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産業革新機構はシャープを支援しないで日産自動車を買い集めたらどうか?

2016年01月20日

産業革新機構はシャープを支援しないで日産自動車を買い集めたらどうか?


 官民ファンドの産業革新機構は1月18日、経営再建中のシャープに対する出資額を当初想定した2000億円から3000億円超に引き上げる検討に入ったと報じられています。

 これにはメインバンクのみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が2015年5月に1000億円ずつ貸付金を株式化した「優先株」を無償放棄し、新たに両行で1500億円ほどの貸付金を株式化することが「セット」になっているようです。

 さらに産業革新機構は、まだ大株主であるJDIにシャープの液晶部門を分離して統合させようとも考えているようですが、所詮は経営の素人である産業革新機構が「たまたま好調な株式市場のおかげで投資資金が回収できただけのJDI」と「毎日どこかに現金を捨てているのではないかと思うほど赤字のシャープ」を統合しても、うまくいくとは思えません。

 その産業革新機構が「焦っている」理由の1つが、台湾の鴻海精密工業がシャープ全体の買収額を5000億円から7000億円に引き上げたことがあります。

 時価総額が2100億円ほどのシャープを7000億円で買収してくれるわけではなく、これは負債込みの買収額のはずで、シャープは直近で長短借入金に社債を加えた有利子負債が7000億円以上あるため「実質タダ以下」となります。つまり鴻海は「まともな価格」でシャープを買収するつもりなどさらさらなく、2012年のように振り回されるだけなので相手にしないことです。

 まあ産業革新機構とは官民ファンドといっても3000億円の資本金のうち2860億円は国(財政投融資特別会計、要するに国民の税金です)が出資している実質官制ファンドであるため、官僚にとっては直接的には天下り先の確保、間接的には各種利権が隠されているようで、シャープは「逃がすわけにはいかない投資先」なのでしょう。

 しかし本誌は産業革新機構に限らず官制ファンド(官民ファンドではありません)が民間企業に出資する(あるいは大株主になる)ことに全く意味がないとは考えておらず、時には官僚に明らかなメリットを渡しても出動してもらいたい「案件」もあります。

 つまりオール日本としての利益を考えて(オール日本の明確な損失を回避するために)ぜひ投資してほしいと考える「案件」とは、そう日産自動車です。

 本誌が度々「ルノーに食い尽くされて残骸だけになる」と警鐘を鳴らしていたら、今度は「フランス政府にいっぺんに食い取られて残骸も残らない(日本から消滅してしまう)恐れが出てきた」あの日産自動車です。

 直近の状況は2015年12月15日付け「ひとまず安泰なのか? 日産自動車の命運」に書いたように、「日産自動車の経営の独立性が損なわれるときはルノーへの出資比率を引き上げる権利」が日産自動車に付与されたようです。

 現在ルノーの15%を保有している(議決権なし)日産自動車の持株比率を25%に引き上げると、日産自動車の43.4%を保有するルノーの議決権がなくなるからですが、これはルノーと日産自動車の取締役会決議なので、いつでも取消・変更の決議ができることを忘れてはなりません。

 だいたいゴーンCEOとルノー本社の「覚えがめでたい」日本人が過半数を占める日産自動車の取締役会が、いざという時にオール日本としての利益など尊重するはずがありません。つまり日産自動車はちっとも安泰ではありません。

 1月14日にも、フランス政府が排ガス規制の不正についてルノーを立ち入り検査して、ルノーの株価が瞬間的に23%も急落していました。とりあえずシロだったそうですが、フランス政府にとってルノーより日産自動車のほうがはるかに価値があり、簡単に諦めるはずがありません。

 とりあえず今年度株主総会の議決権が発生する3月末の基準日までに、オール日本で拒否権が発生する議決権(出席議決権の3分の1以上)を確保しておかなければ、早ければ4月末に予定されているルノーの株主総会にでも「日産自動車が日本の会社でなくなってしまう」可能性が残ります。

 別に産業革新機構に限らず官制ファンドだけで拒否権を確保しなくても、日本の機関投資家などを動員すればそれほど巨額の資金はいらないと思いますが、本日でも日産自動車の時価総額は5兆円あり、やはり1兆円以上の資金は必要です。

 一応、日産自動車は世界有数の自動車会社でそれなりの高収益会社でもあるため、「シャープなら3000億円で済むのに」といった比較は全く無意味です。また産業革新機構は政府保証枠が1兆8000億円もあるため資金的には何の問題もなく、融資する銀行にとっても優良案件となるはずです。

 最後にまるでブラックジョークですが、この産業革新機構の代表取締役会長こそ、あの塙氏(故人)と並んで日産自動車をルノーに売り渡した責任者である志賀俊之氏です。

 志賀氏におかれましては、もうお立場は変わられているのですから、ここはオール日本のために(罪滅ぼしのためにとは言いませんから)日産自動車がルノー(フランス政府)に丸ごと食い取られて日本から消滅してしまう事態だけは回避されたらいかがでしょうか?

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コメント
今こそ、チャンス
管理人のおっしゃるとおり、今こそ日産を買い戻すチャンスだと思います。シャープにはもうこれといった技術は残っていませんし、ならば日産の技術にはまだまだ将来性があるのだから、国策として日産を救済すべきであると思います!
いつまでも外国人に侮られてばかりでは日本人として忸怩たる思いがあるし、これからの日本の発展には、是非とも腹黒なフランス政府に一泡吹かせなくては悲しくなります。日本の企業の発展に日夜必死に頑張っている企業戦士に希望を抱かせるのも政府の仕事の一つと考えます。
是非、管理人様も経済界に働きかけてほしいと願います。
さて、株式市場は崩壊寸前になってしまいましたが、私が以前に投稿したとおり日経平均は16000円台に落ちてきましたが、最悪15000円台も視野に入れています。罫線理論を越えた世界情勢だからです。ここは、空売りで向かうしかないようですね!
 そうですかね。シャープのプリンター技術が流れると、キャノンやエプソンは窮地に陥りませんか?
 おっしゃってることはもっともですし、シャープの経営陣がそのままと言うのも理解できませんが・・・
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