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なぜ「円高政策」に転換すべきと考えるのか?

2016年01月15日

なぜ「円高政策」に転換すべきと考えるのか?


 本日(1月14日)の日経平均は一時16944円まで下落し、結局前日比474円安の17240円で終わりました。同じように中国経済の不安、上海株式の急落、(1バレル=37ドル台が安値でしたが)原油安で世界の株価が急落していた昨年9月29日の16930円(終値)に急接近となり、ここで踏ん張れるか重要なポイントとなります。

 こういう時期に「円高政策」に転換すべきなどと書くと、日経平均がますます暴落してしまうではないか? せっかく好調な輸出企業の業績が悪化してしまうではないか? 中国人観光客の爆買いが無くなってしまうではないか?など、批判の嵐になってしまいそうです。

 また本誌は2011年~2012年の民主党政権時代、白川日銀総裁の消極的な金融緩和とその結果としての70円台の超円高と8000円台の日経平均を大いに批判しており、ようやく黒田日銀総裁になって「異次元」量的緩和で株高・円安が実現しているのに、いったい何が問題なのだ?とも言われてしまうと思います。

 その理由は単純で、現在の世界経済において量的緩和と「円安政策」を継続することは、日本経済にとって効果がほとんどないだけでなく弊害が大きいと考えるからです。

 積極的な金融緩和・量的緩和と通貨安政策は、世界の潜在成長率が高い時期あるいは高いと考えられている時期には効果がありますが、逆に現在のように世界経済が縮小して物価が上がらない時期には、あまり効果がありません。世界経済が成長しないなかで日本経済だけが量的緩和と円安だけで拡大することなどありえないからです。

 こういう時期は、むしろ逆に必要以上の金融緩和をやめて円高政策に切り替えることにより海外からの投資資金を集中させ(まだ世界中に投資資金は溢れかえっています)、また日本経済と日本国内の資産価値を(海外から見て)大きくして、それらの効果による景気刺激に期待した方が効果的だからです。

 世界の金融政策で見るとリーマンショック直後の2008年10月から2013年5月頃までは、積極的な金融緩和や通貨安による景気刺激効果があったはずです。少なくとも景気が拡大するという期待感はあったため、それなりの効果がありました。

 この2013年5月とは何だったのか?ですが、米国では量的緩和(QE3)の真っ最中だった時期ですが、そこでバーナンキFRB議長(当時)がそのQE3を縮小する必要性を初めて表明した時期です。

 そこで世界経済にとって積極的な金融緩和と通貨安が効果的でなくなったというわけでもありませんが(後から検証するとその通りだった可能性がありますが)、実は日銀が「始めて」積極的な金融緩和(「異次元」量的緩和)に踏み切った時期とは、そのわずか1か月前の2013年4月4日のことでした。

 もちろん日銀の「異次元」量的緩和は株高・円安をもたらし、基本的には今でも日本では(たぶん欧州でも)金融緩和・量的緩和=株高・通貨安と認識されたままです。

 実際に米国は、少し遅れて2014年1月からQE3を縮小して同年10月に終了してしまいました。日銀は逆に同じ2014年10月に「もっと異次元に」追加量的緩和を行い、現在も(そしてたぶん2017年4月の消費増税のさらにあとまで)継続するはずです。

 現在は誰の目にも世界経済は減速しており(潜在成長率が世界的に低下しており)、物価上昇率も大きく低下しています。その中で黒田日銀総裁は本日(1月14日)も「2%の物価目標達成のためには何でもする」と息巻いていますが、これは2008年~2013年当時のアナクロ的な発想です。

 本日は10年国債利回りが一時0.19%と史上最低利回りを更新しました。日本の国債に10年間投資して利回りが0.19%しかないなかで、いくら国債は元本リスクがないといっても物価が2%上昇するほど日本経済の潜在成長率(あるいは期待収益率)が高いはずがありません。

 こういう時期に中途半端な物価上昇目標を掲げるので安直な便乗値上げが続き、景気拡大効果が乏しい(ほとんどない)量的緩和を続けるので円安となり、せっかくの原油など資源安の恩恵が消費者に行き渡らないだけでなく、そこへ消費増税の負担が加わります。

 考えるまでもなく「誤った物価上昇目標」「誤った異次元・量的緩和」「誤った円安政策」となります。足元では1ドル=117円台となっていますが、世界の金融市場が小康状態となると日本では基本的に円安予想(期待)が大きいため、再び対外投資が拡大して中途半端な円安に戻る可能性もあります。

 歴史的に見ると昨年までのような「気が狂ったような」対外投資が拡大した後は、必ず将棋倒しのような急激な円高に見舞われているため、ここはあまり過度な円安予想(期待)に適度なブレーキをかけておく必要もあります。これも「円高政策」に転換すべきと考える理由の1つです。

 それではここで「円高政策」に転換するとは具体的にどうするのか? どういう一時的「弊害」があるのか? トータルではどういうメリットが日本全体としてあるのか?などは、1月18日配信のメルマガ「闇株新聞 プレミアム」で徹底的に解説します。

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コメント
円高でどこがババひきますか?
そして今度は スワップ協定でしょう?

何なんだ?
未曾有の金融緩和は、筋トレをしないで輸血と造血剤を打ち続けている状態
未曾有の金融緩和は、前例がないだけに顛末が見通し難い。
こういうケースは、例えば人体の仕組みに照らすと分かり易い。

輸血と造血剤を打ち続けている状態で、確かに一時的に元気になるが、筋トレをして体を作って行かなければやがて弊害が出て来る。
車乗らないの?ガソリン安くなったよ~と感慨に耽っておりましたが。とは言い過ぎですが前安かったのはいつだったか忘れていますね。
1ヶ月も前の記事へのコメントで失礼致しました。
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