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早く何とかしないと日産自動車が食い取られてしまう! その2

2015年12月02日

早く何とかしないと日産自動車が食い取られてしまう! その2


 11月6日付け「同題記事」の続きです。ルノーに対しフランス政府が経営介入を強めて日産自動車との経営統合(合併)を求めている問題で、日産自動車が昨日(11月30日)の臨時取締役会で対抗策を検討したと報じられています。

 ルノーは本年5月の株主総会で、2年以上保有する株主の議決権を2倍にする「フロランジュ法」の適用を拒否できず、来年の株主総会からフランス政府の議決権は約28%となり経営への関与が強化されます。

 報道では、日産自動車が保有するルノーの15%には議決権がありませんが、これを25%まで買い増せばルノーの日産自動車に対する議決権(43.4%)が消滅してフランス政府の関与を避けられるとか、逆にルノーの日産自動車に対する議決権を40%以下にしてしまえば日産自動車のルノーに対する15%に議決権が発生して(2年以上保有しているので議決権も2倍になるはず)フランス政府の関与を薄めるなどが検討されたそうです。

 要するに日産自動車とすれば、現在の日産自動車のルノーとの関係の維持が好ましく、フランス政府の影響が強まり経営統合されてしまうことは避けたいとなります。現在のルノーに徐々に食い尽くされてそのうち残骸になる方が、フランス政府にいっぺんに食い取られて消滅するより好ましいということになります。

 まあ気持ちはわからないわけではありませんが、こんな呑気(のんき)な願望が通るくらいなら苦労はありません。だいたい「本当の敵」であるフランス政府と直接やりあうことなしに、ルノーを買い増すとかルノーの議決権を引き下げるなどの技術論だけを勝手に振り回しても、何の意味もありません。文字通り「机上の空論」です。

 日産自動車が11月30日の臨時取締役会で対抗策を検討したといっても、そもそも日産自動車の取締役会は9人の取締役のうち5人が日本人でありながら、今まですべてカルロス・ゴーンCEOやフランス人取締役の意向通りに、ルノーに食い尽くされるための機関決定を唯々諾々と繰り返していました。

 そんな日産自動車の取締役会は、すくなくともゴーンCEO(ルノーのCEOを兼ねる)やルノー本社の意向に逆らった行動をとるはずがなく、結果的にフランス政府の意向も受け入れてしまうだけです。
 
 ただ現時点ではルノーは(少なくともゴーンCEOは)フランス政府の経営関与の強化には反対しているようです(まあ当然ですが)。

 ここで現在のフランス政府とルノー取締役会とゴーンCEOの力関係が重要となります。フランス政府はもともと日産自動車などルノーの一部くらいにしか考えていないため、日産自動車が日本の会社であり続けられるかどうかは(今まで通りにルノーに食い尽くされてしまう構造は同じですが)ゴーンCEOの考え方にかかっていることになります。

 これも何度も書いているように、あからさまな身分差別があるフランス社会でレバノン系ブラジル人であるゴーン氏は決してエリートではなく、また最近のルノーの業績も一向に改善しない中で、そろそろフランス政府はゴーン氏の更迭を考えているはずです。
 
 さらにフランス政府は、ルノーよりも日産自動車の方に価値がある(フランス政府にとって価値があるという意味です)と考えているはずで、それが今回の経営統合(合併)発言につながっているはずです。

 フランスとは歴史的にも、そういう「厚かましい国」なのです。

 今週末にはルノーでも取締役会が開催されるそうですが、ここでゴーンCEOは自らの生き残りを図るために「フランス政府の関与強化」は拒否する代わりに「日産自動車との経営統合(合併)」は呑んでしまうような気がします。

 本日(12月1日)、菅官房長官も「日本政府としても必要なサポートはしっかりとしていきたい」と述べており、一応は日産自動車が日本の会社でなくなる危機感は持ち合わせているようです。

 だったら何の役にも立たない日産自動車の取締役会や、間違いなく自らの生き残りを優先して日産自動車をルノーに(フランス政府にですが)売り渡すはずのゴーン氏に頼っても全く意味がなく、フランス政府との直談判しかありません。

 本誌は以前、日本政府が主導してゴーン解任、日産自動車が逆にTOBでルノーを傘下に入れる、その条件をややフランス側に有利に設定するなどの条件をパッケージにして、フランス政府と折衝するアイデアを考えていましたが、すでに時機を逸しています。

 ここまでくると、単に日産自動車がルノーと合併して日本の会社でなくなってしまうことを回避するだけでなく、やはり日産自動車をルノー(あるいはフランス政府)から取り戻す方法を真剣に考えるしかありません。日産自動車はもちろん民間企業ですが、日本企業が国際的競争力を維持する数少ない業種であり、下請けを含めた日本経済へのすそ野が大変に広いため、日本政府としても(本当に日本経済のことを考えているのであれば)放置しておけない問題です。

 シャープのような「潰れそうな会社」を官民で救済しようと考えているなら、官民で日産自動車をルノーから取り戻すべきではありませんか?

 具体案はいろいろと考えていますので、改めて記事にします。


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コメント
アプローチ案
日産の自動車技術・市場・工場・人間・環境技術を、フランスへ盛大に無償譲渡して、TOYOTAや米国自動車産業が困る方向にもってけば良いんじゃないですか?

米国でのロビー活動も盛大に行う。でも、それすると今度は、米国に持ってかれそうですね。
なんで相手を見ない?
おフランスは交渉術にたけています。相手の研究をしている人たちと丸腰じゃあ、どちらが優位に立つかは明らかですよね。
日本人が・不思議なのは、なんで相手をリサーチして分析しないのかです。話せばわかるなんて幻想です。
 政府を動かすためにデモでもしましょうか。結局日本人に自国の産業を守るというプライドがないと、でめですね。
いつも楽しく拝読させていただいております。

日産が、自分で暴露した三菱自動車に出資額を大幅増するようですが、本記事との関係などあるのでしょうか?貴誌のご見解を賜りたく存じます。
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