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そろそろ円安終了?

2015年12月16日

そろそろ円安終了?


 今週は12月15~16日のFOMCで9年半ぶりの利上げとなることが「確定的」で、それに続く12月17~18日の日銀政策決定会合は「たぶん」何の変更もないはずです(2016年のETF買入れ枠だけが増額される可能性は少しだけあります)。

 従来の常識では円安加速となるはずで、実際に12月9日までの1週間の外為証拠金取引では、日本の個人投資家のドル買越し額は24億8000万ドル増え、今年の週間ベースでは6月3~10日の25億8000万ドルに次ぐ買越し額だったそうです。ちなみに本年の(というよりリーマンショック以降の)最円安である1ドル=125.85円を記録した日が6月5日でした。

 本日(12月15日)は午後5時頃に1ドル=120.60円となるなど、少なくとも円安加速という状況ではありません。

 日銀が追加量的緩和に踏み切ったのは2014年10月31日ですが、その少し前の10月15日につけた1ドル=105.18円から円安加速が始まりました。最初の「異次元」量的緩和に踏み切った2013年4月4日の前日が1ドル=93円でした。

 大変大雑把にいうと最初の「異次元」量的緩和で円は93円から105円まで「12円の円安」となり、追加量的緩和で105円から125円(2015年8月)まで「20円の円安」となったことになります。

 ところが最初の「異次元」量的緩和が行われていた2013年度(2013年4月~2014年3月)は、国内投資家は海外株式を3.1兆円売り越し、海外の中・長期債を2.6兆円売り越していました。もちろん日本への資金流入です。

 70円台の円高が長く続いた円相場がやっと100円をこえたため「やれやれ」の売却があったことになります。ちなみにこの2013年度は本邦企業の対外直接投資が13.9兆円もあり(資金流出)、海外投資家が日本株を11.8兆円も買い越し(資金流入)していました。

 2013年度の経常収支は1.4兆円の黒字に過ぎませんでしたが、差し引きすると日本から資金が流出していたわけではなかったことになります。

 ところが日銀の追加量的緩和が行われている2014年10月~2015年9月の1年間で見ると、国内投資家は海外株式を19.3兆円買い越し、中・長期債も9.3兆円買い越しています。それだけ巨額資金が国内から流出していることになります。

 ちなみにこの1年間で経常収支14.4兆円の黒字(資金流入)ですが、本邦企業の海外直接投資(資金流出)が15.7兆円もあり、同期間の海外投資家の日本株買越しが3.8兆円、日本の中・長期債投資が9.6兆円の買越し(それぞれ資金流入)となっていますが、差し引きでも国内から巨額資金が流出していることになります。

 したがって追加量的緩和が行われている2014年10月から2015年9月までが「円安加速」となっていたことになります。日本から資金が流入しているか流出しているかだけで円相場が決まるわけではありませんが、ある程度は「その通り」になります。

 そうすると今週のFOMCで利上げが行われても、それを受けて国内投資家が今までのように「狂ったように」海外の株式や中・長期債を買い越さない限り、これ以上の円安はないことになります。それだけでなく「少しでも」海外の株式や中・長期債を売り越すとか、売り越さなくても為替のヘッジ売りを積み上げたら、逆に「円高」になってしまいます。

 ここのところの円相場が「どんどん円安」という雰囲気でもなく、海外株式や海外債券(とくに格付けの低い債券)への投資環境が「良好」というわけでもなく、ここから国内投資家がどんどん海外投資を加速させるということは考えにくいはずです。

 単純すぎる理由ですが、円を外貨に換える需要が少なくなれば円安にはなりません。外為証拠金取引は必ず反対決済するので、最近のようにドル買越残高が大きいということは「必ず」ドル売り需要があるということになります。

 それから本誌が前から気になっていることは、海外投資家による日本の中・長期債買い越しが「思いがけない」高水準であることです。2014年10月~2015年9月も低利回りの(ほとんど利回りがゼロに近い)日本国債を9.6兆円も買い越しています。

 海外投資家は日本国債の利回りや値上がり益を期待しているはずがなく「為替益」が目的のような気がします。まだ確証はありませんが海外投資家は「円は底値に近い」と考えているような気がします。どこかのタイミングで一気に「円買い」を仕掛けてくるかもしれません。

 この辺を考え合わせるとFOMCの結果に関わらず、そろそろ円安終了?となるような気がしています。

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コメント
アメリカ経済も、怪しくなってきました。ブルームバーグのFRBウォッチャー山広記者の記事をずっと読んでいますが、年初から今年度後半には景気後退といっていました。直近の記事で景気の遅行指数ともいわれる雇用に注目。景気遅行指数である女性就業者が33万5000人増加で伸びが加速と。パート就業者が31万9000人も増えていると指摘。この時点での利上げはとの記事ですが、説得力有りますね。
シェール革命終了のお知らせ
こんなに原油安なのに、シェールガスをまだ掘ってるとしたら信じられないですね。1バレル70ドルくらいないと採算が合わなかったと思うのですけど。シェールガス関連の企業倒産とかのニュースをアメリカ当局が報道規制してるのではないでしょうか?
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