータ通信やインターネットにも転用できるはずです。

 
 東京電力の送電網の価値はどれくらいでしょうか?

 東京電力が保有している限りは電力供給網のみの価値ですが、データ通信やインターネット網などとも併用できると、その価値は倍化します。

 かつて、1999年に米国AT&Tが、ケーブルテレビ(CATV)全米2位のTCIを買収した金額が1100億ドルです。当時の為替レートで15兆円くらいです。

 4月15日付け「東京電力と米国AT&T」に詳しく書いてあるのですが、AT&Tが分割されたとき、本来は一番価値があった地域電話網を分離してしまったために収益基盤を失い、コンピュータ事業(NCR)や携帯電話(McCaw Cellular)やケーブルテレビ(TCI)といった新規事業に進出したものの、結局、地域電話会社のひとつであるSBCコミュニケーションに飲み込まれてしまったのです。

 つまり、各家庭まで届く送電網は、とんでもない価値があるのです。

 1999年のTCI買収の15兆円は、ITバブルの頃なので割引く必要があるのですが、全家庭に届いているわけではないCATVに比べ、全家庭に届く東京電力の送電網の価値は10兆円くらいあってもおかしくありません。

 どうも、ソフトバンクがそれに目をつけているようです。

 しかし、この送電網の価値を有効活用し、負担の押し付け合いでなく、前向きな東京電力の再生案を考えてみたらどうでしょうか? 

 4月6日付け「東京電力の発電事業と送電事業の分離案」も読んで見てください。

平成23年5月25日

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