闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

年内最後の日銀政策決定会合はどうなる?

2015年12月11日

年内最後の日銀政策決定会合はどうなる?


 12月3日のECB理事会では予想よりかなり「小粒」だったものの追加緩和が決定され、来週12月15~16日のFOMCでは利上げが決定されることがほぼ確定的です。

 その直後の17~18日には日銀政策決定会合があります。最近はあまり注目されることもなく実際に何も決定されないはずですが、一応ポイントを解説しておきます。

 日銀は安倍政権発足直後の2013年4月に「異次元」量的緩和に踏み切り、2014年10月にはさらに追加量的緩和に踏み切りました。現時点でも黒田総裁は「いつでも断固とした行動をとる」と息巻いていますが、実はすでに黒田総裁にはそのインセンティブがなくなっているはずです。

 何度も書いているように、旧大蔵省は経済回復を最優先する安倍政権発足直後の意気込みに乗じて日銀を完全に傘下に入れてしまったのですが、その目的とは消費税を当時の5%から二段階に分けて10%にすることだけでした。

 民主党の・野田政権時の2012年には消費増税関連法案が衆参両院を通過していましたが(その法案には当時は野党だった自民党や公明党も賛成して圧倒的多数で成立していました)、そのアシストのために円安・株高にした方がよいだろうくらいに考えた「異次元」量的緩和だったはずです。

 そして2回目の消費増税(8%から10%へ)へのダメ押しとして2014年10月には、わざわざ必要のない追加量的緩和にも踏み切りました。ついでにGPIFの運用方針も株式や海外資産の組み入れを大きくするように変更してしまいました。

 ところが2014年12月に安倍首相が「旧大蔵省が予想もしていなかった」衆議院解散で消費増税の民意を問うとして、10%への消費増税を当初予定の2015年10月から2017年4月まで延期してしまいました。

 ここで旧大蔵省は、当初は2015年10月に消費税が10%になってしまえばそこからの景気や株価などはどうでもよいため、その後すぐに(ちょうどいまごろには)量的緩和など打ち切ってしまうはずでした。だから最後のサービスのつもりで追加量的緩和にまで踏み切ったわけです。

 ところが全く予想外に10%への消費増税は2017年4月まで延期されてしまったため、日銀は追加してしまった量的緩和を想定より少なくとも1年半は長く続ける必要が出てきてしまいました。追加した量的緩和では日銀は中・長期国債の保有残高を年間80兆円も増加させることになっているので、1年半も長く続ければ少なくとも120兆円も「余計に」中・長期国債を抱え込まなければならなくなってしまいました。

 つまり日銀は、ここからさらに追加量的緩和に踏み切ることなどできないはずです。これが本誌の以前から繰り返す「さらなる量的緩和などない」の最大の根拠です。

 実は2017年4月の10%への消費増税も、2012年に成立した消費増税関連法案を改正すれば今からでも再延期や中止に持ち込めます。そのためには安倍首相が圧倒的な支持を確保している必要がありますが、先日の安保関連法案ですっかり「勢い」を失ってしまいました。

 そこへ10%への消費増税への「ダメ押し」として持ち上がっているのが軽減税率です。軽減税率とは自民党と公明党の政治的駆け引きの材料に「勝手に」使われていますが、これはすでに10%への消費増税が既成事実であることを前提にしています。

 つまり現時点でも10%への消費増税は「ひっくり返す」ことが可能であるにもかかわらず、安倍首相はすでに旧大蔵省相手に戦うことを完全に諦め、せめて軽減税率を来年の参議院選挙で公明党を抱き込むための材料に使うことにしてしまったことになります。

 この時点で10%への消費増税が「確定」してしまいました。

 もちろん日銀のさらなる追加量的緩和の可能性も完全になくなったと考えます。12月17~18日の政策決定会合だけでなく、来年も「ずっと」ないと考えます。しかしこれは日本経済にとっては「朗報」ですが、FRBの利上げが確定的であるため円相場や日経平均にそれなりの影響が出てしまいます。

 その辺りを12月14日(月曜日)配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」で、先週に引き続き徹底的に解説します。来年の相場を読むためにも重要なポイントと考えます。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
無料メルマガ配信(不定期)
↓↓↓
メルマガ購読・解除
 
関連記事
コメント
■子供騙しの軽減税率論議 -B層宗教と宦官省庁が日本を蝕む-
■子供騙しの軽減税率論議 -B層宗教と宦官省庁が日本を蝕む-

●消費税軽減税率導入は、事業者の事務負担の増大(簡便措置の場合は益税)を招く等、低所得者対策の効果に対して社会的コストが大き過ぎる。
●加えて、軽減税率品目の線引き決定・見直しが財務省主計局の新たな利権・天下りの温床となり、経済活動を委縮・縮小させる。
低所得者対策は、「給付付税額控除」等の合理的施策により行うべきである。
●そもそも大前提となる消費税再増税は、少なくともアベノミクスを成功させた後に延期しなければ、日本を平成恐慌に陥らせる。

◆天下の愚策◆
日本は危機に在る。
外には、百年遅れの帝国主義に陶酔する中国の脅威が迫る。
一方、内には妖しい新宗教と宦官どもが、経世済民を妨げ国庫を蝕む。

前国会で安保関連法案が通り、政策論争は現在、平成29年4月に予定される消費税の8%→10%増税に伴う低所得者対策としての軽減税率導入に移った。

公明党は、安保関連法成立への協力を巡り、母体の創価学会信徒の不興を買ったため、その対策として信徒ウケする軽減税率導入に固執し、見返りを要求された自民党はこれを飲んだ。

軽減税率は、EU諸国で導入されており低所得者対策としての意味はあるが、事業者の事務負担の増大を招く等、社会的コストに対して効果が小さ過ぎる。
これらの結果、巡り巡って流通コストの増大とその小売価格への折り込みを招く等、低所得者対策としても、十分な効果を発揮せず朝三暮四に終わるだろう。
また、これに伴う簡便措置導入の場合には、逆に消費者が店に払った税金が納税されず事業者の所得となる益税問題が発生する。

加えて軽減税率は、対象品目の線引き決定・見直しが財務省主計局の新たな利権・天下りの温床となり、前述の事務負担と相まって経済活動を委縮・縮小させる天下の愚策である。

消費税増税に対し低所得者対策を行うのであれば、諸外国で導入されているように、就労不能者以外は就労した上でなお一定所得に届かない層に現金等を支給する「給付付税額控除」(これにより就労を促す効果がある)等の合理的施策により行うべきである。

◆君側の奸◆
そもそも、今は軽減税率論議をしている場合ではない。
大前提となる消費税再増税は、平成26年4月の5→8%増税の失敗が示すように、少なくともアベノミクスを成功させた後に延期しなければ、日本を平成恐慌に陥らせる。

財務省主計局は、政府の先の増税判断の際、タイミングを合わせた財政出動と日銀に送り込んだ黒田総裁の金融緩和により束の間の景気回復を演出し、またマスコミ、学会、財界による増税翼賛会を飴と鞭により総動員し、先の増税を押し切った。

そしてその結果が、先日発表された今年度2四半期に渡るGDPマイナス成長、即ちリセッションとなった。
これに対して、例えば大和総研のチーフエコノミストで熊谷亮丸(みつまる)という財務官僚の成り損ねは、消費税増税のサンドウィッチマンとしてTVでこれを散々煽ったが、言い訳ばかりで何の反省も述べずにTV出演を続けており、厚顔ここに極まれりの感がある。

財務省主計局の幹部は、ほぼ全員が東大法学部卒のエリート(経済の門外漢でありこれ自体問題だが)であり、この結果を全く予想出来なかった程無能ではない。

しかし、増税を成し遂げた事務次官は省内で「中興の祖」として奉られる等、華々しい天下り人生が待っているため、たとえ国の経済がガタガタになり、場合によってはそれにより実際の税収が減るリスクを承知でも、この危険な企てに邁進する事が目的と化して、省内出世の条件となっている。
そしてそれに逆らえば、総理大臣と言えども、マスコミを筆頭とした増税翼賛会と司法を含めた官僚機構の連携により失脚させられるシステムが出来上がっている。

◆安倍総理に胆力在りや◆
「税と社会保障の一体改革」という、あたかも内政の中長期の最大課題のように言われている言葉がある。
しかし、これは逐次税金を上げ続け、社会保障をカットし続けるだけの、子供騙しの単なる算盤合わせの対処療法に過ぎず、政策課題として完全に狂っている。

急激な少子高齢化で衰退に向かう社会は、明らかに仕組みがおかしい。
日本は、隅々に蔓延る悪しき既得権で二進も三進も行かぬ雁字搦めとなっている。
このシガラミを絶ち、税と社会保障ならぬ「働き方と社会保障の一体改革」によりガラガラポンで仕組みを変えなければ、日本の衰退は止まらない。
そして、もしそこに踏み込めれば、安倍政権の唱える絵空事と揶揄される「一億総活躍社会」にも目鼻が付き、無理筋と言われる「2020年までにGDP600兆円達成」も不可能ではないだろう。
筆者は、将来もし確実にその筋道が付いたなら、経済成長による税収増との見合いで本当に足らざる分について増税する事を否としない。

先ずは、正しき政策課題を掲げ来年7月に衆参同日W選挙を打ち、平成29年4月に予定される10%への増税を取り止める事が出来るのか、安倍総理の胆力が試されている。
「安倍と天皇は親戚ですよ」
日銀の大株主は誰なのか?そこを無視して何を書いても説得力無しです!
来年7月衆参ダブル選挙で決まり!
〉安倍首相はすでに旧大蔵省相手に戦うことを完全に諦め、
せめて軽減税率を来年の参議院選挙で公明党を抱き込むための材料に使う?

はあっ?闇株氏の政局予想は何時も頓珍漢ですね?
来年1月4日に通常国会開会するのは伊勢志摩サミットで支持率UP後
6月1日通常会期終了後、衆院解散で7月10日衆参ダブル選挙で決まり!
未だに昨年4月の消費税8%UPの影響の為、景気が上向かずアベノミクスが
失速寸前なのに再来年4月に軽減税率入れても10%にしたら政権はアウトです!

闇株氏は一昨年の解散を予想外と言いましたが当時官邸周辺関係者からは
解散報道が結構有りました。結果オーライで与党大勝利でした。
今回の軽減税率騒動も衆参ダブル選挙を嫌がる公明党対策です。
ダブル選挙で橋下大阪市長が言うとおり衆参両院議席で2/3超えるでしょう!
橋下氏も当然衆院に出ておおさか維新が大躍進して野党は壊滅します。

憲法改正出来る議席ですが安倍首相がやると外野がうるさいので
おおさか維新の議席次第では橋下氏が副首相兼憲法改正担当大臣任命で
マスコミ出演で憲法改正を正面からアピールするんでは無いかと?
とにかく来年の衆参ダブル選挙は間違い有りません!?





裕次郎様へ


 コメントありがとうございます。ご批判は大歓迎ですが、本誌の記事の取り上げ方に対する根本的な説明不足があったと反省したのでお答えします。

 本誌が取り上げる記事は、闇株新聞でも有料メルマガでも、題材が内外の経済事件でも金融政策でも政治・外交でも、すべて直接取材した情報(あるいは直接かかわった情報)をさらに二重三重にチェックし、間違いがないと思うものだけを本誌の責任で取り上げています。決して頭で考えて書いているわけではありません。

 政治については経済事件とおなじでいろいろなレベルでの情報があり、また最後まで変化するものであり、取捨選択が重要です。

 ご指摘の衆参同時選挙は確かに一部では囁かれており安倍政権のカードの1つであることは事実ですが、現時点ではあくまでも可能性の1つでそれも高くはありません。現時点で唯一確定してしまったことは2017年4月に消費税が10%になることで、2012年に成立した消費増税関連法案を修正すれば再延期でも中止もできるところを「諦めた」というところだけです。だから軽減税率の議論になっているのですが、増税しなければそもそも不要の議論です。ここは確かに政権がアウトになるほど日本経済が打撃をうけます。

 とはいっても2016年夏にダブル選挙を戦う目玉(消費税の中止とか)が無くなったことになり、現時点ではリスクが大きすぎるとなります。もちろん直前まで変化することもありますが、サミットの成功や(成功することが当たり前です)橋下氏の個人的人気だけで(確かに何人かの議員を当選させる力はありますが、今までも玉が悪すぎます)ダブル選挙に勝てるほど選挙は単純ではありません。


闇株新聞編集部
来年7月が楽しみです!
わざわざの返信有難う御座います。

〉2016年夏にダブル選挙を戦う目玉(消費税の中止とか)が無くなったことになり?

ダブル選挙の目玉は勿論「消費増税の凍結」延期時期未定!
勝つにはこれしか無いし2匹目のドジョウで同じ手を使う?
凍結解除は景気状況が良くなってから実施すると宣言!
戦後2回実施のダブル選挙は自民圧勝でした!
共産党に色目を使う様な民主党には誰も投票しない。
追加緩和について
追加緩和がありましたが、どういうことでしょうか。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

03月 | 2017年04月 | 05月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム